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私立中高一貫校生に塾は必要?選び方や費用を解説

私立中高一貫校生に塾は必要?選び方や費用を解説
マネ子

私立中高一貫校に合格できたけど、勉強にちゃんとついていけるか不安…。うちも塾にも行った方がいいのかな?

マネ男

私立中高一貫校はサポートが手厚いから塾はいらないんじゃない?

土屋剛(FP)

実は、私立中高一貫校に入学後も塾に通っている中学生は、多くいらっしゃるんですよ!

文部科学省が行った令和3年度子供の学習費調査によると、私立中学校に通う家庭の53.9%が、塾を活用していることがわかりました。

私立の中高一貫校は勉強面のサポートが手厚い学校が多いのも事実ですが、一方で以下のような問題が起きることがあります。

  • 小学校までとは違い生徒全体の学力レベルが高い
  • 授業のスピードが早くついていくのが大変
  • 定期テストに合わせた学習リズムを作らなければならない

私立中学校に通う費用に加えて塾の費用が発生するとなると、さらに金銭的負担が増してしまうので、いざという時に慌てないためにも私立中高一貫校の塾事情と相場を知っておくのがおすすめです。

そこでこの記事では、私立中高一貫校生の通塾理由を紹介し、塾の選び方や費用について解説しますので、参考にしてみてください。

執筆者・監修者

土屋 剛(つちや ごう)

株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表

土屋 剛
CFP®/二種・一種証券外務員資格/日商簿記2級
もくじ

私立中高一貫校生の通塾のきっかけは?

私立中高一貫校生の通塾のきっかけは?

この章では、私立中高一貫校に通う中学生の通塾のきっかけについて解説します。

私立中高一貫校に通いながら塾を検討し始めるタイミングは、大きく分けて以下の4つです。

  • 授業が理解できないと感じた時
  • 定期テストの点数が悪かった時
  • 進学対策の必要性を感じた時
  • 大学受験を意識した時

特に私立の中高一貫校に通う中学生が直面しやすいシチュエーションばかりですので、参考になさってみてください。

どのような時に通塾を検討したらいいかがわかりやすくなりますよ。

授業が理解できないと感じた時

通塾のきっかけとして多いのが、「学校の授業が理解できないと感じること」です。

中高一貫校では、以下のような原因で、学校の授業内容についていけなくなることがあります。

  • 授業内容が難しい
  • 授業のスピードが早い
  • 学校のサポートが不十分でフォローアップの機会が得られない
  • 部活との両立が難しく勉強時間が割けない

精神面においても、以下のような原因で、勉強に身が入らないことがあります。

  • 塾のサポートがないと一人で勉強できない
  • 中学受験を乗り越えた時点で燃え尽きてしまっている
  • 中期目標を失い中弛みする

特に、小学生から中学生は環境面と精神面の変化が大きいため、変化の中にうまく勉強を組み込めず、苦しむ中学生が多いといえるでしょう。

定期テストの点数が悪かった時

定期テストの点数が悪かった時、通塾を検討するご家庭が多いといえます。

中学生が小学生までと大きく違うのは、「定期テスト」の存在です。

単元がひと段落つくたびにその都度テストが実施される小学生とは違い、中学生は決まったタイミングで複数内容をまとめてテストが実施されるので、以下のようなスキルが求められます。

  • 期限から逆算した行動
  • 自分一人で学習する習慣
  • スケジュール管理

特に、中学受験をクリアした子どもたちは「塾から与えられた課題を短いスパンで終わらせる」スキルは高いですが、「中長期的な学習計画を自分で立てて実行する」ことに不慣れであることが多く、定期テストに向けて十分な準備ができず、点数が振るわないことがあります。

進学対策の必要性を感じた時

中高一貫校に通う場合でも、進学対策の必要性を感じた時に塾を検討する場合があります。

なぜなら、内部進学の場合も、外部受験生と同じように試験が実施されるパターンが多く、一定以上の成績を納めないと進学できない場合もあります

他にも、高校進級時に外部の学校を受験することにした際などは、学校ではフォローアップしてくれないため、自力で受験対策せねばなりません。

中高一貫校に通っていても以下のような状況に当てはまる場合は、その対策のために塾に通う中学生も多いと言えるでしょう。

  • 学校の進級試験に不安がある
  • 中高一貫校の環境が合わず、外部の高校を受験する

大学受験を意識した時

中高一貫校に通う中学生の場合は、中学生のうちから大学受験を見据えて塾を活用する場合があります。

中高一貫校は一般的に高校入試がなく、6年一貫教育を受けるため、その学習の目標地点は大学受験であることがほとんどです。

例えば、以下のような場合は、中学生であっても大学受験対策の学習塾に通うケースが多いと言えます。

  • 医学部・薬学部受験を目指している
  • 東大・京大などの最難関国立大学、早稲・慶應などの難関私大を目指している
マネ美

学校の勉強についていくことだけが通塾の目的じゃないんですね!中学生の時から大学受験を見据えて準備するのは、中高一貫校ならではですね。

私立中高一貫校生が塾を選ぶときに見るべきポイント

私立中高一貫校生が塾を選ぶときに見るべきポイント

この章では、私立中高一貫校生が塾を選ぶときに確認したいポイントを紹介します。

見るべきポイントは以下の2点です。

  • 学校の授業進度や教材に対応してくれるか
  • 塾のカリキュラムやサービスが通塾目的に合っているか

私立中高一貫校生の場合は特に、「皆が行ってるから」「塾に行かないと不安だから」といった理由で通う塾を決めてしまうと、塾に通うメリットが最大限に活かせず、時間とお金を無駄にしてしまいかねませんので注意してください。

この章の内容を参考にして、あなたのご家庭にとって最適な塾選びをしましょう。

ポイント①:学校の授業進度や教材に対応してくれるか

私立中高一貫校生が塾を選ぶ時は、塾で学校の進度や教材に対応してくれるかを必ず確認してください。

中高一貫校は他の公立中学校と比べて、授業に以下のような違いがあります。

  • 授業進度が早い
  • 中高一貫校専用の教材を使っている

特に数学は、中学3年間の内容を中2までに終了し、中3からは高校内容に入る学校が多いので、注意が必要です。

私立中高一貫校の学習進度に合わせてくれる塾を探す時は、以下のような塾を中心に探すと良いでしょう。

  • 学校の教材を使ってくれる個別指導塾
  • 家庭教師(対面・オンライン)
  • 通っている学校専門コースが設置されている集団塾

私立中高一貫校で内部進学を考える場合は、定期テストでコンスタントに得点を取り内申点を稼ぐ必要があるため、日々の授業の理解度をあげることが重要といえます。

専門コースが設置されている集団塾では学校の進度に合わせて塾のカリキュラムが組まれていることがほとんどですが、特に個別指導塾や家庭教師を選ぶ場合は、入塾時に「私立中高一貫校の授業ペースと教材に合わせてもらえるか」を確認しておくと安心です。

ポイント②:塾のカリキュラムやサービスが通塾目的に合っているか

私立中高一貫校生が塾を検討する場合、塾のカリキュラムやサービス提供内容が入塾の目的に合っているかを必ず確認しましょう。

例えば、定期テストのフォローアップが目的の塾と医学部受験対策が目的の塾では、提供されるサービス内容は大きく変わってきます。

塾が提供してくれるサービスは、それぞれの理念や教育方針によっても異なりますので、前章で挙げた「通塾目的」を参考に、まずは塾に通う目的を明確にして、それを叶えてくれる塾を選ぶことが大切です。

私立中高一貫校に通いながら塾にいく場合の教育費は?

この章では、中学3年間私立中高一貫校に通いながら塾にいく場合にかかる教育費の総額の平均を紹介します。

私立中高一貫校に通いながら塾にいく場合、中学3年間にかかる教育費の平均総額は約4,830,000円になります。

文部科学省が行った令和3年度子供の学習費調査によると、私立中高一貫校に3年間通わせる場合の平均学費の合計は約430万円で、金額の内訳は以下です。

  • 学校教育費:3,178,224円
  • 学校給食費:21,625円
  • 学校外活動費:1,103,956円

これを、同調査を元に公立中学校に3年間通いながら塾を使った場合の平均金額と比較すると、以下のようになります。

スクロールできます
公立中学校私立中学校
学費の平均1,616,317円4,303,805円
学習塾費の年間平均費用356,000円326,000円
3年間の合計1,972,317円4,629,805円
  • 今回の比較では、塾費用に平均値を採用しているため、実際より低い金額となっている可能性が高いことにご留意ください

調査による平均金額で確認すると、

公立中学校に通いながら塾に行く場合と私立中学に通いながら塾に行く場合の平均金額を比較すると、私立中学に通う場合が約265万円高いという結果になりました。

また、令和3年子供の学習費調査によると、学習塾費は公立・私立とも最も割合が多いのは”40万円以上の支出者”となっています。

私立中高一貫校生の塾の費用相場はどれくらい?

私立中高一貫校生の塾の費用相場はどれくらい?

この章では、私立中高一貫校生の塾の費用相場を、具体的な塾をピックアップして解説します。

ピックアップした塾と、その費用相場は次図の通りです。

スクロールできます
指導形式年額3年間の総額
スタディサプリオンライン教材(小4〜中3までの映像授業見放題)26,136円78,408円
チャレンジ中高一貫通信教材129,240円387,720円
メガスタ私立訪問型家庭教師96,036円228,708円
オンライン家庭教師97,416円232,848円
中高一貫校専門個別指導塾WAYS個別指導塾309,760円885,280円
TOMAS完全1対1個別指導約481,000円約1,393,000円
プロ家庭教師の名門会家庭教師約706,320円約2,054,160円
  • 中学3年生の1年間の料金を試算
  • オンライン教材・通信教材はどちらも5教科に対応
  • 個別指導・家庭教師型は週1回 / 月4回(1科目)の受講時の費用
  • オンライン教材・通信教材はどちらも月払いの金額で計算(12ヶ月払いでの契約はこれより安くなる)
  • コースが複数ある場合は、一番安価なコースを受講した時の金額で試算
  • 3年間の総額は【中学3年生の年額×3+入塾金】で計算

特に以下の点で中高一貫校生におすすめの塾をピックアップしています。

  • 中高一貫校生に向けたコースが設置されている
  • 学年の区切りに関係なく、中学〜高校までの指導内容に幅広く対応している

多様な形式の塾を集めましたので、中高一貫校生が塾を検討する際の費用相場を掴む参考にしてください。

私立中高一貫校の塾【オンライン教材編】

オンライン教材を活用する私立中高一貫校向けの塾は、通塾せず、隙間時間を活用して学習できるので、授業や部活で何かと忙しい中高一貫校に通う中学生におすすめできます。

オンライン教材を活用する方法には、以下のようなメリットとデメリットがありますので、確認しておきましょう。

スクロールできます
メリットデメリット
費用が安価に抑えられる
自分のわからないところだけ学習できる
学習計画は自分で立てなければいけない
環境的な強制力がないので、使わなくなってしまうことも

また、オンライン教材を提供してもらえるサービスのうち代表的な以下の2つのサービスについて、費用相場を比較すると次表のようになります。

  • スタディサプリ
  • チャレンジ中高一貫
スクロールできます
指導形式特徴入塾金月額年額3年間の総額
スタディサプリオンライン教材(小4〜中3までの映像授業見放題)学校内容フォローが中心0円2,178円26,136円78,408円
チャレンジ中高一貫通信教材学校内容フォローが中心0円10,770円129,240円387,720円

私立中高一貫校の塾【個別指導・家庭教師編】

個別指導・家庭教師型の私立中高一貫校向けの塾は、一人ひとりに合わせたカリキュラムで手厚い指導を受けられるので、中高一貫校の早い授業進度に対応しながら進学や大学受験に向けた専門的な指導を受けたい中学生が活用すると良いでしょう。

オンライン教材を活用する方法には、以下のようなメリットとデメリットがありますので、確認しておきましょう。

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メリットデメリット
学習管理やモチベーションの部分をフォローしてもらえる
医学部受験や難関大学受験に対してのノウハウを持ち、効率よく対策できる
費用が比較的高価である
授業や部活で忙しい場合、両立が難しいことも

また、個別指導・家庭教師型の私立中高一貫校向けの塾のうち以下の5種類について、費用相場を比較すると次表のようになります。

  • メガスタ私立(訪問型家庭教師・オンライン家庭教師)
  • 中高一貫校専門個別指導塾WAYS
  • TOMAS
  • プロ家庭教師の名門会
スクロールできます
指導形式特徴入塾金月額年額3年間の総額
メガスタ私立訪問型家庭教師学校内容フォローが中心19,800円6,353円〜76,236円228,708円
オンライン家庭教師学校内容フォローが中心6,468円〜77,616円232,848円
中高一貫校専門個別指導塾WAYS個別指導塾学校内容フォローが中心22,000円23,958円287,496円884,488円
TOMAS完全1対1個別指導・学校内容フォロー
・難関大学や医学部受験に対応
約25,000円約38,000円約456,000円約1,393,000円
プロ家庭教師の名門会家庭教師・学校内容フォロー
・難関大学や医学部受験に対応
32,400円約56,160円約673,920円約2,054,160円
マネ美

目的によってここまで値段が変わるんですね!

通う学校によっても違う!私立中高一貫生は状況に応じてうまく塾を活用しよう

私立中高一貫校に通う中学生が通塾を検討し始めるタイミングは、大きく分けて以下の4つです。

  • 授業が理解できないと感じた時
  • 定期テストの点数が悪かった時
  • 進学対策の必要性を感じた時
  • 大学受験を意識した時

また、私立中高一貫校生が塾を選ぶときに確認したいポイントは以下の2点です。

  • 学校の授業進度や教材に対応してくれるか
  • 塾のカリキュラムやサービスが通塾目的に合っているか

文部科学省の調査によると、公立中学校に通いながら塾に行く場合と、私立中高一貫校に通いながら塾にいく場合の教育費の総額は以下のようになりました。

  • 公立中学校+塾:1,972,317円
  • 私立中学校+塾:4,629,805円

これらを踏まえて、具体的な塾をピックアップして値段相場を比較すると、以下のようになります。

  • オンライン教材・通信教材:約3,000円〜11,000円 /月
  • 学校フォローに強い個別指導塾・家庭教師:1科目 約7,000円〜24,000円 /月
  • 難関大学や医学部などの進学に強い個別指導塾・家庭教師:1科目 約38,000円〜56,156円 /月

中高一貫校に通えば、手厚いサポートがあるため塾はいらず、「公立+塾」の費用負担と同程度で足りると思っていたというご家庭は多いかもしれません。

ですが、実際は塾を併用するご家庭が53.9%と過半数であり、私立中高一貫校に通う中学生ならではの悩みから塾に通うことも少なくありません。

塾に通う目的によって選び方が変わってきますので、今回ご紹介した費用相場を参考にシミュレーションしながら、費用計画を立ててみてはいかがでしょうか。

土屋剛(FP)

中学校受験をして私立中高一貫校へ進むご家庭にとって、教育費の”かけどき”にあたる期間は公立に進学する場合よりも長くなります。
教育費の”ためどき”と”かけどき”のバランスを把握してライフプランを組んでおくことが大切です。
もし教育費と家計の計画についてお悩みでしたら、ぜひお手伝いさせてください!一緒に解決しましょう!

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私立中高一貫校生に塾は必要?選び方や費用を解説

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