「ネットリテラシー=インターネットを正しく扱う能力や知識が低いと、トラブルに巻き込まれやすくなる」
こんなことがよく言われていますし、私も同感です。
とはいえ、
今の時代、インターネットは「よくわからないし、怖いから」と子供に使わせないよりも、
- 正しい使い方を教えてあげて
- 大人になるまでに自分で善悪を判断させる機会を
- 作ってあげたほうが
将来的に勉強や仕事で、ネットをうまく活用できようになる確率がグッと上がります。
そこで本記事では、そんなネットリテラシーが低いと起こる問題や対策についてFP視点で解説していきます。
親も一緒にネットの正しい使い方を学び直し、インターネットを利用するときの注意点などを子供と話し合えるようにしましょう!
- 何歳から、インターネットについて教えてあげればいいか知りたい方
- ネットリテラシーが低いと起こる具体的な事例を知りたい方
- ネットリテラシーを高める方法を知りたい方
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
ネットリテラシーが低いと感じたら!何歳から教育する?
インターネットの使い方について、子供としっかり話したことがないな…。
と感じている場合には、
- 意思疎通が可能になる3歳~4歳頃から
- 少しずつネットリテラシー教育をするのがおすすめ
です。
なぜなら、内閣府の「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、3歳頃から半数以上の未就学児がインターネットを利用するようになっているからです。
小学校に上がると徐々にネットリテラシー教育が取り入れられ始めますが、正直それでは遅すぎる印象です。
個々の家庭で未就学児のうちから、ネットの使い方について話し合う機会を持ったほうが良いでしょう!
ネットリテラシーレベルをチェックする方法
インターネットの使い方を教えてあげたいけど、正直親である自分もそこまでネットに詳しくない。
という場合には、一度以下サイトでネットリテラシーレベルをチェックしてみましょう。
対象年齢は小学4年生~高校3年生ですが、自分がどこまでネットの正しい使い方を理解しているかを知ることができます。
もちろん小学生のお子さんに答えてもらって、どれくらいネットリテラシーを養えているかを確認するのもおすすめですよ!
では次に、ネットリテラシーが低いと起こる7つの問題と対策を紹介していきます。
ネットリテラシーが低いと起こる7つの問題&対策
ネットリテラシーが低いと起こる代表的な問題は、
- 不確かな情報に振り回されてしまう
- 子供が有害なサイトにアクセスしてしまう
- 違法&危険なダウンロードを知らずにしてしまう
- 違法アップロードで訴えられてしまう
- 個人情報を載せてしまい犯罪やトラブルに巻き込まれる
- 課金やワンクリック詐欺で高額請求が来てしまう
- SNS利用で加害者になってしまう
の7つです。
それぞれの対策もあわせて、詳しく解説していきますね。
①不確かな情報に振り回されてしまう
ネットリテラシーが低いと起こる1つ目の問題は、「不確かな情報に振り回されてしまう」点です。
インターネットでは、顔の見えないやり取りが中心です。
書かれている内容を見て、「情報の正確性」を自分で判断しなければなりません。
なぜなら、
- 注目されたい
- 自分の意見を認めてもらいたい
- 見てもらう回数を増やし、広告収入を得たい
などの理由から、意識的もしくは無意識的にウソの情報を流してしまう発信者が多いからです。
実際に新型コロナが流行しはじめた時期にも、
- トイレットペーパーの在庫は国内に十分にあったにも関わらず
- デマ情報に惑わされた人による買い占めがおきて
一時的に店舗から、トイレットペーパーが消えてしまう問題がおきました。
対策
大人でも惑わされてしまうことが多い情報が、ネットには溢れています。
子供には、「インターネットの情報が必ずしも正しいわけではない」ことを事前に伝えておきましょう。
その上で、情報を鵜呑みにせず
- 誰が(どんな立場の人)
- どんな目的で
発信しているかを考える癖付けをするのがおすすめです。
また、正確な情報を調べたいときには、二次情報(人から聞いた情報)ではなく一次情報(情報源)をチェックするのが重要になります。
- 国・学校・公共施設などの公的サイト
- メーカー・企業の公式サイト
情報発信者の身元や経歴がわからない場合には、本当に言ってることが正しいのかを疑うようにしましょう!
②子供が有害なサイトにアクセスしてしまう
ネットリテラシーが低いと起こる2つ目の問題は、「子供が有害なサイトにアクセスしてしまう」点です。
自分で善悪が判断できる年齢になる前に、
- 出会い系サイト
- アダルトサイト
- 犯罪や自殺をほのめかすサイト
のような有害サイトにアクセスできてしまうと、
- 親に黙って、知らない人に会ってしまう
- 誤った性知識を覚えてしまう
- 安易に犯罪や危険な行為に加担してしまう
などのトラブルが発生する確率が上がります。
対策
フィルタリング機能を活用して、有害なサイト・アプリへのアクセスをブロックしましょう。
ただし、小中学生の子供に強制的もしくは無断でフィルタリング機能をつけてしまうと、
- 自分で解除する方法を探したり
- 親に内緒で、友人の端末などからアクセスしたり
親が知らない間に、もっと危険な状況に陥ってしまうことがあります。
フィルタリング機能を活用する際は、「フィルタリングを導入する理由」を丁寧に説明して同意を得た上でネットの使い方を教えてあげましょう。
また小中学生の間は、親の目の届く範囲でネットを利用できるように「携帯を使えるのはリビングのみ」などの家族ルールを作っておくのもおすすめですよ!
- Apple(iPhone、iPadなど)の場合:ペアレンタルコントロールの活用
- Androidの場合:保護者向け Google ファミリー リンク
③違法&危険なダウンロードを知らずにしてしまう
ネットリテラシーが低いと起こる3つ目の問題は、「違法&危険なダウンロードを知らずにしてしまう」点です。
ネット上には様々なコンテンツが無料配信されていますが、中には非公式な違法サイトもあるので注意してください。
仮にインターネット上の音楽や映画などを違法サイトからダウンロードしてしまうと、
- 2年以下の懲役
- 200万円以下の罰金
または懲役と罰金の両方が課せられる可能性があります。
さらに非公式な無料アプリなどをダウンロードすると、端末がウイルスに感染して個人情報が流出する危険性もあるのです。
対策
子供には、
- 違法サイトからダウンロードすると起こる問題(懲役や罰金など)
- 親の確認を得ずに勝手にどんどんダウンロードしないこと
- 安心してダウンロードできるサイトの特徴
の3つを教えてあげましょう。
- 企業やメーカー公式サイト
- アーティストなどのオフィシャルサイト
ダウンロードする前に、本当に信頼できるサイトなのかを親に確認するように子供には伝えておきましょう。
Google PlayやApp Storeなど、公式アプリストアからダウンロードする場合でも不正アプリが紛れ込んでいる可能性があります。
- アプリや開発元のレビューを確認してダウンロード
- セキュリティアプリをインストールしておく
などの対策をしておきましょう!
④違法アップロードで訴えられてしまう
ネットリテラシーが低いと起こる4つ目の問題は、「違法アップロードで訴えられてしまう」点です。
今はスマホやタブレットで簡単に写真や動画を撮れるので、気軽にネットに何でもアップしがちですが、
- 公式サイトからダウンロードした画像
- 自分で買った本や漫画のページ
- 録画したテレビ番組の動画
- 自分に以外の人が写っている写真や動画
などを許可なくアップロードするのも、違法アップロードになります。
特に子供は悪気なくSNSに写真や動画をアップしてしまうケースが多いので、注意しましょう!
対策
勝手にアップロードしてはいけない範囲は、思っている以上に広いです。
口頭で一度にすべて伝えるのは難しいので、記事後半で紹介する『親子で実践したい!ネットリテラシーを高める2つの方法』を家庭内で取り入れてみましょう!
⑤個人情報を載せてしまい犯罪やトラブルに巻き込まれる
ネットリテラシーが低いと起こる5つ目の問題は、「個人情報を載せてしまい犯罪やトラブルに巻き込まれる」点です。
ネットは、世界中に繋がっていて誰でもみることができます。
安易に個人情報を載せてしまうと、悪意がある人に
- 顔写真を悪用されたり
- 住所が特定されて誘拐や待ち伏せの被害にあったり
する危険性があるので注意しましょう。
対策
まずは、子供に何が個人情報にあたるのかを教えてあげましょう。
個人情報の例
- 名前(本名)
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 生年月日や年齢
- 性別
- 学校名や学年
- 家族構成
- 顔写真(自分だけでなく、友人や家族を含む)
- 家や学校がわかる写真
上記のような情報を未成年がネットに載せてしまうと、自分だけでなく身近な人も犯罪やトラブルに巻き込まれやすくなることを説明しておきましょう。
⑥課金やワンクリック詐欺で高額請求が来てしまう
ネットリテラシーが低いと起こる6つ目の問題は、「課金やワンクリック詐欺で高額請求が来てしまう」点です。
こちらは親が知らない間に、
- ゲーム課金
- ライブ配信アプリの投げ銭
などをしてしまい、数十万円~数百万円の高額請求がくるトラブルです。
対策
基本的には、
- お金の教育をする(お金の価値を分かってもらう)
- ネットリテラシーを養い、家族ルールを決める
- クレジットカードの利用通知サービスを活用する
- クレジットカードは子供の手の届かないところに保管する
- 保護者の承認なしで課金できないようにする
の5つを実践するのがおすすめです。
詳しい方法は、以下記事で解説しているので合わせて参考にしてみてください。
⑦SNS利用で加害者になってしまう
ネットリテラシーが低いと起こる最後の問題は、「SNS利用で加害者になってしまう」点です。
- 悪い冗談やいたずら書き(犯罪予告やウソの噂)
- 人の悪口
などを、偽名だからばれないと思ってネット上に書き込んでしまうと、インターネット上に残る利用記録から捕まってしまうケースがあります。
事例
・インターネット掲示板に「合計13人が死にます。校地内に爆弾があります。」と書き込んだ高校生を威力業務妨害で逮捕した。
引用:やめよう犯行予告!「いたずら書き」でも犯罪です! – 埼玉県警察
・インターネット掲示板に「6月30日月曜日に、新潟駅に放火した後、新潟駅周辺で無差別殺人を起こします」と書き込んだ中学生を脅迫で補導した。
・インターネット掲示板に「広島駅で人を刺し殺す」と書き込んだ会社員を威力業務妨害容疑で逮捕した。
以下略
対策
自分は軽い冗談やいたずらのつもりでネットに投稿しても、
- 犯罪行為にあたること
- 実際に逮捕されている人がいること
を2つを子供に教えてあげましょう。
また仮に自分がSNSで誹謗中傷の対象になってしまった場合には、
- 証拠の画面を撮影して残しておくこと
- 投稿者に削除してほしい旨を伝えること
- それでもダメなら、親または警察に相談して対処してもらう方法があること
などの方法があることを事前に伝えておくのがおすすめです。
アップされた情報はネットにずっと残ってしまうので、注意してくださいね!
では次に、こういった問題が起きないようにするために基礎的なネットリテラシーを高める方法を紹介していきます。
親子で実践したい!ネットリテラシーを高める2つの方法
ネットリテラシーを高めるためには、
- 本を使った読み聞かせ
- デジタル教材や動画を活用する
の2つの方法がおすすめです。
どういうことか、詳しく解説しますね!
本を使った読み聞かせ
未就学児~小学校低学年の子におすすめなネットリテラシーを高める方法が、「本を使った読み聞かせ」です。
例えば以下の本は漫画やクイズ形式になっているので、子供でも基礎的なネットリテラシーを自然に養えます。
おすすめの本
デジタル教材や動画を活用する
本を読むのが苦手な子の場合には、以下のようなデジタル教材や動画を活用するのがおすすめです。
例えば、以下サイトのデジタル教材や動画であれば無料で活用できます。
未就学児~小学校低学年向け
小学校高学年~中高生向け
文部科学省の動画教材
ネットの世界はどんどん進化しています。
トラブルや犯罪から子供を守るために、親御さんも一緒にネットリテラシーを養っていきましょう!
結論:ネットリテラシーが低いと起こる問題は予防できる!
それでは最後に、ネットリテラシー低いと起こる問題や対策をおさらいしていきます。
ネットリテラシー教育は、約50%以上の子供がネットを活用しはじめる3歳~4歳頃から徐々に始めるのがおすすめです。
なぜなら、ネットリテラシーが低いと、
- 不確かな情報に振り回されてしまう
- 子供が有害なサイトにアクセスしてしまう
- 違法&危険なダウンロードを知らずにしてしまう
- 違法アップロードで訴えられてしまう
- 個人情報を載せてしまい犯罪やトラブルに巻き込まれる
- 課金やワンクリック詐欺で高額請求が来てしまう
- SNS利用で加害者になってしまう
といった7つの問題が発生してしまうからです。
ネットリテラシーを高めたい場合には、
- 本を使った読み聞かせ
- デジタル教材や動画を活用する
といった方法を活用してみましょう!
以上、今回はネットリテラシー低いと起こる問題や対策についてお話しました。
急速なIT化が進む現代社会では、将来的に「お金を稼ぐ」という視点においても正しくテクノロジーを活用するスキルが求められます。
ぜひこの機会に、家族でインターネットの使い方について話し合う機会を設けてみてくださいね!
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