以前、当サイトで『【緊急】ウッドショックで住宅購入予定者がピンチ!2つの原因&3つの悪影響』という記事を配信しました。
ありがたいことに数万を超えるたくさんの方に読んでいただき、現在も当サイトで1番読まれている記事になっています。
ただ、前回の更新からちょうど1年経ったので、
そろそろウッドショックは落ち着いたのかな?
その後、住宅価格はどうなっているんだろう?
と、最新情報が気になる方も多いですよね。
そこで今回は、マイホーム購入支援も行っているFP土屋が「ウッドショックのその後と今後の見通しについて」徹底解説していきます!
- 2022年4月現在のウッドショックや住宅価格の状況
- 住宅業界の今後の見通し
- 消費者の今後のおすすめ対策
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
ウッドショックのその後①2022年4月現在の状況
2022年4月現在の
- ウッドショック
- 住宅関連
の情報を知る上で重要になるポイントは、大きくわけて以下の3つです。
- 第二次ウッドショックで木材価格が再び高騰
- アイアン&オイルショックで住宅価格がさらに高騰
- 世界的な半導体不足も重なって新築一戸建てが品薄
それぞれどういうことか、お話していきますね!
①第二次ウッドショックで木材価格が再び高騰
今年の1月頃に国内の木材価格は若干下がりましたが、
- ウクライナ情勢による
- ロシアへの経済制裁への影響も加わり
現在は第二次ウッドショックが来ています。
具体的には、2021年3月と2022年3月を比較すると、木材製品価格が約2倍近くも上昇しているのです。
【前年と比較】木材製品価格(全国)
2021年3月 | 2022年3月 | 対前年同月比 | |
---|---|---|---|
すぎ正角(乾燥材) | 66,700円/m3 | 130,800円/m3 | 196.1%上昇 |
ひのき正角(乾燥材) | 86,300円/m3 | 161,100円/m3 | 186.7%上昇 |
- 出典:木材価格統計調査:農林水産省
- 主要品目である「厚 10.5cm・幅 10.5cm ・長 3.0m」木材商品の金額です。
例えば、家1軒の木材価格が去年まで200万円だとすると、今年は400万円前後かかってしまう計算になるので、建築業者や消費者への影響は計り知れません。
さらに、この後に紹介する2つのショック&半導体不足が重なったことで、去年よりもマイホーム購入者への風当たりは強くなっています。
②アイアン&オイルショックで住宅価格がさらに高騰
第二次ウッドショックに加えて、「アイアン&オイルショック」も来ています。
そのため、去年と比べて現在はさまざまな側面から住宅価格が高騰し続けています。
アイアンショックとは?
アイアンショックとは、
- 中国で鉄鉱石の需要が拡大した影響で
- 2021年から建築に使用する鋼材価格が
- 高騰している現象
のことです。
具体的には、
- キッチン
- 窓サッシ
- エアコンなどの設備関係
- 屋根や外壁に使われるガルバリウム鋼板
- 基礎補強で使う鉄筋
- 釘や固定ボルト
などの製品が、2021年3月ごろと比べて軒並み20%〜30%も値上がりしています。
オイルショックとは?
オイルショックとは、
- ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに
- 原油価格が高騰している現象
のことです。
2022年3月上旬には、一時約14年ぶりの水準まで急騰しました。
結果として、
- 住宅関連のモノを輸送する燃料費
- 雨樋(あまどい)
- 樹脂系の断熱材
- 石膏ボード
- ビニールクロス
など、さまざまな住宅関連の費用が値上がりしています。
③世界的な半導体不足も重なって新築一戸建てが品薄
ここまで紹介した
- 第二次ウッドショック
- アイアンショック&オイルショック
に加えて、住宅業界や消費者を苦しめているのが、半導体不足による新築一戸建ての品薄です。
半導体とは、身近な電化製品をつくるのに重要な部品になります。
この半導体が、
- 新型コロナの巣ごもりやテレワークで電化製品の需要が急拡大した
- ロックダウンなどによるワーカー不足で供給が追いつかない
- 停電や火災により工場の稼働が長期停止
- ウクライナ情勢で半導体の一部原材料が不足している
などの原因が重なり、不足してしまっているのです。
そのため、
- 温水洗浄便座
- 食洗機
- コンロ
- ガス給湯器
- エコキュート
- LED照明
などの住宅関連の設備機器が在庫切れして、新築の完成が遅れたり入居できても一部の設備は後から設置になる問題も発生しています。
では次に、そんな住宅業界の今後の見通しについてお話していきます。
ウッドショックのその後②住宅業界の今後の見通し
住宅業界の今後の見通しは、正直あまり明るいとは言えません。
なぜなら、
- 住宅価格は今後下がる兆しが見えていない状態
- 給湯器やトイレは数ヶ月待ちのモノもある
- 新居に必要な家財も値上がり傾向が強い
といった3つの理由から、しばらくは住宅業界や消費者にとって厳しい状況が続く可能性が高いからです。
一つひとつ、どういうことかお話していきますね。
①住宅価格は今後下がる兆しが見えていない状態
住宅業界の今後の見通しポイント1つ目は、「住宅価格は今後下がる兆しが見えていない状態」という点になります。
なぜなら、これまで紹介したとおり住宅関連の資材や設備は需要に対して供給が追いついていない状態が続いており、住宅価格を下げられる要素が見えていないからです。
また、アメリカの住宅着工件数も2021年10月頃に一度落ち着きましたが、今はまた上昇していてピークに迫る勢いです。
木材など資源が不足しているにも関わらず、需要が拡大し世界中で奪い合いが加速しているため、しばらくは住宅価格が下がることはないと見ておくのが自然でしょう。
②給湯器やトイレは数ヶ月待ちのモノもある
住宅業界の今後の見通しポイント2つ目は、「給湯器やトイレは数ヶ月待ちのモノもある」点になります。
運良く予算や立地条件に満足できる家が見つかったとしても、完成までは安心できません。
なぜなら、先述したとおり半導体不足によって、給湯器やトイレなど生活で必要になる住宅設備が数ヶ月待ちになっている状態だからです。
つまり、せっかく家を購入してもちゃんと住める(暮らせる)ようになるのは、早くても数ヶ月以上先になる可能性が高くなっています。
③新居に必要な家財も値上がり傾向が強い
住宅業界の今後の見通しポイント3つ目は、「新居に必要な家財も値上がり傾向が強い」点になります。
- 新型コロナ
- ウクライナ情勢
により、現在は新居に必要な家財もどんどん値上がりしている状況です。
一つひとつの値上がりはわずかであっても、新居に引っ越す際は、
- 照明
- ソファー
- ベッド
- テーブル
- 収納用品
- テレビ
- 冷蔵庫
- エアコン
- カーテン
など一気に買い替えが必要になるケースが多く、想定している初期費用内で抑えられなくなる可能性が高いでしょう。
そのため2022年は、ネットなどで公表されている例年の住宅価格や初期費用が当てはまらないケースが多くなっています。
また、以下記事のように今年は住宅以外にも、電気・ガス・食品・消耗品も値上がりします。
そのため、これまでよりも家計が厳しい状況に陥る可能性が高い点に注意が必要です。
では次に、そんな状況の中で家探しをする方に重要となる3つのポイントを紹介していきます。
ウッドショックのその後③消費者の今後の対策は?
現在家探しをされている方は、住宅や家財が値上げされている現状をふまえた上で、
- 余裕ある資金計画を立て、OKなら住宅購入を検討
- 工事の遅れを考慮したスケジュールで動く
- 値上げをしていない住宅会社には注意をする
の3つを意識して、家を購入すべきか検討するのがおすすめでしょう。
それぞれどういうことか、お話していきますね!
①余裕ある資金計画を立て、OKなら住宅購入を検討
消費者の今後の対策ポイント1つ目は、「余裕ある資金計画を立て、OKなら住宅購入を検討する」です。
これまで紹介したとおり、現在は
- 住宅価格
- 住宅設備
などが軒並み値上げすることが決定しています。
これまでの住宅や初期費用の平均相場は当てになりません。
そこで、資金計画の見直しが必要です。
今後の
- 住宅関連などの値上げ
- 生活必需品の値上げによる家計への影響
を見据えて、余裕ある資金計画を立て直し、
長期的に無理のない予算で購入できる家はあるのか?
予算内に収めるために妥協しないといけない条件はないか?
などをチェックする必要があります。
その上で、問題がなければ家の購入を検討したほうが良いでしょう。
ただし、
これ以上値上がりする前に、今契約するのがおすすめですよ!
これから金利が上がりそうだから、契約タイミングを遅らせると損しますよ。
といった営業マンの言葉に焦らされて、住宅を購入するのは危険です。
基本的には、
- きちんとしたライフプランシミュレーションを作り
- 住宅だけでなく教育費や老後なども長期目線で考えて
- 親身に相談者さま第一の中立なアドバイスをしてくれる
の3つの条件を満たすFPの元で相談して、本当の意味で長期的に無理のない資金計画を立ててから動いたほうが確実だと言えるでしょう。
家は一度買ったら、ほとんどの場合は返済が数十年続きます。
需要が拡大し値上げ傾向が強いときは、営業マンも強気なケースが多いので注意してくださいね!
②工事の遅れを考慮したスケジュールで動く
消費者の今後の対策ポイント2つ目は、「工事の遅れを考慮したスケジュールで動く」です。
- 未完成物件を購入したり
- 注文住宅を建てたり
する場合には、『②給湯器やトイレは数ヶ月待ちのモノもある』などの事情で工事の遅れが発生する可能性を視野にいれて動くのがおすすめになります。
数ヶ月〜1年は余裕をもって動けると良いでしょう。
具体的には、
- 社宅などで退去までの期限が迫っていて家探しをしている方
- 子供の小学校入学に合わせて家の購入を検討している方
など、引っ越しまでの期限が短い方は、資金計画を立てるところからでも良いので、早め早めに動き出しておくといざという時にも対応しやすくなります。
③値上げをしていない住宅会社には注意をする
消費者の今後の対策ポイント3つ目は、「値上げをしていない住宅会社には注意をする」です。
これまで紹介したように、
- 第二次ウッドショック
- アイアンショック&オイルショック
- 半導体不足
の3つが理由で、現在はどんな住宅会社も企業努力で住宅価格を維持するのが難しいです。
そんな中で、安い・値上げをしていない住宅会社は、
- 品質面でコストカットをしている
- 会社の利益を削っている(今後、倒産する可能性が高い)
など、長い目で見て消費者にとって良くない施策をしている可能性が高くなっています。
そのため、同じ地域の相場に比べて、明らかに安い家がある場合にはより慎重にチェックするのがおすすめです。
結論:第二次ウッドショックで余裕ある資金計画がより重要に!
では最後に、「ウッドショックのその後」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
2021年4月と2022年4月現在を比べて住宅業界は、
- 第二次ウッドショックで木材価格が再び高騰
- アイアン&オイルショックで住宅価格がさらに高騰
- 世界的な半導体不足も重なって新築一戸建てが品薄
といった状況になっています。
そして、今後は、
- 住宅価格は今後下がる兆しが見えていない状態
- 給湯器やトイレは数ヶ月待ちのモノもある
- 新居に必要な家財も値上がり傾向が強い
といった理由から、家探しをする人にとって見通しが明るいとはいえない状況が続く可能性が高くなっています。
そのため、今後家探しをする予定の方は、
- 余裕ある資金計画を立て、OKなら住宅購入を検討
- 工事の遅れを考慮したスケジュールで動く
- 値上げをしていない住宅会社には注意をする
といった3つの対策を中心に動くのがおすすめでしょう!
以上、今回は「ウッドショックのその後」についてお話しました。
新型コロナやウクライナ情勢など、予想を超える出来事が続く中で、経済や住宅への影響も強く出ています。
そして、今後もどうなるのかは先行き不透明な部分が多いです。
特に家探しをされている方は、今までとは異なる状況で悩まれる場面も多いと思います。
ご不安な際は、遠慮なくお声がけいただければ幸いです^^
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