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【FP解説】塾の平均費用は?小学生・中学生・高校生別に紹介

【FP解説】塾の平均費用は?小学生・中学生・高校生別に紹介

学校教育費に加え、受験に備えて必要となるのが”学校外活動費”

中でも、学習塾への家計支出はかなり大きなウエイトを占めています。

加えて最近では、

  • 急激に進む物価高
  • 労働人口減少による人件費高騰

などの影響で、塾代も大幅に値上げされているのです。※

実際に2018年と2022年の学習塾の平均費用を比較すると、公立中学の3年生では年間約7.6万円も学習塾に支払う費用が増加していました。

【公立】中学3年生の学習塾の平均費用

2018年2022年
月額2万6,148円3万2,488円
+6,340円
年額31万3,780円38万9,861円
+7万6,081円

そこで本記事では、塾講師の経験もあるFP土屋が、以前配信した『学習塾には何歳から通う?公立・私立別の費用をFPが解説』のアップデート版として最新データをもとに、

  • 小学生
  • 中学生
  • 高校生

の学習塾にかかる平均費用を公立・私立別に紹介していきます。

土屋剛(FP)

記事後半では、「塾の費用が高いと感じる方向けの4つの対策」をFP視点で紹介しています。

ぜひ最後までご一読くださいね!

執筆者・監修者

土屋 剛(つちや ごう)

株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表

土屋 剛
CFP®/二種・一種証券外務員資格/日商簿記2級
もくじ

【小学生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

【小学生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

『子供の学習費調査 令和3年度 子供の学習費調査 | 政府統計の総合窓口』のデータを参考に、小学生の学習塾の利用状況を調べてみたところ、

  • 公立:小4~小6の間に、約4~5割の子供が塾に通い出す
  • 私立:小1~小6の間に、約6~8割の子供が塾に通い出す

ことがわかりました。

学年公立私立
小126.9%66.4%
小230.2%61.4%
小336.5%72.4%
小440.0%78.2%
小547.5%81.7%
小651.4%78.3%
⇒公立は高学年から、私立は全学年で学習塾の利用率が高い
土屋剛(FP)

では次に、小学生の塾の平均費用を公立・私立別に詳しく紹介していきます!

公立

公立小学校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
小12,598円3万1,181円
小22,780円3万3,365円
小34,514円5万4,172円
小46,803円8万1,635円
小51万485円12万5,821円
小61万2,918円15万5,013円
⇒本格的に学習塾の費用がかかり始めるのは、小5以降

ただし、こちらはあくまでも全国平均です。

人口10万人未満と人口100万人以上の市町村では、学習塾の費用にも大きな差が出ますのでご注意ください。

人口10万人未満の市町村人口100万人以上の市町村
月額3,804円1万3,365円
年額4万5,647円16万390円
⇒地方と比べると、都市部では学習塾にかかる費用が約3.5倍も増える
土屋剛(FP)

では次に、私立小学校に通う子供の塾の平均費用を紹介していきます。

私立

私立小学校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
小11万4,316円17万1,797円
小21万660円12万7,924円
小31万7,386円20万8,636円
小42万5,287円30万3,449
小53万6,120円43万3,441
小63万3,754円40万5,057
⇒本格的に学習塾の費用がかかり始めるのは、小4以降

公立小学校に比べて、私立小学校では小学校1年生のときから学習塾への費用をかけているご家庭が多いです。

理由としては、

  • 内部進学するための対策
  • 外部受験(中学受験)するための対策
  • 高いレベルの私立の勉強についていくため

が関係している可能性が高いと思われます。

土屋剛(FP)

では次に、中学受験をする場合の費用についてお話していきます。

人気私立中学の受験対策は年間約250万円~328万円かかる

都市部のいわゆる御三家と呼ばれるような人気私立中学を目指す場合は、先程紹介した学習塾の平均費用では大幅に不足します。

具体的には、ハイレベル進学塾に通う場合、小4〜小6の3年間で総額約250万円~328万円もかかるケースがあるのです。

人気私立中学を目指す場合の学習塾の費用
  • 4年生:年間約60万円~73万円
    月謝、春・夏・冬期講習代など)
  • 5年生:年間約74万円~95万円
    (月謝、春・夏・冬期講習代、模試代、志望校別コース代など)
  • 6年生:年間約122万円~160万円
    (月謝、春・夏・冬期講習代、模試代、志望校別コース代など)

⇒3年間で約256~328万円もかかる!

土屋剛(FP)

中学受験を検討しているご家庭では、たとえハイレベル進学塾ではなくても、基本的な月謝以外に多くの費用が必要になるケースが多いです。

ご注意くださいね!

では次に、中学生の塾の平均費用などを紹介していきます。

【中学生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

【中学生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

『子供の学習費調査 令和3年度 子供の学習費調査 | 政府統計の総合窓口』のデータを参考に、中学生の学習塾の利用状況を調べてみたところ、

  • 公立:高校受験を目指して、約6~8割の子供が塾に通っている
  • 私立:約半数が塾に通っているが、小学生の頃と比べると塾に通う割合は減る

ことがわかりました。

私立中学生は内部進学が多数で、受験対策が必要なくなり、塾に通う子供の割合が減っているようです。

学年公立私立
中157.8%51.6%
中269.2%53.4%
中384.0%56.7%
⇒中学時点では、公立のほうが学習塾の利用率が高まる!
土屋剛(FP)

では次に、中学生の塾代の具体的な金額について、公立・私立別に紹介していきます!

公立

公立中学校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
中11万3,003円15万,6032円
中21万6,991円20万3,859円
中33万2,488円38万9,861円
⇒受験対策で中3になると、塾代が高額になる!

公立中学の場合、高校受験を控えている関係で、中学3年生では毎月約3.2万円も塾代がかかる結果となっています。

教育費への支出が増えるため、家計的にもこれまでと比べると貯蓄が難しくなる可能性が高いです。

また、こちらも全国平均の費用となります。

都市部では、さらに多くの塾代がかかる点にご注意ください。

人口10万人未満の市町村人口100万人以上の市町村
月額1万3,994円2万6,752円
年額16万7,925円32万1,028円
⇒地方と比べると、都市部では学習塾にかかる費用が約1.9倍も増える
土屋剛(FP)

では次に、私立中学校に通う子供の塾費用の平均額を紹介していきます。

私立

私立中学校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
中11万566円12万6,795円
中21万5,120円18万1,436円
中31万8,273円21万9,276円
⇒全体的に小学生の頃よりも、塾への支出が減る傾向にある

私立中学の場合、内部進学が増え受験対策をする必要がなくなる子供が多いことから、小学生の頃よりも塾への支出が減ります。

ただし、私立中学では塾代以外の教育費がかかる点に注意しなければなりません。

土屋剛(FP)

では次に、高校生の塾の平均費用などを紹介していきます。

【高校生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

【高校生・学年別】学習塾の利用割合や平均費用

『子供の学習費調査 令和3年度 子供の学習費調査 | 政府統計の総合窓口』のデータを参考に、高校生の学習塾の利用状況を調べてみたところ、公立・私立ともに

  • 小・中学生の頃と比べて、学習塾の利用率が下がる
  • 高3のみ、約4割が学習塾を利用している

ことがわかりました。

学年公立私立
高130.7%35.3%
高230.7%37.6%
高337.9%42.1%
⇒高校で学習塾を利用する割合は、公立・私立ともに約3~4割に留まる

上記のように学習塾の利用率が小・中学生に比べて減っている理由には、

  • 高校に進学する人の割合は、約9割以上なのに対し
  • 大学に進学する人の割合が、約6割まで減っているため
  • 受験対策で学習塾を利用する高校生の割合も減る

ことが大きく関係しているようです。

進学先進学率
高校98.7%
大学57.7%
短期大学3.4%
専門学校21.9%
⇒中学生はほぼ全員が高校に進学するが、高校生は約6割のみが大学へ進学する
土屋剛(FP)

では次に、高校生の塾代の具体的な金額について、公立・私立別に紹介していきます!

公立

公立高校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
高16,723円8万674円
高28,981円10万7,774円
高31万4,233円17万790円
⇒大学受験に備えて、高3の塾代が高くなる傾向あり

公立高校の場合、大学受験を控えている関係で、高校3年生のみ毎月約1.4万円の塾代がかかる結果となっています。

ただし、大学受験をする際には、学習塾の基本的な授業料以外に

  • 教材費
  • 季節講習・特別講習費用
  • 模試・テスト費用
  • 塾の施設使用料や諸経費

などもかかる点に注意が必要です。

土屋剛(FP)

大学受験を目指して塾に入る場合は、入塾前に「授業料以外に総額でいくらかかるのか」を確認したほうが安心でしょう!

では次に、私立高校に通う子供の塾の平均費用を紹介していきます。

私立

私立高校に通う子供の塾の平均費用は、以下のとおりです。

学年月額年額
高19,239円11万873円
高21万4,993円17万9,923円
高31万8,752円22万5,035円
⇒私立高校では、高2から塾代が増加し始める

私立高校の場合、中学生の頃と同じく内部進学が多いため、受験対策をする必要がない人が多いです。

そのため、やはり小学生の頃よりも塾への支出が減ります。

ただし、私立高校では引き続き、塾以外の教育費が多くかかる点に注意が必要です。

土屋剛(FP)

では次に、塾の費用が高いと感じる方向けの4つの対策を紹介していきます!

塾の費用が高いと感じる方向けの4つの対策

塾の費用が高いと感じる方向けの4つの対策

塾の費用が高いと感じる場合には、

  1. 教育費貧乏を避けるためにライフプランを確認
  2. 私立中学は合格後の教育費もしっかり把握する
  3. 祖父母から援助してもらう(生前贈与)
  4. 早い段階で信頼できるFPへの相談を検討

の4つの対策を実践するのがおすすめです。

土屋剛(FP)

どういうことか、一つひとつご説明していきますね!

①教育費貧乏を避けるためにライフプランを確認

塾の費用が高いと感じる場合の1つ目の対策は、「教育費貧乏を避けるためにライフプランを確認」です。

ライフプランとは人生計画表のようなもので、これからの人生において、

  1. 「いつ」「誰に」「どのような」ライフイベントが起こるのか
  2. その際に必要になる費用はいくらか

の2つを長期目線で試算し、そのために今または今後はどうすれば良いかの対策を行う作業になります。

ポイントは、”塾の費用”だけに目を向けるのではなく、

  • 車の購入・買い替え
  • 子供全員分の進学にかかる費用
  • 住宅購入やメンテナンス代
  • 老後資金

など、すべてのライフイベントにかかる費用を試算して、資金計画を立てることです。

ライフプランを立てれば、塾代が高く感じていても、

  • 今は子供に投資する時期で、子供が巣立った後に老後資金を貯めれば家計的に問題ない
  • 現在主婦なら、パートで年間○○万円まで稼いで収入を増やせば、家計的にも問題なく塾代を準備できる
  • 塾代は年間△△万円までなら、支払っても家計的に問題はない

などの見通しがつくので、余計なお金の不安に悩まされにくくなります。

土屋剛(FP)

ライフプランについては、以下記事でも詳しく解説しているのであわせて参考にしてくださいね^^

②私立中学は合格後の教育費もしっかり把握する

塾の費用が高いと感じる場合の2つ目の対策は、「私立中学は合格後の教育費もしっかり把握する」です。

というのも、私立中学に合格して受験対策費用がかからなくなっても、私立中学の学校教育費は平均で

  • 年間約106万円
  • 月額約8.8万円

かかります。※

つまり、仮に受験合格後に塾に通わなくなっても、依然として多くの教育費が必要になるのです。

ただし、私立中学で家計が回っていれば、大学時に貯めておくべき教育費は少なくても問題ありません。

なぜなら、進路にもよりますが、私立中学と大学の学校教育費に大きな差はなく、そのまま家計を問題なく維持できる可能性が高いからです。

③祖父母から援助してもらう(生前贈与)

塾の費用が高いと感じる場合の3つ目の対策は、「祖父母から援助してもらう(生前贈与)」です。

具体的には、塾代を含む教育費の不足分を祖父母の援助でまかなえる

  • 暦年贈与:毎年「1人につき110万円」までの贈与は原則非課税
  • 都度贈与:教育費発生時に、その都度贈与で非課税に
  • 教育資金の一括贈与:最大1,500万円まで事前に一括贈与が可能
    塾や習い事の場合は、最大500万円まで)

といった非課税制度があります。

ただし、制度利用時には、

  • 税務署に制度を活用したことが認めてもらえないと課税される
  • 相続時点から3年以内※の贈与には、相続税がかかる
  • 教育資金の一括贈与の対象は、29歳まで(習い事は22歳まで)
  • 教育資金の一括贈与の制度適用は、2026年3月末まで

など、注意点が多数あります。

そのため、ご不安な場合には信頼できる専門家への相談がおすすめです。

※相続税の対象になる年数は、2027年から段階的に延長されていく予定です。制度をご利用の際は、最新情報をご確認ください。

土屋剛(FP)

それぞれの制度は、併用可能です。

時期や金額・利用しやすさなどを考慮して、上手に組み合わせて活用しましょう!

④早い段階で信頼できるFPへの相談を検討

塾の費用が高いと感じる場合の4つ目の対策は、「早い段階で信頼できるFPへの相談を検討」です。

教育資金は、発生する時期や金額が比較的明確なため「準備しやすい資金」と言えます。

そのため、早い段階で信頼できるFPへ相談しておけば、計画的に塾代などの教育費を準備でき、家計が圧迫される状況に陥るのを防げる可能性が高いです。

ただし、ここで重要なのはFPであれば、誰に相談しても良いわけではないこと!

なぜなら、FPの中には「ただ商品を売りたいだけのセールスマン」も存在するからです。

そのため、

  1. きちんとしたライフプランシミュレーションを作り
  2. 家計全体を長期目線で考えて
  3. 親身に相談者さま第一の中立なアドバイスをしてくれる

3つのポイントをおさえたFPを探すことが非常に重要です。

マネ子

そんなこといっても、どうやったら信頼できるFPを見つけられるかなんてわからない!

土屋剛(FP)

おっしゃるとおり、たしかにご自身で信頼できるFPを見つけるのは難しいですよね。

そういった場合には、ぜひ以下記事をご一読ください。

FP歴16年の知識や経験を活かして、信頼できるFPを見極めるポイントを紹介しています!

結論:塾の平均費用は値上がり傾向!資金計画はお早めに!!

それでは最後に、塾の平均費用について重要なポイントを簡単におさらいしていきます!

本記事のまとめ

小・中・高の塾の平均費用をみると、塾代のピークは、

  • 公立:中学生(特に中学3年生)
  • 私立:小学生(特に4~6年生)

の頃に来ることがわかります。

そのため、この時期は塾代がかかる時期だと、認識しておくのがおすすめです。

また、塾代が高いと感じた場合には、

  1. 教育費貧乏を避けるためにライフプランを確認
  2. 私立中学は合格後の教育費もしっかり把握する
  3. 祖父母から援助してもらう(生前贈与)
  4. 早い段階で信頼できるFPへの相談を検討

の4つの対策を実践することで、家計への負担が軽減できます。

以上、今回は最新版の塾の平均費用を紹介しました。

どのような進路を選ぶかで、塾代の負担も大きく変わってきます。

想定外の進路変更(公立→私立)で塾代の負担が重くなってしまった場合には、ぜひ本記事で紹介した対策を参考にしてみてください!

土屋剛(FP)

本記事を読んでもお悩みが解消されない場合には、ぜひ当FP事務所に遠慮なくお問い合わせください!

相談者さまの利益を徹底的に重視したプランをご提案いたします^^

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