マネきっずではこれまで
の記事内で内窓の
- 夏や冬の快適な住環境を整える
- 電気代を節約してくれる
メリットなどをお伝えしてきました。
そして、そんな内窓をお得に設置できる補助金が2023年は2つも利用できるのです!
とはいえ、2023年の内窓補助金は、
- 光熱費の高騰で、内窓の認知度が上がってきている
- 過去最大200万円の補助金が支給されるかなりお得な制度になっている
といった関係から、利用時にさまざまな注意点が発生しています。
そこで本記事では、FP視点で2023年に内窓補助金を利用したい方に向けて役立つ情報を、以下2つのポイントにまとめて徹底解説しました!
- 【2023年】内窓に使える2つの補助金とは?
- 2023年の内窓補助金を利用する際の6つの注意点
マネきっずで執筆協力をしてくれている森崎さんが、実際に2023年の補助金を利用した内窓工事を申し込んだそうです。
なので、当事者のリアルな感想も交えてお話していきますね!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
【2023年】内窓に使える2つの補助金とは?
2023年に使える内窓の補助金は、
- 先進的窓リノベ事業
- こどもエコすまい支援事業
の2つです。
それぞれどういった違いがあるのか、内窓リフォームの内容を中心に簡単に説明していきますね!
①先進的窓リノベ事業
先進的窓リノベ事業は、その名のとおり窓の断熱リフォームに特化した補助金がもらえる制度で、
- 高性能な窓(Low-E複層ガラスなど)を対象に
- 1窓あたり30,000円~124,000円
- 一戸あたり最大200万円
といった過去最大規模の補助金が支給されます。
こどもエコすまい支援事業と比べると、
- 窓やガラス以外のリフォームには補助金が出ない
- 高断熱な窓のみが補助金の対象になる
- 補助金額が多い
といった点が大きな違いです。
そのため、より高性能な内窓(Low-E複層ガラスなど)を取り付けたい場合には、先進的窓リノベを利用したほうが補助金を多くもらえるのでお得です!
②こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業は、
- ZEHレベルの省エネ性能を満たす新築住宅
- 省エネ化を含む既存住宅の幅広いリフォーム
を対象にした事業で、内窓を含む各種リフォームに対して補助金が支給されます。
窓リノベ事業と比べると、
- 内窓以外のリフォームにも補助金が出る
- 一般的な内窓(ペアガラスなど)も対象になるため選べる商品が多い
- 窓の補助金額は少なめ(1窓につき1.5万~2.3万/1戸あたり最大30~60万円※)
- 若者夫婦世帯または子育て世帯の条件に当てはまる場合には、上限が最大で60万円まで引き上げられます。
といった点が大きな違いです。
そのため、「窓以外のリフォームも行いたい」「窓や立地環境の状態にあわせて、一般的な内窓(ペアガラスなど)を取り付けたい」といった場合には、こどもエコすまい支援事業の利用がおすすめになります。
2つの制度の併用も可能!
- 先進的窓リノベ事業
- こどもエコすまい支援事業
の2つの制度は併用が可能です。
ただし、同一の窓やガラスに対して重複の申請はできません。
両制度を併用する場合は、リフォームで新たに取り付けたり交換したりする窓やガラスの性能にあわせて、2つの制度を窓ごとに使い分けましょう。
また、どちらも補助金合計額が5万円以上になることが利用条件になっていますが、両制度を併用する場合は「こどもエコすまい支援事業」の合計補助額が2万円以上でも申請が可能です。
そのため、
- 性能の異なる内窓
- 窓と窓以外の箇所
のリフォームをまとめて行いたい場合には、両制度を併用するのがおすすめでしょう!
では次に、2023年の内窓補助金を利用する際の注意点を6つ紹介していきますね^^
2023年の内窓補助金を利用する際の6つの注意点
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点は、
- 補助金額が工事費を上回ると補助金がもらえない
- 納期遅延で工事日が1.5~2ヶ月後のケースが増加
- 注文殺到で補助金の予算切れの可能性が高まっている
- 補助金優先グレードは熱割れリスクが上がるケースもある
- 内窓DIYは補助金の対象外になる
- 登録のない事業者との契約は補助金の対象外になる
の6つです。
それぞれ具体的にどんなポイントに注意すればいいのかを、詳しく解説していきますね!
①補助金額が工事費を上回ると補助金がもらえない
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点1つ目は、「補助金額が工事費を上回ると補助金がもらえない」です。
これは先進的窓リノベ事業を利用する方向けの注意点で、あまりに大きい補助金額であることから、2023年2月28日に補助金の支給条件について以下のような告知が追記されました。
- 補助金額が工事全体の金額を上回る場合は、補助対象にならない
- 工事全体の金額には、消費税は含まれない
- 本事業の補助対象とならない窓(ガラス)の販売価格とその工事費は、工事全体の金額に含まれない
実際に製品代や工事代が安い業者からは、補助金額が工事費全体の金額を上回る可能性があるため、以下のような注意喚起が行われています。
当ショップは製品代も工事代も極端に安すぎるため、上記の条件に該当する場合があります。必ず事前に「簡単見積フォーム」の見積結果画面で、工事全体の金額(税抜)と補助金額をご確認ください。
一部引用:【重要】2/28 先進的窓リノベ事務局より、補助金支給の条件についての告知がありました |リクシル内窓インプラスの激安内窓クラブ
我が家も内窓工事を申込みましたが、補助金を差し引くと全体の自己負担額は半額以下になりました。
業者や窓の種類によっては補助金額が多すぎることで、補助対象外になる危険性があるので注意しましょう!
②納期遅延で工事日が1.5~2ヶ月後のケースが増加
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点2つ目は、「納期遅延で工事日が1.5~2ヶ月後のケースが増えている」です。
こちらも先進的窓リノベ事業の補助金額が多いことによって発生している問題で、以下のように各所で納期の遅れが出始めています。
3省連携の「先進的窓リノベ事業」の効果が早くも出ており、内窓の受注数は昨年の3倍と大きく伸長していることを明かした。(中略)
補助事業の効果がこれほどだとは思わなかった。まだ生産体制が整っていない状態。納期がかなり遅れてきている。どれだけ内窓が作れるかが勝負。
一部引用:3省補助事業で受注3倍 来期は窓の断熱リフォームが焦点に | 新建ハウジング
3月14日には、日テレの「カズレーザーと学ぶ。」の番組内でも内窓補助金について取り上げられていました。
今後さらに消費者の内窓への関心が広がって、申し込みが増加するかもしれませんね。
そうですね。
実際に我が家の内窓も2月1日に申し込みをして工事日が3月15日だったのですが、数日前に製品が納品されないとの理由で工事日延期の連絡が来ました。
業者の方に聞いた限り、現時点でも納期はどんどん伸びているそうです。
今から申し込む方はすぐに内窓が取り付けられない可能性がある点に注意したほうが良さそうですね…。
③注文殺到で補助金の予算切れの可能性が高まっている
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点3つ目は、「注文殺到で補助金の予算切れの可能性が高まっている」です。
先程も説明したとおり、補助金事業の効果で2023年の内窓の受注数は現時点ですでに昨年の3倍まで増えています。
そのため、1000億円という非常に大きな予算ではあるものの、3月に入ったあたりから
夏前には、予算切れで補助金が打ち切られてしまうのでは?
早めに申し込まないと、全額自己負担になってしまうかもしれない!
といった声が、SNSや各業者のブログなどで目立つようになりました。
実際2022年にも、最大100万円の補助金が出る「こどもみらい住宅支援事業」が予算上限に達して、
- 国の予定より4ヶ月早い11月下旬に申請受付が終了し
- 補助金をあてにして契約をしていた人から、不満の声が上がる
といったこどもみらい難民問題が発生していたので、予算に限りある補助金はその点に注意する必要性が高いのです。
内窓の補助金申請は、工事完了後からしかできません。
工事の遅延が発生している今、予算切れのリスクは高くなっているので、その可能性も考慮して申し込むようにしましょう!
こどもみらい難民問題については予算切れ後の救済措置として、新たな国の補助金支援である「こどもエコすまい支援事業」の要件の見直しが行われました。
補助金申請の受付開始は、3月末の予定です。
工事や契約自体は申請前から進めていても問題ありません。
ただし、3月末から一斉に各事業所の補助金申請がスタートするため、現時点でどの程度予算が持つかは検討がつかない状態になっています。
以下サイトで予算が現時点でどの程度使われているか、チェックできるようになりました!(2023/4/6追記)
④補助金優先グレードは熱割れリスクが上がるケースもある
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点4つ目は、「補助金優先グレードは熱割れリスクが上がるケースもある」です。
先進的窓リノベ事業は、以下のように内窓の性能が高ければ高いほど、支給される補助金額が多くなります。
内窓の性能と補助金額
窓の性能 | Lサイズ | Mサイズ | Sサイズ | XSサイズ |
---|---|---|---|---|
P(SS) | 124,000円 | 84,000円 | 53,000円 | 53,000円 |
S | 84,000円 | 57,000円 | 36,000円 | 36,000円 |
A | 69,000円 | 47,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
B | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
ただし、
それなら、すべて1番補助金額が多く、グレードが高い性能の内窓をつければお得なんだね!
というのが正解かというと、そう単純な話ではありません。
なぜなら、外窓(元々設置されている窓)が
- Low-E複層ガラス
- ワイヤー入りガラス
だった場合に、性能が高い内窓を取り付けると、熱割れの発生確率が高まるからです。
太陽光によって温められた外窓と内窓に熱がこもる影響で、窓やガラスにヒビが入ったり割れたりする現象のこと。
仮に内窓設置後に熱割れしてしまっても、内窓や外窓の破損は保証対象外になります。
ただし、熱割れの発生頻度はそこまで高くないようなので、
- 補助金を優先して性能の良い内窓を取り付けるか
- 熱割れリスクに備えて、補助金が少ない性能低めの内窓をを取り付けるか
はお住まいの環境や外窓の性能に応じて、工事の担当業者と相談するのがおすすめです。
⑤内窓DIYは補助金の対象外になる
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点5つ目は、「内窓DIYは補助金の対象外になる」です。
内窓補助金の対象商品をご自身で取り寄せて取り付ける(DIY)も可能ですが、その場合は補助金が支給されません。
ただし、ハーフ工事であれば、工事費を最小限におさえたうえで補助金が支給される可能性があります。
- 発注者(消費者):窓枠サイズを測り、取付枠(レール)の設置
- 業者:ガラス障子の建込み、調整
のように、工事の工程の半分を工事の発注者(消費者)が行う施工方法のこと。
「少しでも工事費を節約したい方」「取り付ける内窓の数が少なく、ある程度のDIYが可能な方」は、ぜひハーフ工事を検討してみてくださいね!
⑥登録のない事業者との契約は補助金の対象外になる
2023年の内窓補助金を利用する際の注意点6つ目は、「登録のない事業者との契約は補助金の対象外になる」です。
これは、
- 先進的窓リノベ事業
- こどもエコすまい支援事業
のどちらの補助金についても言えることですが、補助金が申請できるのは各種事業への登録が済んだ事業者(施工会社)のみです。
そのため、補助金を利用して内窓の設置を行いたい場合には、
- 業者に、補助金が利用できるかを依頼前に直接確認する
- サイトで補助金利用を相談できる事業者を検索する
の2つの方法のいずれかで依頼前に、事業者の登録有無を確認したほうが良いでしょう!
結論:これから2023内窓補助金の利用検討中の方は要注意!
それでは最後に、「2023年の内窓補助金」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
2023年に使える内窓の補助金は、
- 先進的窓リノベ事業
- こどもエコすまい支援事業
の2つです。
また、同一の窓でなければ、2つの補助金を併用することも可能です。
ただし、2023年の内窓補助金には、
- 補助金額が工事費を上回ると補助金がもらえない
- 納期遅延で工事日が1.5~2ヶ月後のケースが増加
- 注文殺到で補助金の予算切れの可能性が高まっている
- 補助金優先グレードは熱割れリスクが上がるケースもある
- 内窓DIYは補助金の対象外になる
- 登録のない事業者との契約は補助金の対象外になる
といった6つの注意点があります。
場合によっては、せっかく申し込んでも補助金の対象外になってしまう可能性があるので
- 申し込み方法
- 申し込むタイミング
については注意したほうが良いでしょう!
以上、2023年の内窓補助金についてお話しました。
今回は過去最大規模の補助金額ということで、かなり注目が集まっています。
問題なく補助金が支給されれば、今までになくお得であることに間違いはありません。
しかし、その分だけ予算切れなどのリスクがあります。
今後、内窓補助金の利用を検討している方は、その点をしっかり考慮したうえで申し込みをしましょう!
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