- これから家探しをしようとお考えの方
- 注文住宅を建てたいと考えている方
突然ですが、2021年4月に入ってから住宅業界を騒がせている「ウッドショック」という言葉をご存知ですか?
ウッドショックとは、
- 家を買いたい人がいて
- 土地もあるのに
- 建築木材が高騰&不足して
家が買えない・建てられない現象のことです。
そして、今このウッドショックが過去に類をみないほど深刻化しています。
つまり、これから日本で「家を買いたい・建てたい」と考えている方には、読んで字の如く”他人事ではない状況”になっているのです。
さらには、住宅購入予定者以外の人の生活にも、徐々に影響が出始める可能性があります。
そこで本記事では、マイホーム購入支援も行うFP土屋が
の順に知っておくと役立つ情報を紹介します。
ニュースではまだあまり話題になっていませんが、知っておいて損はない情報です。
今後の日本経済の動向を予測するのにも役立つので、ぜひ最後までご一読くださいね!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
ウッドショックが発生した2つの原因
2021年4月現在、ウッドショックが発生した原因にはコロナの流行が大きく関係しています。
具体的には、コロナの影響を受けて、
- 世界的な建築木材の需要増加
- コンテナ不足
の2つが原因となって、ウッドショックが発生しているのです。※
それぞれ、どういうことか解説していきますね。
①世界的な建築木材の需要増加
ウッドショックが発生した1つ目の原因が「世界的な建築木材の需要増加」です。
コロナが流行しおうち時間が増えた影響で、日本でも最近では都心より郊外の広い一戸建てを選ぶ人が増えてきています。
もちろんこの流れは、日本だけではありません。
- アメリカ
- 中国
などの2大国でも木材需要が拡大し、世界の主要な建築木材が高値を更新しているのです。
つまり、建築木材は世界各国で奪い合いの状態になっています。
一方で今の日本は、他国と競り合って材木を獲得するだけの財力や国力がありません。
通常価格で大量に木材を購入できるアメリカや中国には競り合っても勝てないので、日本まで建築木材が回ってこないのです。
コロナ前は不景気のため、アメリカの住宅需要は高くありませんでした。
その影響で日本はこれまで高品質の木材を安く仕入れられていたのですが、今後はそれも難しくなりますね…。
国内木材で不足分を確保するのは難しいようです。
というのも、日本の木造住宅の原材料は約7割を輸入しています。
国内木材は今まで「高い」という理由から需要がなかったので、すでに日本の林業が衰退しており今後も十分な数を確保するのが難しいのです。
②コロナによる物流コストの高騰
ウッドショックが発生した2つ目の原因が、「コンテナ不足」です。
木材を海外から日本へ運ぶためには、大量のコンテナが必要になります。
しかし、コロナでステイホームが広がり巣ごもり需要が増え、世界的なコンテナ不足が起きているのです。
さらに3月にスエズ運河で大型コンテナ船の座礁事故が発生した影響で、ますます日本へのコンテナ輸送の遅れが心配されています。
つまり、例え日本が木材を購入できたとしても、コンテナ不足で日本まで木材を運べない状況ができあがってしまっているのです。
コンテナ不足は、結果的に運送コストの高騰にも繋がります。
つまり、木材の仕入れ値がさらに上がる原因にもなっているのです。
なんだか住宅業界が大変なことになっているのはわかったけど、家探しをしている人には具体的にどんな影響が出るの?
一般の方への影響については、この次のパートで詳しく紹介しますね。
ウッドショックで住宅購入予定者に起こる2つの悪影響
ウッドショックの影響で住宅購入予定者に起こることが予測される悪影響は、
- 家が建てられない・買えなくなる
- 住宅価格が高騰する
の2つです。
それぞれについて、詳しくお話していきますね。
①家が建てられない・買えなくなる
今後の住宅購入予定者に起こる1つ目の悪影響は、「家が建てられない・買えなくなる」点です。
現在、住宅業界では
- いつ建築木材が
- どのくらいの値段で
仕入れられるか先行き不透明な状態になっています。
つまり、注文住宅を希望される方は、良い土地が見つかってもいつ家を建てられるか分からない状態になる可能性が高いです。
建売であっても、建築木材がなければ工期がどんどん遅れて、引き渡しがいつになるのかわからない状態になってしまいます。
ある不動産業者の話では、「現時点で現場着工していても、年内の引き渡しができない物件が出てきている」とのことでした。
今年~来年に住宅購入を考えている人には、特に影響が大きいと思われます。
②住宅価格が高騰する
今後の住宅購入予定者に起こる2つ目の悪影響は、「住宅価格が高騰する」点です。
先程もお伝えしたとおり、
- 世界的な建築木材の需要増加
- コンテナ不足
によって、これまでにないほど建築木材の仕入れ値が高くなっています。
そのため、今後は今までと同じ価格で住宅を購入できなくなる可能性が高いです。
どのくらいの価格になるかは、正直現時点では予測できませんがかなり厳しい状況だと言えるでしょう。
なるほどね~。
でも、我が家は家を買う予定はないし関係なさそうだね!
ちょっと待ってください!たしかに住宅購入の予定がない人は直接的には関係ありません。
でも、今後は無関係とも言えなくなる可能性があります。
えっ!どういうこと?
詳しくはこの後に説明するので、ぜひご一読くださいね。
ウッドショックは家探しをしない人の生活にも影を落とす
住宅業界では、今後ウッドショックの影響で
- 住宅購入をしたい人がいても
- 売れない状況
が続く可能性が高いです。
どういうことかというと、住宅市場がストップして住宅関連の売上が縮小してしまう可能性があるのです。
つまり、
- 不動産の営業マン
- 建築士、設計士
- 大工、左官屋
- 銀行
- インテリアコーディネーター
- 引っ越し屋
- 家電業者(エアコン、洗濯機、冷蔵庫等)
- 家具屋
など、ここには書ききれない多くの職種の人に影響が出てしまい、日本経済そのものがさらに冷え込んでしまうことが考えられるのです。
持ち家の取得では、同時に様々な業界や職種で大きなお金が動きます。
この流れが止まってしまうと、多くの方に影響が出てしまうのです。
そう考えてみると、今のところ実感はないけど怖いな。
ウッドショックっていつ落ち着くのかな?
ウッドショックの今後の動向や対策については、この次に詳しくお話しますのでぜひ参考にしてください。
ウッドショックはいつまで続く?今後の家探し時の対策
ウッドショックがいつまで続くかは、残念ながら誰にもわかりません。
なぜなら、今ちょうどウッドショックによる影響が表面化してきたところで、まだまだ先行きが不透明だからです。
むしろ、今後もっとウッドショックの影響が強く出る可能性が高くなります。
そこで、これから住宅購入予定の方におすすめしたいのが
- 土地や家探しのタイミングをずらす
- 契約前に「住宅完成保証制度」が利用できるか確認する
の2つの対策です。
一つひとつ詳しくお話していきますね。
①土地や家探しのタイミングをずらす
1つ目の対策が、可能であれば「土地や家探しのタイミングをずらす」方法です。
- 着工や引き渡しがいつになるか分からない
- 住宅価格が高騰する
状況は、住宅購入予定者にとって非常に厳しいですよね。
ですので、特別急ぐ理由がない場合には、ウッドショックによる影響が落ち着くまで家探しを見送るのがおすすめになります。
ただし、半年または1年経ったらウッドショックが落ち着くという保証はありません。
場合によっては、しばらくこの状況が続くケースもあります。
そのため、タイミングをずらす場合には、年齢や状況に合わせてライフプランの変更がやむを得なくなる可能性があることも頭に入れておいたほうが良いでしょう。
②契約前に「住宅完成保証制度」が利用できるか確認する
2つ目の対策が、「契約前に住宅完成保証制度が利用できるか確認する」です。
今後ウッドショックで住宅市場がストップしてしまうと、資金が回らなくなり不動産会社や工務店の倒産が増える可能性があります。
仮にあなたが契約した不動産会社や工務店が倒産してしまった場合、それまで支払った契約金や着手金は基本的には返金されません。
そんなときに役立つのが、「住宅完成保証制度」になります。
住宅完成保証制度とは、契約した不動産会社・工務店が倒産してしまっても、
- 着手金など支払った金額が返金されない
- 工事を引き継ぐ会社がなかなか見つからない
- 引き継いだ工事で割増料金が発生する
などの損害をあらかじめ保証する制度のことです。
ウッドショックのように、今後の状況が見えないときはこういった制度を賢く利用しましょう!
ただし、
- 保険の種類によって、保証限度額や保証内容が異なる
- 建築会社によっては、住宅完成保証制度を利用できない
といった2つの注意点があります。
契約を進める際には、担当者への事前確認を慎重に行ってくださいね。
結論:ウッドショックの影響を考えて家探しをしよう!
それでは最後に、ウッドショックの重要なポイントをおさらいします。
ウッドショックとは、
- 世界的な建築木材の需要増加
- コンテナ不足
の2つが原因で、2021年4月から住宅業界を騒がせている現象のことです。
これから家探しをする人は、
- 家が建てられない・買えなくなる
- 住宅価格が高騰する
といった2つの悪影響を受ける可能性が高くなっています。
また、家探しをしない人にも、「住宅関連の業界の売上が減る」→「日本の景気がもっと悪くなる」という方向で影響が出てくるケースが考えられます。
ウッドショックはいつまで続くかわからないので、現時点で家探しを考えている人は、
- 土地や家探しのタイミングをずらす
- 契約前に住宅完成保証制度が利用できるか確認する
の2つの対策を検討してみるのがおすすめです。
以上、今回は「ウッドショック」についてお話しました。
今後どうなるかは、まだハッキリ分かりません。
しかし、ウッドショックといった現象が起きていることを知っているだけでも、これからの計画や対策を立てやすくなります。
住宅取得について、ライフプランの変更等を考えたいという場合にはFP視点でのアドバイスも可能ですので遠慮なくご相談くださいね!
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