子供の勉強のサポート。
自宅で親が行うには限界があるので、どこかのタイミングで学習塾に通うのを検討しますよね。
とはいえ、
そもそも何歳から塾に通わせたほうがいいのか?
学習塾って、いくらくらいかかるのか?
など、通わせる前に色々気になっていることがある方も多いはずです。
そこで、今回はFP歴15年・700世帯以上の相談実績があるFP土屋が、
の順に、これから子供を学習塾に通わせようと検討している方に役立つ情報を紹介します。
では、さっそく本文に移っていきましょう!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
みんな何歳から学習塾に通ってる?公立・私立別の利用状況
『子供の学習費調査 平成30年度 学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費支出状況』のデータを参考に、公立・私立別の学習塾にかける支出率から利用状況を調べてみました。
基本的に、中学生以外の年代は公立より私立のほうが学習塾の利用率が高いです。
公立・私立別の利用状況は、この次に詳しく紹介していきます。
公立
結論からお伝えすると、公立の場合は「小3~中学生頃にかけて学習塾を利用し始める子供が多い」です。
これは、
- 中学受験の前
- 高校受験の前
- 勉強の難易度が上がる時期
といった子供のライフステージが大きく関係している可能性が高いです。
一方で、「小学校入学前や高校入学後は、学習塾への支出率が低下」します。
これは、
- 小学校受験をする子が少ない(2020年度の私立小学校入学率は約1.3%)
- 進学先が大学ではない子も多い(2020年度の大学進学率は約54.4%)
など、学習塾を必要とする子供の割合が少ないことが関係していると言えるでしょう。
詳しい内訳は、以下の表をご覧ください。
【公立】年齢別の学習塾の支出率(2018)
年齢 | 学習塾への支出率 |
---|---|
3歳 | 9.2% |
4歳 | 12.2% |
5歳 | 12.6% |
小1 | 26.8% |
小2 | 31.4% |
小3 | 39.0% |
小4 | 40.3% |
小5 | 45.1% |
小6 | 51.6% |
中1 | 58.7% |
中2 | 68.7% |
中3 | 79.8% |
高1 | 34.5% |
高2 | 36.8% |
高3 | 42.1% |
私立
私立の場合は「特に小学生の間は学習塾を利用する子が多くなる」傾向があります。
これは、
- 内部進学するための対策
- 高いレベルの私立の勉強についていくため(補習)
- 小学生の間は、自分で勉強する習慣が身についていないため
などの理由が関係している可能性が高いです。
特に中学から入ってくる外部の子に負けないように、小3~小6の間に学習塾を利用する子供が多くなっています。
また中学生の間も、約5割~6割の子が学習塾を利用しているようです。
一方で、公立と同じく「小学校入学前や高校入学後は、学習塾への支出率が低い」です。
これは、
- 私立幼稚園の子でも小学校受験をする子が少ない(2020年度の私立小学校入学率は約1.3%)
- 進学先が大学ではない子も多い(2020年度の大学進学率は約54.4%)
- 大学進学はエスカレーター式で受験の必要がない
など、学習塾を必要とする子供の割合が少ないことが関係していると言えるでしょう。
こちらも内訳は、以下の表をご覧ください。
【私立】年齢別の学習塾の支出率(2018)
年齢 | 学習塾への支出率 |
---|---|
3歳 | 17.1% |
4歳 | 24.4% |
5歳 | 25.0% |
小1 | 62.7% |
小2 | 67.3% |
小3 | 75.6% |
小4 | 79.5% |
小5 | 84.0% |
小6 | 81.7% |
中1 | 55.6% |
中2 | 62.8% |
中3 | 62.6% |
高1 | 34.6% |
高2 | 37.4% |
高3 | 42.8% |
では次に、学習塾に何歳でいくらかけているかについて紹介していきます。
学習塾に何歳でいくらかけてる?公立・私立別の費用内訳
学習塾に何歳でいくらかけているかは、『子供の学習費調査 平成30年度 学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費』を参考にしています。
こちらも中学生以外の年代は、公立より私立のほうが学習塾にかかる費用が多かったです。
公立・私立別の費用内訳は、この次に紹介していきます。
公立
公立に通っている子が学習塾に通う場合に費用がかかる時期は、
- 第1位:中3(月額約2.6万円)
- 第2位:中2(月額約1.5万円)
- 第3位:高3(月額約1.3万円)
となっています。
これは、
- 高校受験
- 大学受験
を控えた学年の場合に、費用が増えていると予測されます。
詳しい内訳は、以下をご覧ください。
【公立】年齢別の学習費(2018)
年齢 | 学習塾に支払う平均額(年額) |
---|---|
3歳 | 3,947円 |
4歳 | 8,812円 |
5歳 | 8,564円 |
小1 | 17,991円 |
小2 | 30,278円 |
小3 | 40,629円 |
小4 | 47,773円 |
小5 | 84,579円 |
小6 | 96,289円 |
中1 | 110,774円 |
中2 | 178,408円 |
中3 | 313,780円 |
高1 | 71,534円 |
高2 | 98,567円 |
高3 | 150,650円 |
私立
一方で、私立に通っている子が学習塾に通う場合に費用がかかる時期は、
- 第1位:小4(月額約4.0万円)
- 第2位:小5(月額約3.2万円)
- 第3位:小6(月額約2.1万円)
と、小学校高学年に集中しています。
これはやはり、
- 内部進学するための対策
- 高いレベルの私立の勉強についていくため(補習)
といった理由が関係していると考えられるでしょう。
詳しい内訳は、以下をご覧ください。
【私立】年齢別の学習費(2018)
年齢 | 学習塾に支払う平均額(年額) |
---|---|
3歳 | 19,694円 |
4歳 | 32,396円 |
5歳 | 29,570円 |
小1 | 114,452円 |
小2 | 121,978円 |
小3 | 162,612円 |
小4 | 257,528円 |
小5 | 384,113円 |
小6 | 485,494円 |
中1 | 117,141円 |
中2 | 156,644円 |
中3 | 186,569円 |
高1 | 85,200円 |
高2 | 120,636円 |
高3 | 183,807円 |
では次に、お受験費用の注意点について紹介していきます。
注意!ハイレベル進学塾のお受験費用は約200万円超え
ここまでご紹介した学習塾の費用は、あくまでも全国平均です。
都市部のいわゆる御三家と呼ばれるような人気私立中学を目指す場合は、全国の平均額では大幅に不足します。
具体的には、ハイレベル進学塾の場合、小4~小6の3年間だけでも総額200万円を超える費用がかかるケースがあるのです。
- 4年生:年間52万円(月謝、春季・夏期講習など)
- 5年生:年間68万円(月謝、春季・夏期・冬季講習、模擬テストなど)
- 6年生:年間110万円(月謝、春季・夏期・冬季講習、模擬テスト、志望校別コースなど)
→3年間で約230万円もかかる!
そのため、一定レベル以上の偏差値が高い中学校に子供を合格させたい場合には、高額な塾代を見据えてご夫婦で資金計画を立てておく必要があります。
でも、資金計画ってどうやって立てたら良いの?
塾の費用だけを見るのではなく、マイホームや老後を見据えた長期的なライフプランをシミュレーションして、資金計画を立てるのが教育費貧乏にならないためのポイントです。
なるほどね!でも、ライフプランのシミュレーションって難しそう。
たしかにいきなり、”ライフプランシミュレーション”と言われても戸惑いますよね。
ライフプランの立て方などについては、以下の記事で詳しく紹介しているので、まずはご一読いただければと思います。
お時間がない方は、当事務所で提供しているようなFP相談をご活用いただくと時間や手間を節約できるのでおすすめですよ。
では次に、学習塾に通うタイミングを決める方法を紹介していきます。
3つの目的別!何歳から学習塾に通うかの考え方
何歳から子供を学習塾に通わせようか迷った際には、
- 小学校受験をしたい(年中・年長頃から)
- 中学受験をしたい(小3・小4頃から)
- 勉強習慣を身につけたい(中学校入学前)
のように目的にあわせてタイミングを決めるのがおすすめです。
というのも、
- お子さまが本人が望んでいない
- 目的が決まっていない
状態でとりあえず学習塾に通わせてしまうと、授業を受けに行くだけになってあまり効果が期待できない可能性があるからです。
学習塾に通わせることを検討する場合には、ぜひお子さまも含めてその必要性を理解できるように事前に家族で話し合う時間を持ちましょう。
仮に、お子さま自身が勉強よりも他にやりたいことがある場合には、塾以外の習い事に年間数万円~数十万円を投資したほうが将来的な可能性が広がる場合もあります。
教育費にかけられる金額にも限度があるので、多方面で学びの器を作ってあげられる環境づくりをしてあげてくださいね!
- 「中学になると勉強が複雑になるから、今のうちに塾で勉強しておく?」
- 「学校の授業がわかりにくければ、塾で教えてもらえるけどどうする?」
- 「勉強を楽しく教えてくれる先生がいる塾に行ってみない?」
→など、通う子供の意思を尊重するのがポイント!
結論:目的によって何歳から学習塾に通うかが異なる
それでは最後に、学習塾に何歳から通うかを考える上で重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
公立の場合は「小3~中学生頃にかけて学習塾を利用し始める子供が多い」です。
一方で、私立の場合は「特に小学生の間に学習塾を利用する子が多くなる」傾向があります。
公立に通っている子が学習塾に通う場合に費用がかかる時期は、
- 第1位:中3(月額約2.6万円)
- 第2位:中2(月額約1.5万円)
- 第3位:高3(月額約1.3万円)
です。
私立に通っている子が学習塾に通う場合に費用がかかる時期は、
- 第1位:小4(月額約4.0万円)
- 第2位:小5(月額約3.2万円)
- 第3位:小6(月額約2.1万円)
と、小学校高学年に集中しています。
都内のハイレベル進学塾で人気私立中学を目指す場合には、平均額とは異なり小3~小6の3年間で約200万円近い費用がかかるケースも珍しくありません。
長期視点でライフプランや資金計画を立てて、教育費貧乏にならないように注意しましょう!
また、学習塾に通い始めるタイミングに迷った場合には、
- 小学校受験をしたい(年中・年長頃から)
- 中学受験をしたい(小3・小4頃から)
- 勉強習慣を身につけたい(中学校入学前)
のように目的別に時期を決めると、子供の意欲も高まり塾の費用も無駄になりにくいです。
通塾前に家族で、「学習塾に通う必要性」や「目的」について話し合う時間を持ちましょう!
以上、今回は学習塾に通う年齢や費用について紹介しました。
「大切な子どもには、できるだけ良い環境を与えてあげたい!」という気持ちも大切ですが、現実的に教育にかけられる金額は世帯によって異なります。
どの程度子供に投資すべきか迷ってしまった場合には、長期目線で考えていくらまでなら出せるかを夫婦で話し合っておくと良いでしょう。
家計的な判断が難しい場面場合には、ぜひFP相談をご活用ください。
ライフプランを作成の上、現実的にいくら教育にお金をかけられるのかをFP視点でアドバイスいたします^^
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