「子供のお小遣いは報酬制がいい」
令和時代のお金の教育本には、このようなことがよく書かれていますし、 FPの私も同感です。
とはいえ、
そもそもなんでお小遣いは報酬制にしたほうがいいの?
どうやって報酬制を取り入れたらいいのかわからない
という方も多いと思います。
そこで今回は、そんな子供のお小遣いのお悩みを、金融教育セミナーも行うFPの観点から「お手伝い表」をヒントに解決していきます!
具体的には、
- これから子供にお小遣いをあげたいと考えている方
- 報酬制のお小遣いを始める方法や年齢を知りたい方
- お手伝い表の無料テンプレートをお探しの方
におすすめの内容になっています。
お手伝い表の活用術がわかれば、子供のお金への意識も爆上がりするはずですよ!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
子供のお小遣いをお手伝い表で管理する4つのメリット
子供のお小遣いを報酬制(お手伝い表)で管理するメリットは、
- お出かけ時の「ほしい・したい攻撃」に対処できる
- 「人の喜び=お金がもらえる」仕組みを教えられる
- お金への興味を自然に引き出せる
- 親も家事労働が減って楽になる
の4つです。
どういうことか、一つひとつ詳しく解説しますね!
お出かけ時の「ほしい・したい攻撃」に対処できる
報酬制のお小遣いを取り入れる1つ目のメリットは、お出かけ時の「ほしい・したい攻撃」に対処できるようになる点です。
子供が2歳~3歳くらいになると、お出かけのたびに
- おやつやおもちゃが欲しい
- ガチャガチャを回したい
- ゲームセンターで遊びたい
など、 「〇〇がほしい」「〇〇がしたい」攻撃がはじまるケースが多くなります。
しかし、子供のお小遣いをお手伝い表で管理していれば、自然と
あなたのお小遣いでそれは買えるのかな?
少し前に200円稼いだから、このゲームができるよ。
でも、今使ってしまうとお小遣いがすべてなくなって、他に欲しい物ができたときに買えなくなるよ。どうする?
と、子ども自身に選択権を与える提案ができます。
親が気分で、
最近買いすぎてたから、今日は我慢させよう
子供の喜ぶ顔が見たいから、買っちゃおう!
とならなくなるので、一貫性のある対応ができ「買ってくれなきゃ嫌だ!」と駄々をこねる場面も減っていくのです。
子供が欲するままに物やお金を与えてしまうと、
- 物やお金の価値を知る大切な機会を奪ってしまう
- 本当に欲しい・必要な物を選ぶ力を養えない
- 正しいお金の使い方や管理方法を覚えられない
- 簡単に手に入るから、おもちゃを大切にできなくなる
など、様々なデメリットが発生する可能性が高いです。
クリスマスや誕生日以外の日常的な予定外のプレゼントは回数を減らして、子供のお小遣いの範囲内で購入する習慣づくりをしたほう良いでしょう。
「人の喜び=お金がもらえる」仕組みを教えられる
子供のお小遣いを報酬制(お手伝い表)で管理する2つ目のメリットは、「人の喜び=お金がもらえる」仕組みを教えられる点です。
ママ・パパは、お金を稼ぐことに対してどのようなイメージをお持ちですか?
- 大変なこと(簡単ではない)
- 我慢すること
そんなマイナスイメージを真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。
そのイメージのまま報酬制のお小遣い(お手伝い表)の導入を考えると、
こんな小さいうちから働かせるなんて…
好きなものを我慢させたくないなぁ
という親側の罪悪感のような気持ちが芽生える可能性が高いです。しかし、
本来「お金を稼ぐ」という行為は「誰かの問題を解決して喜びを生み出したときに支払われる対価(報酬)」
つまり、誰かの喜び(幸せ)=お金を稼ぐ仕組みを教えてあげられるチャンスだと捉えれば、子供のうちから報酬制のお小遣い(お手伝い表)を導入するメリットも感じられるはずです。
お金の価値・仕組み・本質や働くことについて、子供と対話する機会を得るためにも、報酬制のお小遣い(お手伝い表)の導入を検討してみましょう!
お金への興味を自然に引き出せる
報酬制のお小遣いを導入する3つ目のメリットは、子供の「お金への興味を自然に引き出せる点」です。
小学生くらいになると、
うちの子はお小遣いをあげても、すぐ使ってしまって…。
「足りない!もっとほしい!!」ばかりで困っているんです。
なんていう親御さんのお悩みを耳にする機会が増えます。
実はこの問題が生まれる原因が、「お金への興味がない」ことです。
小さい頃から、
- 好きなものを好きなときに買ってもらえる
- 我慢せずにお金が手に入る(定額制お小遣いなど)
を体験をしていると、お金に困ることがありません。
つまり、お金について真剣に考える機会がないので、お金への興味も生まれにくいのです。
すると、いざ成長してから「お金を大切に使いなさい」と伝えても、お金に興味を持つ生活をしてきていない子供にはその言葉が届きません。
一方で、小さい頃から報酬制のお小遣い(お手伝い表)を導入をしているご家庭では、お金と触れ合いお金について考える機会が多いので、自然とお金への興味が強くなる傾向があります。
興味があれば、
- どうやりくりすれば、欲しい物が手に入るのか
- どうすればもっと稼げるのか
- 何を我慢すれば、目標金額まで貯められるのか
を子どもが自分の頭で考えるようになるのです。
結果的に親がうるさく言わなくても、子供は自分でお金を管理してくれるようになります。
子供自身が稼いだお金を実際に使ってみないと、正しいお金の使い方は身につきません。
小さいうちから、ママ・パパが報酬制のお小遣い(お手伝い表)を活用して、お金への興味を育ててあげましょう!
親自身も家事労働が減って楽になる
報酬制のお小遣いを導入する4つ目のメリットは、「親も家事労働が減って楽になる」点です。
もちろん子供が小さいうちは、親が1人でやったほうが早いと感じる場面が多いと思います。
しかし、最初は新人に店長が仕事を教えてあげるイメージで、人材育成に励んでみましょう。
小さい頃から家事に慣れてもらえば、子供が小学生になるくらいには立派な戦力になってくれます。
年齢や成長具合に合わせて、
- お箸を並べる
- 畳んだタオルを運ぶ
- 玄関の靴を下駄箱にしまう
など簡単な仕事からお願いしていくと、どんどんできることが増えていきますよ!
『専業主婦はいつから働く?FPが教える4つのベストタイミング』の記事でもお伝えしましたが、2019年時点で専業主婦の割合は27.6%まで減っています。
つまり、これからの時代は共働きが主流。
男性であっても、当たり前に家事をこなせなければなりません。
「妻・嫁に家事をこなしてもらう」という考えは、現代社会では時代遅れになっているのです。
そういった意味で、小さい頃から女の子だけでなく男の子も家事をこなす習慣をつけておくのがおすすめ!
ぜひ、子供を含む家族全員で、家事をシェアする環境づくりをしていきましょう。
では次に、報酬制のお小遣いを導入する際の、お手伝い表の活用法について紹介していきます。
【無料配布】FP作成の子供のお手伝い表テンプレート
報酬制のお小遣いを導入する際に欠かせないのが、「お手伝い表」です。
ここでは、FPの私が作成した金融教育におすすめの”お手伝い表テンプレート”を無料配布します。
以下からExcelファイルをダウンロードして、印刷してください。
- 1:Googleスプレッドシートを利用すれば、エクセルソフトを持っていない方でも、無料で自分の家仕様に編集できます。
- 2:Googleスプレッドシートを利用するためには、先にGoogleアカウントを作成する必要があります。(こちらも無料で作成できます)
- 3:「しごとないよう」や「きんがく」はご家庭で話し合って、自由に変更・編集してください。
- 4:お手伝いした回数は正の字で書き込むと、同じお手伝いを同日にした場合に回数を管理しやすいです。
印刷手順
プリンターやパソコンがない人もコンビニ印刷ができるアプリ
おすすめの使い方&ルール
おすすめの使い方とルールは以下のとおりです。(ご家庭の状況に合わせて、臨機応変に変更してください)
お手伝い表を導入する流れ
- 上記から、お手伝い表をダウンロードして印刷する
- 印刷したお手伝い表を使って、報酬制お小遣いを始めることを子供に伝える
- お手伝い表を子供にも見える位置に貼る
- 子供がお手伝いをしたら、ママorパパに報告してもらう
- ママorパパのOKが出たら、お手伝い表に正の字でできた回数を書き込む
- 月末に総額を計算して、お給料を渡す
おすすめのルール
- 仕事内容や報酬額は、家族会議で決める
- 大変な仕事の場合は、子供からの打診で報酬額UPも可
- 逆に簡単な仕事は、親からの相談で報酬額を下げることも可
- 生活必需品以外の子供の個人的な買い物等は、お小遣いから払わせる
- 報酬がもらえるのは、家族のために動いたときだけにする(自分のことだけやってもお金は手に入らないシステムにする=仕事と同じ)
お手伝いは強制しないのが1番大切なポイントです!
「仕事をしない=お給料がもらえなくて好きなものが買えない」ことも学んでもらいましょう。
また、お手伝いをしてもらったときには減点方式ではなく、加点方式の声がけをするのがおすすめ!
「○○ちゃん(くん)に手伝ってもらって、ママすっごい助かっちゃった~」
「ここの部分の掃除の仕方が丁寧だったね。キレイになると気持ちいいね!」
など、子供の自己肯定感や仕事へのやりがい(自信)を高める声がけをして、働く楽しさを教えてあげましょう。
お手伝い表と一緒に揃えると効果が倍増する4つの道具
お手伝い表と一緒に以下の4つを揃えると、より報酬制お小遣いによるマネー教育効果が倍増します。
お小遣い帳
1つ目のおすすめ道具は、「お小遣い帳」です。
家計簿をつけていないと、家計の収支がわからなくなるように、お小遣いも収支内容を記入していないと、
- 今いくら手持ち金があって
- 今月いくら使ったのか
- 何に使ったのか
- いくら稼いだのか
が親も子も分からなくなります。
外出時に子供がなにか欲しがったときに、今どのくらいお小遣いが残っているかわからないと困りますよね。
すこし手間ではありますが、お金の流れを把握する癖をつけるためにも、ぜひお小遣い帳も一緒に活用してほしいです。
家にプリンターがある方向け(無料)
- すべて無料でダウンロードできます。お好きなデザインをお選びください。
家にプリンターがない方向け(有料)
お財布
次にお手伝い表と一緒に揃えたい道具が、「子供個人のお財布」になります。
お給料の中から、自由に使えるお金として振り分ける際にあると便利です。
小さい子はお出かけの際にお財布を無くしてしまうことが多いので、チェーンや紐付きのものがおすすめ。
ぜひ、お子さまのテンションが上がりそうな財布を一緒に選んでみてくださいね!
チェーンや紐付きのお財布例
貯金箱
貯金箱はお給料の中から、貯めておきたいお金を分類する際にあると便利です。
今は様々な機能付き貯金箱があるので、お子さまと話し合って管理しやすいものをチョイスしてみてください!
機能付き貯金箱例
お金の勉強本
最後におすすめなのが、子供とお金の勉強ができる本です。
報酬制お小遣いを導入して、お金への興味や関心が高まってきたタイミングに読んでみましょう。
生活と密接に関係するお金への知識を深められますよ。
おすすめの本については、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
では次に、貯めたお小遣いを管理する方法を紹介していきます。
子供がお手伝い表で貯めたお小遣いの管理する方法
子供がお手伝い表で貯めたお小遣いは、まず
- 自由に使えるお金(お財布用)
- 貯めておくお金(貯金箱用)
にわけてみるように、提案しましょう。
その際に、
お財布の中にあるお金から、お出かけのときにほしくなった物を買ってね
お金をたくさん貯めておくと、高い金額の物でも買えるようになるよ
と声がけをしてあげましょう。
どのようにお金を振り分けるかは、年齢にもよりますが、お子さまの意見を尊重して決めてあげるのがおすすめです。
また、お小遣いの管理方法を教える際には、
- 投資の存在
- 借金という選択肢
の2つのポイントについても忘れずに話しておきましょう。
どういうことか、詳しく説明しますね!
投資の存在
お金について教える際に、使う・貯める以外に増やす(運用する)方法があることも子供に教えてあげましょう。
今の時代は、銀行にお金を預けても残高が増えることはほとんどありません。
投資について早いうちから子供に教えてあげるだけでも、今後のお金への価値観を大きく変えることができます。
おすすめは2016年度からはじまった「ジュニアNISA」
20歳未満の子供が投資できるように国が作った制度で、年間80万円まで配当や譲渡金が非課税になります。
ただし、新規の口座開設ができるのは2023年(令和5年)までなので注意!
2024年以降は未成年者向けの税制優遇投資制度がなくなる予定なので、
- 新・NISA(2024年新設予定:18歳~)
- つみたてNISA(2018年新設:20歳~)
のどちらかで、親がお金を運用しているところを見せて、お金を増やすとはどういうことなのかを子供に教えてあげましょう。
正直、親自身が投資ってどんなものかよくわかってないんだよな。
たしかに今まで投資経験がない方は、子供に説明するのも難しいですよね。
以下の記事で未成年の投資について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね!
借金という選択肢
子供がお小遣いの範囲内で買えないものを「欲しい」と言ってきた際には、あえて借金(お金を前借りできるシステム)の選択肢を与えてあげましょう。
「気軽にお金を借りてしまうと、どうなるか」について、社会に出る前に身を持って体験させられます。
具体的には、
- お金を借りると、返済に追われてお金が貯められなくなること
- お金を返さないと、信用を失ってお金を借りられなくなること
- 借金をしすぎると、お金を返すのが大変になってしまうこと
- 実際にお金を借りるときは、金利(手数料)が発生して損をすること
などをお金を貸す際や返済が滞ったときに教えてあげると、借金の意味を深く理解してくれるはずです。
実は世の中には、ポジティブな借金もあります。
それは、ビジネスをするためにお金を借りる場合です。
例えば、5万円の材料費を前借りして10万円で売れる商品を作れば、売上は5万円。
結果的に5万円の黒字になるので、借金をしたことがマイナスになりません。
このように、世の中にはポジティブな借金とただ返済に追われるネガティブな借金があります。
「借金=悪いもの」と決めつけずに、ビジネスの世界では時に借金も必要になることを教えてあげましょう!
子供にお手伝い表&お小遣い制を導入する年齢は?
子どものお手伝い調査|ミサワホームが掲載している資料によれば、お手伝いは簡単なものであれば、1歳から始められることがわかります。
年齢別のお手伝い期
年齢 | 時期 |
---|---|
1~2歳 | お手伝い開始期 |
3~4歳 | お手伝いチャレンジ期 |
5~6歳 | お手伝い発達期 |
7~8歳 | 家事分担移行期 |
親が思っているより小さい頃から、お手伝いができるのね!
でも、未就学児にどんなお手伝いを頼めばいいのか迷うなぁ…。
年齢に合わせてどのようなお手伝いを頼めばいいかは、以下のミサワホームが配布している資料をみるとわかりやすいですよ!
ぜひ、参考にしてみてください。
2~3歳時のイヤイヤ期など、お子さまの成長具合によってはお手伝いをしてもらうこと自体が困難なケースもあります。
そういった場合は、焦らずにお子さまが成長するのを待ち、ママとパパの負担が少ない時期に報酬制お小遣い(お手伝い表)の導入を検討しましょう。
結論:子供のお小遣いをお手伝い表で管理するメリットは大きい
それでは最後に、子供のお小遣いをお手伝い表で管理する際に重要なポイントを簡単にまとめていきます。
以上、今回は子供のお小遣いの管理方法について紹介しました。
お金は実際に使わなければ、正しい使い方を覚えられません。
「子供だから」「小さいから」とお金から遠ざけるのではなく、自分の力で手にしたお金を自由に使える機会を早い段階から作ってあげましょう。
社会に出るまでにお金を使う・管理する力を養ってあげれば、経済的に自立した後も本当の意味で豊かな生活を送れるようになりますよ!
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