あなたのご家庭では、子どもがお正月に親戚からもらったお年玉をどうしていますか? 子どもが小学生なら、そろそろお金の使い方や管理についても練習していきたいところ。 とはいえ、いきなり大金を渡しっぱなしにするのも、少し怖いですよね。
そこでこの記事では、小学生に人気があるお年玉の使い道4選と有意義に活用する方法を紹介し、お年玉をきっかけに子どもと一緒にお金について考えられるような「お年玉の管理方法」についても解説します。
お年玉の使い方、そろそろ子どもと一緒に考えていったほうがいいよなあ…
どうやってお金の管理方法を教えればいいか…
大丈夫ですよ!
お子さんと一緒に今年のお年玉を有効活用しましょう!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
小学生に人気があるお年玉の使い道4選
小学生に人気なお年玉の使い道には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、2017年に実施された学研教育研究所による「小学生の日常生活・学習に関する調査」によると、上位4位は以下のようになりました。
- 貯金
- ゲームやゲーム機
- おもちゃ
- 本や雑誌
この4つが、小学生に人気があるラインナップになっています。
また、2022年に学研キッズネットが小中学生の子どもを持つ親100名に行ったアンケート調査によると、未就学児・小学校低学年・小学校高学年におけるお年玉の金額の相場は、以下のようになっています。
- 未就学児:1,000円
- 小学校低学年:3,000円
- 小学校高学年:3,000円〜5,000円
年齢が上がるごとに、金額が増えていく傾向にあるようです。
お年玉を渡す時の参考にしたいですね。
お年玉を有意義に活用するための使い道を紹介
子どもたちがもらったお年玉、せっかくだったら有意義に役立てたいですよね。
ここでは、お年玉の使い道として小学生に人気があるものの中から、子どもの日常生活の充実や教育に役立つおすすめの使い道を4つピックアップしてご紹介します。
貯金
2022年に学研キッズネットが小中学生の子どもを持つ親100名に行ったアンケート調査によると、「全額貯金する」と回答した方が38%になりました。
他にも、「子どもの欲しいものを買って残りは貯金する」と回答した方は45%と、全額・一部に関係なく「貯金」を用途に選んだ方は83%以上にのぼります。
子どもの名義の口座に入金しておき、将来子どもに渡して有意義に活用してもらおうと考えている方が多いようです。
ゲーム・ゲーム機
「お年玉で子どもが好きなものを買う」ご家庭では、このタイミングで、学校で流行っているゲーム機やゲームソフトを買う小学生も多いようです。
お年玉でゲームを買うことで、年始に家族で遊んだり、新学期から友達と遊んだりと、コミュニケーションの幅を広げることができます。
とはいえ、ゲーム機は家庭内での揉め事の種になることが多いアイテムの一つなので、与えるのが心配という方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに買ってあげたい気持ちは山々だけれど、
宿題がおろそかにならないか心配だなあ…
あえてお年玉を使って購入することで、何でもないタイミングで購入して与えるよりも、親子でゲームの扱いについて話し合う機会を持ちやすくなるメリットがあります。
ゲーム機は小学生に人気のアイテムなので、学校で持っている友達が多かったり、それを使って遊ぶ機会が多いものです。
友達や家族と一緒にプレイして盛り上がったりと、使い方によっては幅広いコミュニケーションの手段になりえるでしょう。
さらに、ゲームの中には幅広い知識を身につけられるものもあり、ソフトを選べば学習に役立てることも可能です。
ゲームは、なにも補足することなく買い与えてしまうとのめり込んでしまう可能性があるため、家庭内でルールを決めるのが良いでしょう。
家庭用ゲーム機を初めて購入する場合は、このタイミングを利用して、購入時にパパも交えて家庭内でのルールも一緒に話し合う機会を持つことができます。
ポイントはゲームを買うならルールもセットで決めることね
本物志向のおもちゃ
お年玉のまとまった金額を使って、子どもの好きなことを深めるおもちゃに投資する方法があります。
例えば、お絵描きが好きな子どもに「画材セット」、工作が好きな子どもに「ロボットプログラミングセット」、外で遊ぶのが好きな子どもに「ランニングバイク」といったように、普段なかなか手が出せないような本格的な道具をを与えることで、好きなことに一層のめり込む時間を作ることができます。
良い道具を使うほど上達するという側面もありますし、「好きで熱中できる」というのはそれだけで才能です。
お年玉を使って才能を伸ばすきっかけを作りましょう。
本・雑誌
お年玉を活用して、図鑑や本・雑誌のシリーズをまとめて揃えてみるのはいかがでしょうか。
例えば、図鑑シリーズや歴史や偉人の伝記シリーズ、子ども向けに文体を砕いた名作集などは特におすすめです。
最初は子どもの興味のある分野から初め、そこから似たジャンルや同シリーズの系統を揃えていくと良いでしょう。
今の時代はインターネットを活用すれば簡単に知識が得られますが、本や雑誌を使うことで、自分が調べたい知識以外にも触れる機会が得られ、興味の幅を大きく広げることができるというメリットがあります。
幅広い知識に触れる機会を作るためにも、本や雑誌を上手に活用したいところです。
お年玉の使い道と一緒に考えたい管理方法!アイディアを解説
2022年に学研キッズネットが小中学生の子どもを持つ親100名に行ったアンケート調査では、約42%のご家庭で「親が全額管理する」方法をとっていることがわかりました。
子どもの金融教育の大切さも叫ばれている現代、まとまった金額が入るお年玉は、お金の管理を学ぶ上で良い教材となりえます。 とはいえ、「全ての金額を子どもに渡すのは不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、お年玉を活用し、子どもにお金の管理を練習させる一つの方法をご紹介します。 この方法を実践すれば、「予算の考え方」「相場の考え方」「計画性と判断力」「管理」について学び実践することができます。
ぜひ参考にされてみてください。
お年玉から一定額を「予算」として子どもに渡す
まず、もらったお年玉の総額を確認し、その中から一部の金額を「予算」として子どもに渡します。
この時の金額の決め方は、総額から決めたパーセントだけ渡すのも良いですし、「総額にかかわらず1万円」という風に決めてしまってもいいと思います。
ここで渡す金額が、子どもにお金の使い方を考えてもらう金額となります。
ポイントは、このお金は「子どもに使い道を考えてもらう」お金なので、親が使い道に口を出さないことです。
ここから先は手順を伝えて見守ることに徹して、つい口を出したくなる気持ちを抑えていただければと思います。
残りの金額は、貯金したり、事前に親子で決めた必要なものを買うお金に回すと良いでしょう。
お金の使い道を自分の頭で考えることが大切です!
欲しいものをリストアップする
次に、子どもに「欲しいもの・買いたいもの」をリストアップしてもらいます。
ここでのポイントは2つです。
- 予算の金額には関係なく、自由にリストアップしてもらう
- 思いつく限り全てを書き出すこと
ここで、子ども自身が欲しいものの全体像を把握できるようにします。
こうすることで、子どもが今どんなことに興味関心があるかを見える化することができます。
子ども自身で欲しいものを頭出しすることで、子どもが「自分の好きなもの」を知るきっかけになるだけでなく、親視点でも「こんなことを考えていたのか」と子どもの考えや思いを知ることができるでしょう。
市場調査をする
リストアップができたら、市場調査に入ります。
子どもにリストに書き出したアイテムの値段や送料、購入までにかかる交通費などの経費を調べてもらい、リストに記入していきましょう。
全く同じアイテムでも、どこで買うか、いつ買うかによって値段が変わります。ネットで買うと送料がかかるものもありますし、かといって直接買いにいくとなると、そこまでの交通費がかさんで送料を上回ってしまう場合もあります。中身は同じでも、ブランドによって値段が大きく変わることもありますよね。もの本体の値段の他に消費税がかかってくることにも気がつくかもしれません。
市場調査を行うことで、子どもたちはこのような社会の仕組みを自然と体感・経験することができます。
この部分は、大人の方が経験やアイディアが豊富な部分ですので、「こういうのも考えてた?」「こんなアイディアはどう?」など、視点の問題提起をしてあげると良いでしょう。
大人が無意識にしている価格の比較や送料の検討も
子どもにとっては貴重な経験ですね
予算内で購入できるものを選定する
市場調査をしたら、予算と値段を比較し、予算内で何を購入するのかを選定してもらいます。
最初に欲しかった物の値段が思ったより値段が高く、今回の予算では買えないことが出てくることもあるでしょう。
そんな時に子どもたちは、次にどうするのかを考え、判断する必要があります。
一番欲しいものを諦めて、次に欲しいものを買うのも良いですし、どうしても欲しいものを優先して、今回のお年玉を繰り越す方法もあるかもしれません。
予算を決め、欲しいものを市場調査してから買うものを選定することで、「欲しいものと自分にとっての価値」を考えるきっかけにもなります。
お小遣い帳を使いながら残高管理
買うものが決まったら、お小遣い帳と財布を用意し、実際に予算管理をしていきます。
お金の管理や記録の仕方を学ぶ機会になるのはもちろんですが、「買った後どうだったか」といった満足度も一緒に振り返って記録しておくのがおすすめです。
「月/日」「ことがら」「はいったおかね」「つかったおかね」「のこりのおかね」で構成されており、小学生が使いやすいお小遣い帳です。
A6サイズなので、大きな文字で書き込むことができるので、小学校低学年に特におすすめです。
小学生が使いやすい、シンプルでスタンダードなお小遣い帳です。
「年・月・日」「内容詳細」「金額」「残高」の項目があるので、お金をシンプルに管理することができます。
「振り込み目的」の欄だけ、どのような内容を記載するのか、事前に親子で相談すると良いでしょう。
「周りの友達が持っていたから」「流行っていたからなんとなく」といった理由で購入して後から後悔することもあるかもしれません。
そんな時に、ただ買いっぱなしにするだけでなく振り返る機会を儲けることによって、失敗を学びに変えることができます。
振り返りやお金の管理の仕方は自力で身につけにくい部分です
ぜひ大人がサポートしてあげてくださいね!
お年玉を「お金の使い方」を考える良い機会にしよう!
このように、お年玉はただ渡すのではなく意図を持って活用することで、子どもにより良い学びの機会を与えることができます。
これは、「お年玉でただ子どもが欲しいものを買う」だけでは得られない大きな学びとなるでしょう。
「予算を決めてお金の活用の機会を考え、判断し、自分で管理する」ことは、大人になってから必ず必要な能力です。
お年玉は子どもにとってお金の使い方を学ぶとてもよい機会であり
親にとっても初心にかえるきっかけとなりますよ!
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