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【中学生の進路の決め方】選択肢・学費・おすすめ本をFPが紹介

【中学生の進路の決め方】選択肢・学費・おすすめ本をFPが紹介

子どもが中学生になると、

マネ子

うちの子は勉強があまり得意じゃないみたいだけど、進路はどうすればいいのかしら?

マネ男

なにかやりたいことや夢があるわけじゃないみたいだけど、とりあえず偏差値が高い高校に入れば安心だよな!

のように、子どもの進路について考える機会が増えますよね。

しかし、ここで大切なのは、親世代の感覚でアドバイスをしないこと!

なぜなら、親と子ども世代では、

  • 高校の選び方
  • 大学入試
  • 採用方法
  • 働き方

が大きく変わってきており、自分の経験をもとに話すと子どもの

  • 進路の選択肢が狭まってしまったり
  • せっかく進学しても、勉強をする意味が見いだせなかったり
  • 高校卒業時の進路や就職時につまずいてしまったり

する可能性が高まってしまうからです。

親と子ども世代の違い

親世代(昔)子ども世代(今)
高校の選び方ほとんどの子が「全日制高校」に通っている13人に1人(約24万人)が「オンラインスクール(通信制)」に通っている
大学入試偏差値で評価される「一般選抜型」が主流全国の大学の半数が、偏差値だけで評価しない「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」を採用
採用方法毎年決まった期間で新卒学生を対象に採用する「新卒一括採用」が主流「中途採用」「通年採用」「職種別採用」「ジョブ型採用」など採用時期や採用対象者が多様化している
働き方1つの会社でずっと働く「終身雇用」が主流1つの会社にこだわらず、「転職」「副業」「独立」を選ぶ人も増えている
→親と子ども世代では時代が違うから、進路選択も異なる!

とはいえ、中学生の子どもに進路について相談されたとき、どんなアドバイスをすればいいのかわかりませんよね。

そこで本記事では、個別相談実績が800世帯を超える現役FPの土屋が「中学生の進路の決め方」について知っておくと役立つ情報を以下の3つのポイントを中心に紹介していきます。

本記事の内容
  1. 中学生の進路の決め方!手順は?
  2. 親子で読みたい!中学生の進路を決める際のおすすめ本2選
  3. 中学生の進路の決め方!選択肢や学費の違いを解説
土屋剛(FP)

では、さっそく本文にうつっていきましょう!

執筆者・監修者

土屋 剛(つちや ごう)

株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表

土屋 剛
CFP®/二種・一種証券外務員資格/日商簿記2級
もくじ

中学生の進路の決め方!手順は?

中学生の進路の決め方!手順は?

中学卒業後の進路を決めるためには、お子さまがご自身で

  1. 自己分析をする(自分の興味や得意・苦手分野を洗い出す)
  2. 自己分析の結果に沿って、自分に合う進路の選択肢を探す(情報収集)
  3. 希望の進学先に進むため行動をする(勉強、面接練習、進路先の調査等)

の3つの手順をふむのがおすすめです。

なぜなら、自分自身のことがよくわからず情報が少ない状態では、

  • 自分の偏差値にあった高校をとりあえず選ぶ
  • 偏差値が高い学校に入っておく
  • 通学できる範囲から探す
  • 制服がかわいくて、憧れの先輩が通っている高校を選ぶ

のように進路選びの軸が曖昧になり、せっかく進学しても、

  • 自分に合わない学校に通ってしまって、つまらない高校生活になってしまう
  • やりがいや勉強をする意味が見いだせず、遅刻や欠席が増えてしまう
  • バイトや遊びばかりで、せっかくの学校生活が無駄になる
  • 今の時代に合わない環境で学んでしまう

などの問題が発生しやすくなってしまうからです。

親としても、せっかくお金をかけて進学するのであれば、その子や時代に合わない環境は避けて、自分の力を発揮できる場所で充実した生活を送ってほしいですよね。

そういった意味でも、まずは中学生の進路を決める場合には、先程説明した

  1. 自己分析をする(自分の興味や得意・苦手分野を洗い出す)
  2. 自己分析の結果に沿って、自分にあう進路の選択肢を探す(情報収集)
  3. 希望の進学先に進むための行動をする(勉強、面接練習、進路先の調査等)

の手順をお子さまがしっかりふめるように、親がサポートしてあげると良いでしょう。

とはいえ、いきなりお子さんに

マネ子

中学生卒業後の進路は、自分で考えてしっかり決めたほうがいいよ!

と伝えても、

中学生

まだ将来やりたいこともないし、どうしたらいいかわからないよ。

めんどくさいし、そんなことは考えたくない!

と反発されてしまいがちです。

そういった場合には、この後に紹介する

するのがおすすめです!

中学生から進路の決め方を知っておく5つのメリット

中学生から進路の決め方を知っておくメリットは、大きくわけて

  1. 自己分析によって、将来の方向性や自分に合う進路を見つけられる
  2. 自己分析によって、自分が生きやすい環境がわかる
  3. 自分に必要な情報を集める能力が身につく
  4. 将来に対するビジョンを持てるので、勉強や学校に通う意味を見いだしやすくなる
  5. 就職や大学進学時にも、中学時代の進路選びの経験が役立つ

の5つです。

中学生までは義務教育で決められた道を歩んでいればよかった子も、高校・大学・就職時には自分の人生を自分で選んでいく力が求められます。

そのため、

  • 中学時代から自己理解を深め
  • 自分にとって必要な情報を探し
  • 目的に向かって行動する

習慣を身に着けておかないと、大人になって働き出した後の長い人生も、

  • 今の会社や環境は嫌だけど、やりたいことが見つからない
  • 「稼ぐ」「生きていく」ためだけに、仕事をするやりがいがない生活になる
  • 自分に合わない会社や環境を選んでしまい、転職を繰り返してしまう

といった問題に苦しめられてしまいます。

人生100年時代と言われる現代だからこそ、義務教育が終わる中学卒業のタイミングから自分に適した環境を選ぶ力を身に着けるメリットを教えてあげましょう!

土屋剛(FP)

では次に、中学卒業後の進路を子どもと話し合う上で読んでおくと役立つおすすめ本を2冊紹介していきます。

親子で読みたい!中学生の進路を決める際のおすすめ本2選

親子で読みたい!中学生の進路を決める際のおすすめ本2選

親も自分が中学生の頃とは変わっていることも多く、中学卒業後の進路について子どもに

  • 何を伝え
  • どう話し合ったら

いいのか迷いますよね。

そういった場合には、親子で以下2冊を読んでみるのがおすすめです。

  1. マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談
  2. なぜ僕らは働くのか

どちらも中学生ではイメージしにくい勉強の先にある「就職(働くこと)」や「現代社会に適した働き方」をふまえたアドバイスが載っているので非常に役立ちます。

土屋剛(FP)

それぞれの本の特徴は、この後に詳しく解説しているので参考にしてくださいね!

マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談

マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談
出典:Amazon

「マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談」は、まさに中学卒業後の進路の決め方を知るための決定本です。

先程『中学生の進路の決め方!手順は?』で説明した

  1. 自己分析をする(自分の興味や得意・苦手分野を洗い出す)
  2. 自己分析の結果に沿って、自分にあう進路の選択肢を探す(情報収集)
  3. 希望の進学先に進むために行動をする(勉強、面接練習、進路先の調査等)

を実行する方法が超具体的に書かれています。

本のタイトルにあるとおり、文章だけでなくマンガや図解でも解説されているので読みやすいです。

とにかく子どもと進路について話す際に迷ったら、最初の1冊はこの本を読んでおけば間違いないでしょう。

土屋剛(FP)

中学生向けの本ですが、親御さんにも役立つ内容が詰まっています。

ぜひ、一度手にとって読んでみてくださいね^^

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なぜ僕らは働くのか

なぜ僕らは働くのか
出典:Amazon

「なぜ僕らは働くのか」は、中学卒業後の進路だけではなく、

  • そもそも働くとは、どんな意味があるのか
  • どんな職業があり、どのように生活が支えられているのか
  • 将来に向けて、今勉強している意味は何か
  • 人生100年時代は、仕事(働くこと)とどう向き合えばいいか

を広く解説してくれている本です。

今後の進路について具体的に考える前に、将来働くイメージが掴めていない子におすすめの一冊でしょう。

こちらも文章だけでなく、マンガや図解が多いので読みやすくなっています。

先程紹介した『マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談』とあわせて読んでいただけると、中学卒業後の進路が柔軟かつ広い視点で考えやすくなるはずです。

土屋剛(FP)

では次に、実際に中学卒業後の進路にはどのような選択肢があるのかを紹介していきます。

中学生の進路の決め方!選択肢や学費の違いを解説

中学生の進路の決め方!選択肢や学費の違いを解説

まずは、文部科学省が毎年データを公表している学校基本調査をみて、2022年3月時点で中学校卒業者がどのような進路選択をしているのかを見ていきましょう。

2022年3月卒業した中学生の進路

進学先人数(割合※4)
高等学校等進学者※11,065,505人(98.82%)
専修学校(高等課程)進学者2,938人(0.27%)
専修学校(一般過程)等進学者759人(0.07%)
公共職業能力開発施設等入学者※2212人(0.02%)
就職者※31,416人(0.13%)
その他(上記以外)7,377人(0.68%)
→中学卒業後の進路は高等学校進学が約99%

上記の表を見ると、約99%が中学卒業後に高等学校への進学を選んでいることがわかります。

とはいえ、高等学校以外の選択肢を知らない親御さんやお子さんも多いと思います。

土屋剛(FP)

ですので、ここからはそれぞれの進路別の特徴や学費の違いなどを詳しく解説していきます。

高等学校(全日制、定時制、通信制)

中学卒業後の進路として、圧倒的に選択する人が多い進路が「高等学校」です。

ただし、一口に高等学校といっても、以下のようにさまざまな種類があります。

種類特徴学費(年額)※1※2※3※4
全日制平日(月~金)の日中が基本の授業
卒業目安年数:3年
公立:約51万円
私立:約105万円
定時制夜間やその他特別の時間帯が基本の授業
卒業目安年数:3~4年
公立:約12~15万円
私立:約50万~
通信制自宅での勉強が中心。課題やレポートを提出して教員に提出して勉強する授業スタイル
卒業目安年数:3年以上
公立:約5~10万円
私立:約15万~ 

それぞれ

  • 全日制:拘束時間は長いが、学校が指定したカリキュラムに沿った効率的な学習ができる
  • 定時制:昼間は働いたり実務経験を積んだりしながら、夜間や週末に学習ができる
  • 通信制:通学する必要がないため、時間や費用の節約ができて自分のやりたいことを優先できる

といったようにライフスタイルにあわせて学習ができるようになっています。

土屋剛(FP)

どの高等学校が、1番お子さまに適した環境で勉強できるのかを親子で話し合ってみてくださいね!

専修学校(高等課程・一般課程・高専)

専修学校とは高等学校と並び、国に中学卒業後の進路の1つとして認められた学校で、

  1. 工業
  2. 農業
  3. 医療
  4. 衛生(調理、理容、美容)
  5. 教育・社会福祉
  6. 商業実務
  7. 服飾・家政
  8. 文化・教養

など、文部科学省で定められた8分野を専門的に学べます。

通常の高等学校と比べて、一般教養科目を広く学ぶというよりも、専門分野に特化した内容を学べるため高い就職率を期待できるのがメリットです。

また、上記以外に専修学校の中には、高等課程や一般課程とは異なり、工業や商船の専門知識を学べる「高等専門学校(高専)」があります。

中学卒業後に通える専修学校の種類

高等課程高等専門学校(高専)一般課程
入学資格中学校卒業者中学校卒業者年齢・学歴を問わない
学費(年間)※3※4約93万円約122.5万円約132.5万円
修業年数1~3年制(3年制が多い)高等専門学校5年(商船科は5年6ヶ月)規定は特にありません
入試の特徴面接・作文・書類審査が一般的 やる気や適性が優先される学校数が少なく、倍率・偏差値ともに高め(偏差値60台と一般的な高校より高い傾向)面接・作文・書類審査が一般的 やる気や適性が優先される
卒業時に得られる資格※5大学入学資格付与校の場合は、卒業後に大学入学資格を取得できる(3年制の高等専修学校のほとんどは、卒業後に大学へ進学ができます) 
技能連携校は、高等専修学校の卒業資格と通信制の高等学校の卒業資格も同時に取得可能
 他にも学ぶ分野によって、さまざまな資格や受験資格の取得が可能
・一定の要件を満たせば、高専卒業後には、大学院への進学や大学・専門職大学に編入することも可能卒業者に対する資格は特になし(教養を高める目的が強い)
→同じ専修学校でも、大きく異なる特徴を持つ

高専学校の一例

公共職業能力開発施設等

公共職業能力開発施設等とは、就職に向けて必要な知識・技能を学ぶために職業訓練を実施する施設のことで、中卒者はそのうち「職業能力開発校」に通えます。

職業能力開発校の特徴

入学資格中学校卒業者
学費(年間)※約11.9万円
修業年数1~2年制
入試の特徴面接と、簡単な筆記試験又は学力検査が行われます。

また卒業時には、主に以下のような資格や受験資格が得られます。

卒業時に取得できる主な資格
  • 技能士補
  • 東京都技能士補
  • 第二種電気工事士 
  • ガス溶接技能講習修了証 
  • ボイラー実技講習修了証 
  • 労働安全衛生規則による特別教育修了証
  • 東京都屋外広告物条例
  • 実務者研修修了証明書
  • 介護職員初任者研修修了証明書など
取得できる主な受験・受講資格
  • 技能検定2級・3級・単一等級技能検定
  • 2級自動車整備士試験
  • 3級自動車整備士試験
  • 自動車車体整備士試験
  • 排水設備工事責任技術者試験
  • 二級建築士試験、木造建築士試験
  • 木材加工用機械作業主任者技能講習受講資格など

就職

就職とは、中学校卒業後すぐに働きはじめる進路のことです。

学費は必要ありませんが、通常の進学とは異なり、主に以下のようなメリット・デメリットが発生します。

メリットデメリット
早期に社会人経験を積める

早期に収入を得られるから、自立しやすい

自分の興味や特性を活かせる仕事であれば、年齢関係なく自分の能力やスキルを発揮してお金を稼げる
学歴が低いため、一般企業の場合は正規雇用率が低い
中卒では取れない資格(なれない職業)がある

中卒者の場合は同じ仕事でも、高卒や大学卒業者に比べて給与が低くなる傾向がある

仕事が嫌になって辞めても、中卒者だと再就職が難しくなる

デメリットをみると、

中学生

学校に行きたくない(勉強したくない)から、すぐに就職したい。

といった後ろ向きな理由な場合には、安易におすすめできる選択肢ではありません。

どちらかというと、

すぐに実現したい夢があるから(家業を継ぐ、起業するなど)

といった前向きな理由で就職を選ぶ子におすすめの進路です。

結論:中学生から進路の決め方を知っておくメリットは大きい

では最後に、「中学生の進路の決め方」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます!

本記事のまとめ

中学卒業後の進路を決めるためには、お子さまがご自身で

  1. 自己分析をする(自分の興味や得意・苦手分野を洗い出す)
  2. 自己分析の結果に沿って、自分に合う進路の選択肢を探す
  3. 希望の進学先に進むための行動をする(勉強、面接練習、進路先の調査等)

の3つの手順をふむのがおすすめです。

なぜなら、上記の手順を中学生のうちに行うことで、

  1. 自己分析によって、将来の方向性や自分に合う進路を見つけられる
  2. 自己分析によって、自分が生きやすい環境がわかる
  3. 自分に必要な情報を集める能力が身につく
  4. 将来に対するビジョンを持てるので、勉強や学校に通う意味を見いだしやすくなる
  5. 就職や大学進学時にも、中学時代の進路選びの経験が役立つ

といった生きていく上で役立つスキルが早いうちから身につくからです。

中学卒業後の進路の決め方について迷った場合には、

  1. マンガと図解でわかる!13歳からの進路相談
  2. なぜ僕らは働くのか

を親子でそれぞれ読んでみましょう。

現代社会に適した進路の決め方などが具体的にわかるので、進路についての話し合いがスムーズに進みやすくなります。

また、実際の中学卒業後の進路には、

  • 高等学校
  • 専修学校(高等課程、一般課程、高専)
  • 公共職業能力開発施設
  • 就職

などがあるので、それぞれの特徴や学費についても知っておくと、中学卒業後の進路を考える際にも役立つはずですよ!

以上、今回は「中学生の進路の決め方」についてお話しました。

最終的な決定権はもちろん子どもにありますが、子どもに相談されたときに適切なアドバイスをしてあげるためには、親自身も現代社会に適した最新知識を頭に入れておく必要があります。

土屋剛(FP)

ぜひ、本記事を参考にお子さんと中学卒業後の進路について話し合ってみてくださいね!

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