新築一戸建てを購入したけど、メンテナンス費用はいくらくらい貯めておけばいいんだろう?
そもそもハウスメーカーの長期保証があるのに、メンテナンスの計画を考える必要があるの?
といった点が気になることがありますよね。
その疑問を深く考えずに放置してしまうと、将来的に費用面で問題が発生してしまう確率が高まることに…。
そこで本記事では、マイホーム購入支援も行っているFP歴16年の土屋が「新築一戸建てのメンテナンス計画」について以下内容を中心に徹底解説していきます!
- 一戸建てのメンテナンス計画の費用総額&理想の積立額
- メンテナンス費用のおすすめ積立方法
- 一戸建てのメンテナンス計画を立てる際のポイント5選
本記事を読んで知識を深めれば、メンテナンス費用を倍以上もお得にできる可能性が高いです!
ぜひ最後までご一読くださいね^^
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
一戸建てのメンテナンス計画の費用総額&理想の積立額
新築一戸建てのメンテナンス費用総額&理想の積立額は、以下のとおりです。
- 築30年までのメンテナンス費用総額:約800万円~900万円
- 理想の積立額:約2.2万円~2.5万円(月額)
ただし、これはあくまでもここ最近の
- 一般的な建売・2階建て
- 木造で35坪程度
の基本的なメンテナンスを計画的に行ったケースで、
- お住まいの環境的に住宅が劣化しやすかったり(海の近くなど)
- 住宅性能や広さが異なっていたり
- 建築費や工事費が高騰したり
- メンテナンスのタイミングがずれたり
した場合には、上記の金額と大きく異なるケースがあります。
あくまでも「目安の費用」だと考えてくださいね!
では次に、新築一戸建てメンテナンス計画の内訳を紹介していきます。
一戸建てのメンテナンス計画の内訳
新築一戸建ての一般的なメンテナンス計画は、
- 建物の劣化状況に応じて
- 部位ごとにメンテナンス
をします。
ここ数年の新築一戸建ては、約10年~15年ごとのサイクルで大規模メンテナンスを行うことを目安にすると良いようです。
以下は、15年ごとに大規模メンテナンスを行う場合の計画表(内訳)です。
ぜひ、ひとつの目安として参考にしてくださいね!
新築一戸建ての一般的なメンテナンス計画(内訳)
築年数や修繕周期 | 修繕費(目安) | 修繕項目 |
---|---|---|
築5年で | 約15万円 | シロアリ対策 |
築10年で | 約15万円 | シロアリ対策 |
築15年で | 約340万円 | シロアリ対策 屋根塗装 外壁塗装 バルコニー防水 給湯器の交換 雨どいの交換 など |
築20年で | 約115万円 | シロアリ対策 ユニットバスの交換 など |
築25年で | 約15万円 | シロアリ対策 |
築30年で | 約430万円 | シロアリ対策 屋根塗装 外壁塗装 バルコニー防水 給湯器の交換 雨どいの交換 給排水管の交換 など |
また、過去の古い物件は建て替えの判断タイミングが築30年程度とされていました。
しかし、現在の住宅性能であれば、適切にメンテナンス(リフォーム)を行うことで、建て替えをせずに60年以上住み続けることも可能だと言われています。
メンテナンス費用のおすすめ積立方法は?
メンテナンス費用のおすすめの積立方法は、「つみたてNISA(積立投資)」になります。
なぜなら、つみたてNISA(積立投資)は長期目線で見たときに、ただ銀行にお金を預ける定期預金よりも効率的にお金を増やせる可能性が高いからです。
新築一戸建てのメンテナンス費用は、家購入後1〜2年ですぐ必要になるお金ではありません。
そういった点からも、「新築一戸建てのメンテナンス費用の積立」と「長期運用で成果が出やすいつみたてNISA(積立投資)」は相性が良いと言えるのです。
とはいえ、
メンテナンスで使う予定のお金を投資に回すのは怖い
お金を使うタイミングで暴落していたら、どうすればいいの?
といった点が気になる方も多いと思います。
そういった場合にはあわせて以下2つの記事を読み、つみたてNISA(積立投資)への知識を深めていただけると不安な気持ちを解消しやすいです。
もちろん「定期預金」でお金を貯めるのも1つの選択肢です!
ご自身の家計状況やリスク許容度にあわせて、メンテナンス費用の積立方法を検討してみてくださいね^^
では次に、一戸建てメンテナンス計画を立てる際のポイントを5つ紹介していきます。
一戸建てのメンテナンス計画を立てる際のポイント5選
一戸建てのメンテナンス計画を立てる際のポイントは、大きくわけて
- リフォーム(修繕)には3つの種類がある
- 補助金や減税制度を活用してお得に修繕できる
- 第三者のプロチェックで適切な修繕工事を受けよう
- リフォーム業者によって修繕費は2~3割以上違う
- 大手ハウスメーカーの長期保証が安心なわけではない
の5つです。
この5つのポイントを知っているのと知らないのでは、リフォーム代(修繕費)に倍以上の差が出るといっても過言ではありません!
ではさっそく、一つひとつのポイントを確認していきましょう^^
①リフォーム(修繕)には3つの種類がある
一戸建てのメンテナンスで行うリフォーム(修繕)には、
- やらなければならないリフォーム:家を守るメンテナンス(家の寿命アップ)
- やったほうがいいリフォーム:性能を良くする(住み心地アップ)
- やりたいリフォーム:暮らしが豊かになる(満足度アップ)
の3種類があります。
①→②→③の順に優先順位が高く、一戸建てのメンテナンス計画を立てる上で非常に重要なステップになっているのです。
この記事でここまでお話した『メンテナンス計画の費用総額&理想の積立額』などは、すべて①のみをやった場合の金額になります。
今後②③もやりたいと考えている場合には、内容に応じて積立額を増やさなければならない点に注意をしましょう。
②補助金や減税制度を活用してお得に修繕できる
一戸建てのメンテナンスで行うリフォーム(修繕)では、補助金や減税制度を活用できるケースがあります。
ただし、基本的に補助金や減税制度は、ご自身(または工務店経由)で申請しないと自動的には適用されません。
さらに、毎年制度の内容が変わることも多いため、その都度
- 補助金や減税制度の条件を満たしたリフォームになるのか
- 工事を依頼する工務店は、補助金申請が可能なのか
- 予算上限に達して、申請が終了していないか
- いつからいつまでに手続きをすれば良いのか
- 国以外に都道府県の補助金を併用できる可能性はないか
を調べる必要があります。
というのも、工事の契約や着工タイミングによっては、補助金や減税制度の適応外になってしまうことも珍しくないからです。
実際2022年にも、最大100万円の補助金が出る「こどもみらい住宅支援事業」が予算上限に達して、
- 国の予定より4ヶ月早い11月下旬に申請受付が終了し
- 補助金をあてにして契約をしていた人から、不満の声が上がる
こどもみらい難民問題が発生しました。
現在は、こどもみらい難民の救済措置として、新たな国の補助金支援である「こどもエコすまい支援事業」の要件の見直しが行われています。
上記のような問題も起こり得ることから、補助金や減税制度の利用時には最新情報をチェックして早め早めに行動したほうが良いでしょう。
③第三者のプロチェックで適切な修繕工事を受けよう
『一戸建てのメンテナンス計画の内訳』でもお伝えしたように、一戸建ての場合は目安として約10年~15年に一度大規模メンテナンスを行う必要があります。
しかし、決まった時期に必ずメンテナンスが必要になるわけでなく、
- 9年でリフォームが必要になる家もあれば
- 16年でリフォームが必要になる家もある
というように、住宅性能や建物の劣化状態によって、メンテナンスのタイミングは異なるのです。
そのため、ホームインスペクター(住宅診断士)などの第三者にチェックをお願いすることで、適正な時期に適切なリフォームを行えるようになります。
逆に、
そろそろメンテナンスの時期だから、とりあえず近くのリフォーム会社に依頼しよう!
訪問販売の業者に外壁塗装を勧められたから、リフォームしようかな?
とあいまいな状況でメンテナンスを進めてしまうと、
- メンテナンスのタイミングが予定よりも早まってしまったり(メンテナンス頻度が増えたり)
- ご自身の建物に必要ないリフォーム(修繕)が発生したり
する関係で、修繕費が想定よりも多くかかってしまうケースがあるので注意が必要です。
ホームインスペクション(住宅診断)による二重チェックで、リフォーム時の欠陥工事を防いだり施工品質を向上させることも可能です。
第3者に依頼するのは費用もかかりますが、お値段以上のメリットもあるので、ぜひ検討してみてくださいね!
基本コース:60,000円(税込66,000円)
④リフォーム業者によって修繕費は2~3割以上違う
一口にリフォーム代(修繕費)といっても、どこに工事を依頼するかで修繕費は2~3割以上違ってきます。
大きく分類すると、以下の順に費用が高くなるケースが多いです。
安 職人の個人店<<工事店(工務店や塗装店)<<リフォーム営業会社 高
上記を見て、
費用が安いなら、職人の個人店にお願いしようかな?
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、「職人の個人店」はお客様ご自身がリフォーム内容を把握して現場監督のような役割を果たし、必要なリフォームに対して、それぞれ適した職人を見つける必要があります。
というのも、「職人の個人店」の場合は、人件費の問題からすべてのリフォームに適した職人が在籍していないケースが多いからです。
一方で、「工事店(工務店や塗装店)」や「リフォーム営業会社」には、さまざまな職人に指示を出し管理してくれる現場監督がいます。
そのため、一般の方が一戸建てのメンテナンスでリフォームをお願いする場合には、「工事店(工務店や塗装店)」や「リフォーム営業会社」のほうがトラブルが発生する確率が減るのです。
リフォームの依頼先別の特徴
費用 | 現場監督の有無 | サービスや接客 | |
---|---|---|---|
職人の個人店 | 現場監督費や中間マージンが発生しないので安い | 顧客が現場監督の役割を果たす必要がある | あくまでも一部の工事の依頼なので、接客やサービスは期待できない |
工事店(工務店や塗装店) | 現場管理費がかかる | 依頼した工事店が現場監督を担当するケースが多い | 細やかな接客やサービスは売りにしていないケースが多い |
リフォーム営業会社 | 中間マージンが発生しやすい | 下請け会社が担当するケースが多い | 担当営業マンがいるので、細やかなサービスや接客を受けやすい |
どの業者に依頼する場合でも相見積もりを取り、契約内容や費用をよく比較した上でリフォームを行ってくださいね!
⑤大手ハウスメーカーの長期保証にも注意が必要
一戸建てのメンテナンス計画を立てる際に重要な最後のポイントは、「大手ハウスメーカーの長期保証にも注意が必要」です。
というのも、大手ハウスメーカーの長期保証は一般的に、数年に1回の無料点検で異常が見つかったときに、有償工事をすることで保証が延長される仕組みになっています。
その際に、
工事をしないと、保証が切れてしまうなら…。
売主であるハウスメーカーに工事を頼んだほうが安心だよね?
と、そのまま迷わず工事をお願いしてしまう人が多いです。
しかし、大手ハウスメーカーの長期保証には以下のような制約があるケースが多く、費用面でみると、消費者にメリットが大きい保証とは言えません。
- ハウスメーカーの無料点検でメンテナンスが必要と判断されたら、そのタイミングで有償工事を受けないといけない
- ハウスメーカー指定の業者に有償工事をお願いしないといけない(顧客が業者を選べない)
そのため、
- 純正保証にこだわっている
- 今後、増築などの予定がある(ハウスメーカー独自の工法が必要になる)
場合でなければ大規模メンテナンスは、第3者のプロチェックの結果を参考に、適切なタイミングで複数業者の相見積もりを取って修繕工事を行うのが経済的です。
結論:一戸建てのメンテナンス計画は家購入時からスタート
それでは最後に、新築一戸建てのメンテナンス計画について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
新築一戸建てのメンテナンス費用総額&理想の積立額(目安)は、
- 築30年までのメンテナンス費用総額:約800万円~900万円
- 理想の積立額:約2.2万円~2.5万円/月
です。
ただし、住宅性能や家の広さなどで目安費用が大きく異なるケースがあるので注意してください。
また、修繕積立金は家計状況やリスク許容度をふまえた上で、「つみたてNISA(積立投資)」で貯めるのがおすすめです。
一戸建てのメンテナンス計画を立てる際のポイントは、大きくわけて
- リフォーム(修繕)には3つの種類がある
- 補助金や減税制度を活用してお得に修繕できる
- 第三者のプロチェックで適切な修繕工事を受けよう
- リフォーム業者によって修繕費は2~3割以上違う
- 大手ハウスメーカーの長期保証にも注意が必要
の5つです。
ぜひ上記のポイントをおさえて、少しでもお得にご自宅のメンテナンスを行いましょう!
以上、今回は新築一戸建てのメンテナンス計画についてお話しました。
一戸建ては、
賃貸よりも安い家賃で住めますよ!
マンションのように、管理費がかかりませんよ。
と言われることがあります。
しかし、実際に老後まで住み続けるためには、家購入時からローン返済費用とは別に、ご自身で修繕積立金を貯め、計画的にメンテナンスを行っていく必要性が高いのです。
そのため、本記事を読んで
一戸建てを購入したのに修繕積立金を貯めてなかったけど、どうしよう!
これから家を買うけど、具体的にどうやって修繕積立金を貯めていけばいいんだろう?
といった点が不安になった場合には、ぜひFP相談をご利用いただければと思います。
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