ママの職場復帰のためにも早めに保育園を検討したいけど、市役所に話を聞きにいけば良いのかな?
最近は保育園になかなか入れないと聞くけど、大丈夫かな?
SNSなどで『保育園の抽選に落ちた』という声はよく聞かれるので、不安に思いますよね。実は保育園には、認可保育園と認可外保育園があるのをご存知ですか?
お子さんの保育園を探す時は、認可保育園だけでなく、認可外保育園も視野に入れて検討するのがおすすめです。
この2つには募集方法や特色、費用面に違いがあるので、目的やニーズに応じて柔軟に使い分けることができます。
この記事では、認可保育園と認可外保育園についてその違いや費用面を比較して解説し、それぞれのメリットデメリットにも触れていきますので、参考にしてみてください。
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
認可保育園と認可外保育園の違いは?
この章では、認可保育園と認可外保育園の違いについて解説します。
認可保育園は児童福祉法に基づいて国が定めた設置基準を満たした保育園のことを指し、認可外保育園はその認定を受けていない保育園を指します。
中でも、今回詳しく取り上げる項目は以下の3点です。
- 運営方針
- 募集
- 費用
認可保育園と認可外保育園の大きな違いであるこの3つを事前に把握しておけば、各ご家庭の方針にあった保育園選びの参考になりますよ。
運営方針
運営方針に関して、押さえておきたい違いは以下の3点です。
- 保育内容
- 設備基準
- 人員配置
認可保育園 | 認可外保育園 | |
保育内容 | 自治体が定めるガイドラインに基づく | 独自で設定できる |
設備基準 | 人数ごとに定められている | 敷地面積が狭い傾向がある |
人員配置 | 全員が保育士 ※0〜2歳児を4名以上受け入れる場合、保健師・看護師・准看護師を1人に限り保育士としてカウントできる | 保育従事者の3分の1以上が保育士または看護師 |
認可保育園の運営方針は、各自治体が定めるガイドラインに基づき運営されています。各自治体が定めるガイドラインとは、国が定める保育所保育指針等にもとづき、各市区町村が定める保育に関する基本的な指針をまとめたものです。
認可保育園はこの内容に基づいて運営されているため、どの園でも保育の質が保たれています。
認可外保育園は文部科学省が定める認可外保育施設指導監督基準にしたがって運営されているほか、各自治体が毎年監査を行い保育の質を厳しくチェックしています。
独自の指導方針を定めて運営できるため、英語教育やモンテッソーリ教育を取り入れていたりと、各園によって特色ある保育を展開しています。
国が定めた基準にしたがって運営している認可保育園は安心できそう。
保育時間中に英語や知育教育を受けられるのは認可外保育園の魅力ですね!
募集
保育園の募集に関して押さえておきたい違いは以下の3点です。
- 募集母体
- 募集時期
- 募集条件
認可保育園 | 認可外保育園 | |
募集母体 | 住んでいる市町村の自治体 | 各施設 |
募集時期 | 自治体によって時期が決まっている ※ 世田谷区は毎年9〜11月に申込 | 各施設がそれぞれ定める ※ 随時受け付けている施設もあるが、時期が決まっている施設もある |
募集条件 | 共働きであること 保護者それぞれの利用基準指数を計算し、指数を合算して当該世帯の指数を決定 | 特になし ※ ただし保育料無償化制度を利用する場合は要件がある |
認可保育園の募集関係は各自治体によって募集条件が厳密に管理されています。募集時期については、申込期間が決められているので、事前にお住まいの市区町村のホームページを確認して募集期間を確認しておきましょう。
また、これから就業する場合、募集期間と就業のタイミングが難しい場合もあるため、就職活動を要する場合は注意が必要です。
認可外保育園に関しては、定員が空いていれば随時受け付けてくれる園もあるほか、申込時の就労状況などは問われないため、まだ仕事が決まっていなくても入園することができます。
費用
費用に関して押さえておきたい違いは以下の3点です。
- 費用相場
- 無償化の範囲
- 保育料支払方法
ただし、保育料無償化に関しては東京都世田谷区の内容を記載しているので、詳しい内容はご自身がお住まいの市区町村のホームページでご確認ください。
参考:世田谷区 | 幼児教育・保育の無償化について(幼稚園や認可保育園を利用しない方向け)
認可保育園 | 認可外保育園 | ||
費用相場 | 収入によって自治体が定める | 施設によって異なる | |
無償化の対象者 | 0〜2歳 | 住民税非課税世帯が対象 | 住民税非課税世帯が対象 |
3〜5歳 | 保育園に通わせている全ての世帯 | 保育の必要性の認定を取得していて、かつ無償化対象施設を利用した場合 | |
無償化金額 | 0〜2歳 | 住民税非課税世帯を対象に、毎月の利用料が無料 | 住民税非課税世帯のみ月額42,000円までの保育料が無償 |
3〜5歳 | 毎月の利用料が無料 ※ 給食材料費、遠足費等は別途支払う必要がある | 月額最大37,000円補助 | |
保育料支払い方法 | 0〜2歳保育料無償化世帯以外 | 各自治体に直接支払う(口座振替) | 各施設に支払う |
保育料無償化世帯 | 無償化分が差し引かれて必要分だけ払う | 最初に満額支払い、3ヶ月後に自治体に請求して無償化分が3ヶ月まとめて戻ってくる |
費用面の制度の違いで特に注意しておきたいのは、保育料無償化に関する内容です。
認可保育園では3歳以上の児童は一律で保育料が無償となり、給食費や遠足費等が持ち出しとなる一方、認可外保育園では以下のような条件となっています。
- 保育料無償化対象施設に預けていること
- 保護者が保育の必要性の認定を取得していること
- 支給上限は月額37,000円(年額444,000円)
また、認可外保育園では、無償化に関する支給額を月謝から差し引いた金額を納入するのではなく、まず保育料の満額を施設に支払った後、3ヶ月後に市区町村に請求書を提出して3ヶ月分の補助の支給を受ける仕組みになっているので、注意が必要です。
認可外保育園でも保育料無償化が受けられるのは聞いたことありましたが、最初は全て自費で払って後から支給される形式だとは知りませんでした…!
認可保育園と認可外保育園の費用比較例
この章では、認可保育園と認可外保育園の費用相場について、詳しく解説します。
認可外保育園と認可保育園の費用比較例
認可保育園 | 認可外保育園 | |
0歳児 /年 | 634,000円 | 1,933,800円 |
1歳児 /年 | 634,000円 | 1,801,800円 |
2歳児 /年 | 634,000円 | 1,669,800円 |
3歳児 /年 | 54,000円 | 1,265,400円 |
4歳児 /年 | 54,000円 | 1,265,400円 |
5歳児 /年 | 54,000円 | 1,291,800円 |
その他費用 | – | 85,000円 |
計 | 2,064,000円 | 9,313,000円 |
シミュレーションの計算条件
- 世帯年収1,000万円(所得割課税額が約33万円)
- 受け入れ月齢が生後6ヶ月以上の園に4月から入園させた場合
- 保育時間は11時間(延長保育は活用しない)
- 認可保育園は世田谷区立園に入園した場合、認可外保育園は「HOPPA世田谷経堂」の金額を参考にした
東京都世田谷区の認可保育園と認可外保育園である「HOPPA世田谷経堂」を例に、0歳〜5歳までの計6年間通わせた際の費用をシミュレーションしたので、参考にしてみてください。
もちろん、私立の認可保育園に通わせた場合や、他の認可外保育園の施設に通わせた場合に金額に違いはでますが、両者のざっくりとした費用感を掴めるはずです。
認可保育園
世田谷区立の認可保育園に6年間通わせた場合にかかる費用は 約2,064,000円です。(0〜2歳児の月謝を5,200円、給食費を4,500円で計算)
世帯年収1,000万円の共働き家庭で、父母のうち「短い時間就労している方」の就労時間(休憩時間は除外)が保育標準時間(120時間/月以上)に該当しているものとして試算しました。
内訳は以下の通りです。
月額の出費 | 年額 | |
0歳児 | 52,000円 | 634,000円 |
1歳児 | 52,000円 | 634,000円 |
2歳児 | 52,000円 | 634,000円 |
3歳児 | 4,500円 | 54,000円 |
4歳児 | 4,500円 | 54,000円 |
5歳児 | 4,500円 | 54,000円 |
計 | – | 2,064,000円 |
元々の月謝設定が安価なことに加えて、3歳以上になると保育料無償化により給食費のみの負担になるため、トータル費用を抑えることができます。
認可外保育園
認可外保育園に6年間通わせた場合にかかる費用は 約9,313,000円です。
この金額は、3歳児以上で受け取ることができる保育料無償化金額(37,000円/月)を差し引いた後の金額になります。
内訳は以下の通りです。(「HOPPA世田谷経堂」の金額を参考に計算しています。)
年額(A) | 無償化金額合計(B) | 差引金額(A)-(B) | |
0歳児 | 1,933,800円 | 0 | 1,933,800円 |
1歳児 | 1,801,800円 | 0 | 1,801,800円 |
2歳児 | 1,669,800円 | 0 | 1,669,800円 |
3歳児 | 1,709,400円 | 444,000円 | 1,265,400円 |
4歳児 | 1,709,400円 | 444,000円 | 1,265,400円 |
5歳児 | 1,735,800円 | 444,000円 | 1,291,800円 |
計 | 10,560,000円 | 1,332,000円 | 9,228,000円 |
別途、入学金80,000円、非常食代5,000円がかかるため、合計金額は約 9,313,000円という結果になりました。
3歳以上は保育料無償化対象となりますが、一度施設に保育料を満額納入した後、3ヶ月後に3ヶ月分がまとめて支給される関係で、一度(A)列の金額を支出する必要があります。
元々の月謝設定が高めなことに加えて、3歳以上の保育料無償化での支給額が一律37,000円となることもあり、認可保育園と比べると高い費用感になっています。
トータル費用を抑えられるのは認可保育園の魅力ですね!
認可保育園と認可外保育園のメリット・デメリット
この章では、認可保育園と認可外保育園のメリット・デメリットを比較していきます。
認可保育園のメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
保育料が比較的安価 施設の広さの基準が定められている 規定の資格をもった人員が配置される 各自治体が定めるガイドラインに基づいて保育されるため、保育の質が担保されている | 一律の保育内容なので、特別な教育は受けられない 各家庭の特殊な事情(早朝や深夜、休日も預かってもらいたいときなど)に柔軟に対応しにくい 希望する園に入れない場合もある |
認可保育園のメリットは保育料が比較的安価なこと、
デメリットは家庭状況や希望に応じて柔軟に対応してもらいにくいところです。
費用が各自治体によって一律で定められており、比較的安価に押さえられていますが、その分募集時のルールや条件が厳しく定められています。
認可保育園は、保育の質を担保しながらも費用を抑えたいという人におすすめできます。
認可外保育園のメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
独自のカリキュラムを採用している園が多く、特色のある教育を受けることができる 早朝や深夜、休日も預かってもらえる 利用基準指数に関係なく受け入れてもらえる 定員が空いていれば、預けたい時からいつでも預けられる | 保育料が高額になる場合が多い(認可外保育園の種類によって異なる) 施設の広さ、スタッフ、保育内容などの保育の質が伴っているかは保護者の目でしっかり確認する必要がある |
認可外保育園のメリットは家庭状況や希望に応じて柔軟に対応してもらいやすいこと、
デメリットは保育料が高額になる場合が多いことです。
費用が高額な傾向がありますが、それがクリアできれば、英語教育や知育教育などの特別なカリキュラムが受けられたり、各家庭の状況に合わせて柔軟に保育してもらえたりなどのメリットを受けられます。
認可外保育園は、家庭の状況に合わせて柔軟に預かってほしい、子どもに特別なカリキュラムを受けさせたいという人におすすめできるでしょう。
それぞれのメリットデメリットを把握すれば、ご家庭の状況にあった選択ができますね。
認可保育園は費用面も保育の質の面でも安心だけど、利用基準指数の点数が高くないと希望の園に入れないことがネックになりそう。認可外保育園は値段が比較的高めな一方で、柔軟性と特色あるカリキュラムは魅力的ね。
まずは幅広く調べて、費用面や状況と相談しながら決めていくのが良さそうだね。
認可保育園と認可外保育園の違いを把握してベストな選択をしよう!
認可保育園と認可外保育園では、主に以下のようなポイントで違いがあります。
- 運営方針
- 保育内容
- 設備基準
- 人員配置
- 募集
- 募集母体
- 募集時期
- 募集条件
- 費用
- 費用相場
- 無償化の範囲
- 保育料支払方法
また、それぞれの保育園に0歳〜5歳までの計6年間通わせた際の費用をシミュレーションすると、認可保育園は2,064,000円、認可外保育園は9,313,000円という結果になりました。
これらを踏まえて、それぞれのメリット・デメリットを比較すると、以下のようになります。
認可保育園
メリット | デメリット |
---|---|
保育料が比較的安価 保育の質が担保されている | 特別なカリキュラム等はなく、各家庭の特殊な事情に柔軟に対応しにくい |
認可外保育園
メリット | デメリット |
---|---|
特色あるカリキュラムを受けられる 家庭の事情に柔軟に対応できるサービスがある | 保育料が高額になる傾向がある 保育の質は保護者が見定める必要がある |
以上のように、認可保育園は費用面・施設や人員の面でも安心ですが、その分倍率も高い傾向にあり、利用基準指数や就労状況の規定なども厳しく定められていることにより、なかなか入園できないことがあります。
一方で、認可外保育園は費用が高額になるものの、習い事に通わせずに特色あるカリキュラムを受けられるメリットも大きいので、あえて認可外保育園を選ぶご家庭もあると言えるでしょう。
それぞれの違いや特徴を理解した上で、リサーチ段階では認可保育園のみにこだわらず、認可外保育園も含めて幅広く検討してみてはいかがでしょうか。
認可保育園だけではなくご家庭のニーズに合う認可外保育園を選ぶ場合も増えてきているようです。
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