FP(ファイナンシャル・プランナー)とは相談者の人生の夢や目標が叶うように、お金の面で総合的な計画を一緒に考え、サポートしてくれる専門家です。
ところが「家計相談に行ったら節約ばかりをすすめられて、げんなりした」、「生命保険を売り込まれた」など、残念な口コミも見受けられます。
またそもそも「FPって聞いたことはあるけど、具体的になにをしてくれる人なの?」という方も少なくないでしょう。
この記事では、意外とふわっとしか知られていないFPの仕事内容を、筆者であり現役FPである土屋を例にしてお伝えします。
FPといってもさまざまな先生がいらっしゃいます。あくまでわたしの一例ですが、FPがどんな人なのかイメージできるようにリアルな内容をお伝えしますね!
- FPのおもな仕事内容
- FPの1日のスケジュール
- FPに対するよくある質問
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
FP(ファイナンシャル・プランナー)の仕事内容
さっそく、FPの仕事内容から見ていきましょう。おもに4つの業務があります。
- 相談業務
- サポート業務
- セミナー登壇・講師業
- 原稿の執筆
なかでもメインは相談業務です。
下の図のように、相談テーマは実に多岐にわたります。
こんなにいろいろ相談できるんですね!
アメリカでは、FPは「お金のお医者さん」とも言われるほど身近な存在なんですよ
1. 相談業務
相談テーマの幅が広いだけに、逆に具体的なイメージがわきにくいかもしれません。ここでは土屋がよく対応するご相談内容を3つ紹介します。
相談例1:ライフプランに合った家計の見直し
もう1人子どもがほしいけれど、お金をやりくりしていけるか不安…
老後のために投資したほうがいいのはわかっているけれど、まずどうすればいいか…
教育費や住宅ローンの支払い、きついなあ…この先お金が足りるんだろうか…
現在抱えているお悩みや将来のご希望をうかがって、「ライフプランシミュレーション」を複数パターン作成します。ライフプランシミュレーションとはご相談者の夢や希望を叶えるための資金計画をシミュレーションしたものです。
シミュレーションを作成すると、お金の全体像が見えてきます。「実は不安になる必要なかった!」というケースもあるんですよ。
作成したシミュレーションや改善策をすり合わせて、改善後のシミュレーションもおこないます。どうしたら願いを叶えられるかを一緒に探り、よりよくするためにご提案します。
紋切り型のご提案ではなく、一人ひとりに合った実行可能な改善策を練り上げるのが、FPの腕の見せどころです。
相談例2:マイホーム購入におけるお金の相談
わが家にとっては高いかなと思うけれど、ほしいマンションがあるのよね…
家の購入は手続きも複雑で、わからないことだらけです…
マイホームの購入でも、まずはライフプランシミュレーションの作成からです。お金の全体像を把握し、現状の購入可能額を算定したうえで改善策を考え、改善したあとの購入可能額も算出していきます。
ほかにも以下のように、物件の決定前から購入後まで一貫してサポートをおこないます。
- 気になる物件が出てきたときの外形的なセカンドオピニオン
- 物件が決まったあとの住宅ローン選定
- 物件が決まったあとの火災保険の選定
- 改善策の実行支援
- 住宅ローン減税の手続きのご案内
お金の計画を立てるだけじゃなくて、ローンや保険選び、改善サポートまでしてくれるんですね…心強いです
相談例3:退職金の使用計画ついての相談
近々退職する父親。退職金をどうしたらいいか困っているらしい…
将来、退職金を受け取っても老後が不安だなあ…。
ここでも最初はライフプランシミュレーションから。家計の全体像と、ご相談者やご家族の希望、社会的な制度をふまえて退職金の受け取り方法や使い道、また運用を検討していきます。
目標が叶えられるよう、必要であれば税理士も巻き込み、相続・贈与の対策や保険の見直しなども含めて実践的な支援まで欠かしません。
2. サポート業務
FPは相談業務で携わった方に対するアフターフォローもおこないます。計画や改善策は実行しなければ意味がありません。マイホーム購入のように時間がかかる内容の場合はきめこまやかに進捗を確認し、1年後には立てたシミュレーションとズレが生じていないか面談もおこないます。
また、たとえば運用のご相談では「育休明けや5年後の時短勤務が終わってからiDeCoを始めましょう」というように、「今すぐではなく先々実行する計画」もご提案します。
ですから「相談して終わり」ではなく、計画実行のサポートもFPの大切な役割です。
3. セミナー登壇・講師業
FPはマネーセミナーへの登壇や講師業もおこないます。
セミナーは自主開催もしますし、金融機関や一般企業が主催するセミナーに講師としてお招きいただく場合もあります。たとえば確定拠出年金を採用している企業で継続投資についてお話しするなど、正しい知識を広くお伝えすることもFPの使命といえるでしょう。
わたしが自主開催するセミナーではライフプランやiDeCo、NISAなど身近なテーマを取り上げています。
4. 原稿の執筆
インターネットのニュースサイトや検索していて見つけたサイトで、FPが書いた記事を見かけたことがありませんか?
FPは話すだけではなく、書くことでもお金に関する知識や情報をみなさんにお伝えしています。新聞やタウン誌など、さまざまな紙媒体でも有識者としてのコメントや連載コラムが掲載されています。
わたしの場合は
・読売新聞で教育費についての有識者コメント
・学校の先生向けの、ライフプランに関する連載
などをお引き受けしています。
Webやタウン誌でFPの先生の記事があるのは知っていましたが、学校の先生向けなんていうのもあるんですね!そんなに幅が広いとは…!
FP(ファイナンシャル・プランナー)の1日のスケジュール
おもに4種類の業務を手がけるFP。
いったいどんなスケジュールで仕事をしているのか、土屋のリアルな1日を紹介します。
平日のある1日
5:30
出社。予定の確認などルーティーン業務
6:30
一度帰宅。
ウォーキングをしながら新聞のチェックや知識習得のための勉強
朝食や身支度
8:30
再度出社。メールの確認など
9:00
ライフプランシミュレーションなど資料作成
12:00
昼食
13:00
引き続き、資料作成
14:00
ご相談者とのオンライン面談
15:30
資料作成の続き
20時
帰宅
もっと面談が多いのかと想像していましたが、資料作成の時間が多いんですね…!
ご相談者の人生にかかわるプランとなるので、資料づくりは入念におこなうんですよ!夕飯を食べたあと、事務所に戻ってまた仕事をする日もあります。
休日のある1日
5:30
出社。予定の確認などルーティーン業務
6:30
一度帰宅。
ウォーキングをしながら新聞のチェックや知識習得のための勉強
朝食や身支度
8:30
再度出社。メールの確認など
9:00
移動
10:00
ご相談者宅で面談
12:00
面談終了。
近くの駅でランチを食べ、移動。
14:00
都内の事務所で面談
16:00
面談終了。再び移動。
17:30
事務所着。オンライン面談
19:00
もう1件オンライン面談
20:00
メールチェックなど
20:30
帰宅
わあ、今度は移動と面談がぎっしり!
土日がお休みの方も多いので、面談はやはり土日に集中しますね。
だから平日は資料をつくる時間が多くなるんですね!
FP(ファイナンシャル・プランナー)に対するよくある質問
FPの仕事内容についてお伝えしてきましたが、やっぱり日本ではまだよく知られていない部分も多く、インターネットやSNSではFPへの相談についての不安やネガティブな意見も見られます。
ここではFPに対してよくある質問・疑問にQ&A形式でお答えします。
Q. FPに相談すると、保険や株を営業されると聞きましたが本当ですか?
なかには保険や株のアピールをする方もいらっしゃいます。
企業に所属するFPだと、商品の販売目標が課されている方も少なくないからです。また保険代理店や不動産業者などと契約を結んでいるFPの場合、商品の販売によって手数料が入るためです。
しかし、日本FP協会の業務基準規程を見ると次の記載があります。
(必要的情報開示事項)
第3条 会員は、専門家としての業務を提供するに際して、以下の事項を書面を以て明確に顧客に開示しなければならない。
(中略)
4 会員が、フィーオンリーの開業者であるか、コミッションその他の経済的利益を得ているか否か。
日本FP協会 業務基準規程
「会員」とはFPを指します。保険などを紹介することは問題ないが、商品の販売によって手数料が入る場合にはきちんとお伝えしなければいけません。
保険や投資の提案があったとき、「販売目標の達成目当てではなく、本当に自分に必要なものを提案してくれているか」の見極めが大切です。
困ったときはその場で決断せず一度持ち帰り、別のFPにセカンドオピニオンを求めるのも賢明です。
「プロの提案だから…」と、その場で決断してしまいそうになります。一度持ち帰ってじっくり検討しても良いとわかり、少し気楽になりました。
実際にセカンドオピニオンを求めて面談を申し込まれる方も少なくありません。妥協せず、納得できる決断をしましょう。
Q. うちは家計が厳しくて、懐事情をさらけだすのは恥ずかしいし不安です
まずFPには顧客の秘密を守る義務があり、情報が外部に漏れることはありません。これは日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の会員倫理規程にも定められています。
第5条 会員は、ファイナンシャル・プランニング業務上知り得た顧客の秘密を守り、節度のある行動をとらなければならない。
日本FP協会 会員倫理規程
またFPの仕事は家計のお悩みをうかがって、解決策や改善策を立て、夢や希望を叶えられるようにサポートをすることです。
風邪を引いたらお医者さんに行きますし、また肩こりがあればマッサージに行ってととのえますよね。
同じように、家計の風邪やコリを解消するのがFPです。安心して相談してくださいね。
FP土屋の想い
FPは家計に関する相談と解決までのサポートを個別におこなうほか、お金の知識・情報をみなさんに広く届けられるよう講師業や執筆業も手がけています。
FPの存在をより身近に感じていただけたら幸いです。
また今回は土屋を例にお伝えしましたが、冒頭で示したとおりFPが取り扱うテーマは多岐にわたります。FPとひと口にいっても、強みや得意分野がそれぞれ異なり、いろいろなFPがいることも頭の片隅に置いていただくと良いでしょう。
最後に、土屋の想いを本音でお伝えします。
「FPに相談に行って、保険や金融商品を営業されるのが嫌だ」と感じる方も多いと思います。たしかにゴリゴリと押しつけられるような提案は嫌ですよね。
ただ、ライフプランシミュレーションをつくって、夢や目標を叶える可能性を高める手段として、投資信託や債券・不動産投資、保険が必要な場合もあります。必要な手段があるのにご案内せず、適切なお手伝いもしないのは、わたしは悪だと考えています。
「計画は立てました。あとは自分でやってください」というのは、無責任極まりない。
たとえばスーパーやアパレルショップを思い浮かべると、どの商品も原価に利益が上乗せされて売られていますよね。同様にFPもボランティアではありません。いただける手数料があるからこそ、入り口でもある相談料を少し低く設定できる。
「手数料ほしさに商品を提案・販売する」のでは本末転倒ですが、「顧客本位で商品をご提案し、相談者さまはライフプランシミュレーションが叶えられ、FPには手数料が入る」というのなら、WIN-WINではないでしょうか。
国も「貯蓄から投資へ」を活発化させようと動いていますよね。2022年11月、内閣は「金融機関に属さず中立的な助言をする資格を創設。無償またはきわめて少額で相談に応じるものとする」と発表しました。
無償で相談できれば、投資人口は増えるのでしょうか?
わたしは、日本人の投資が増えない原因は日本の株価がなかなか上がらないことだと思っています。
アメリカでは最高値をどんどん更新していますから、長い目で見れば得をする可能性は非常に高く、それならみなさんも「投資しよう」と思えるでしょう。
一方で日本は先月ようやく、33年ぶりにバブル後の最高値を更新したところです…。
日本の相場がこうした難しい状況のなかでも、相談に来てくださった方のために知恵を絞り、商品の紹介を含む適切なご提案をするのがFPだとわたしは考えます。
残念ながら、手数料ほしさに商品をご提案するFPもなかにはいるかもしれません。自分本位の提案をするFPなのか、一人ひとりに寄り添ったサポートをきちんと考えてくれるFPなのか、見定めも大切だと思います。
FPは「お金のお医者さん」
家計の悩みを聞き、解決までサポートするのがFPの仕事です。
ときには生命保険や金融商品の提案があるかもしれません。
しかし「あなたに本当に必要だから」提案している場合も。
困ったときはその場で判断せず一度持ち帰り、セカンドオピニオンを求めるのもひとつの選択肢です。
親身に伴走してくれるFPかどうかを見定めましょう。
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