共働きの子育て問題5選&対処法!600世帯以上の相談実績ありのFPが解説

共働きの子育て問題5選&対処法!600世帯以上の相談実績ありのFPが解説
マネ美

ワンオペ育児がしんどいけど、誰かに頼る余裕もない

マネ太

頑張って働いても経済的に厳しいし、妻との仲も悪くなった

など、現役世代の子育て事情は年々深刻化しています。

土屋剛(FP)

実際に600世帯以上を超えるFP相談をしてきて、「うまくいってる夫婦」と「限界まで追い詰められている夫婦」を見てきました。

そこで本記事では、そんなFP相談での経験を元に、共働き世帯の子育て問題と対処法を紹介していきます。

執筆協力してもらっている森崎さんにも、「ワンオペ」→「夫婦でチーム育児」になった経験をふまえてご意見をいただいたので、ぜひご一読ください!

便宜上、共働きという言葉を使っていますが、専業主婦の方も日々家事・育児をこなしており立派な共働きです。

むしろ、その負担は単純な共働き世帯より大きいケースも少なくありません。

本記事では、共働き・専業主婦世帯関係なく、日々育児・家事・仕事に追われるすべてご家庭に役立つ情報を紹介しています。

執筆・監修者

土屋 剛(つちや ごう)

  • 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
  • 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
  • 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
FP土屋
もくじ

共働き世帯約7割超えで子育て問題が多発している

共働き世帯約7割超えで子育て問題が多発している

かつての日本のスタンダードな家族の形は、

  • 夫(サラリーマン)
  • 妻(専業主婦)

というものでした。

しかし、現代では

  • 給料があまり上がらない
  • 正社員も安心ではない(終身雇用制度がなくなる)
  • 公的年金だけでは、老後資金が足りなくなる
  • 大学の学費が高騰し続けている(教育費が高い)

などの事情から、共働き世帯が増加しています。

共働き世帯数の推移(2004年~2019年)

共働き世帯数の推移(2004年~2019年)
2004年
56.7%
2007年
59.4%
2010年
60.2%
2013年
63.1%
2016年
67.2%
2019年
72.4%

そして、この急激な時代の変化に

  • 国民の価値観
  • 社会制度

などが追いついていないことから、現役世代の子育て問題が多発しているのです。

土屋剛(FP)

具体的にどんな問題が起こっているかは、この後に解説していきますね。

【令和版】共働き世帯の子育て問題5選

【令和版】共働き世帯の子育て問題5選

わたしがFP相談をする中で感じた共働き世帯の子育て問題は、大きく

  1. 昭和の価値観による女性の家事・育児負担の多さ
  2. 目の前の生活に手一杯で話し合う時間がない
  3. 頼れる人が少ない
  4. 経済的に厳しい
  5. 待機児童や小1・小4の壁

の5つです。

土屋剛(FP)

それぞれ、詳しく説明していきますね。

昭和の価値観による女性の家事・育児負担の多さ

現役の共働き世帯の子育てで大きな問題になっているのが、「昭和の価値観による女性の家事・育児負担の多さ」です。

それもそのはず!

2012年国際社会調査プログラム(ISSP)「家族と性役割に関する意識調査」で発表された日本の男性の家事分担率は、33カ国中最下位。

総務省「平成28年社会生活基本調査結果」を見ても、6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連時間は諸外国比べて、圧倒的に少ないのです。

6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連時間

6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連時間(1日あたり)
アメリカ
3時間10分
イギリス
2時間46分
フランス
2時間30分
日本
1時間23分

つまり、いくら共働き世帯が増えても昭和の価値観である

  • 妻は夫を支えるべし(たてるべし)
  • 育児・家事は母親の役割
  • 男は外で稼ぐのが仕事

を見直さなければ、この問題は解決できません。

土屋剛(FP)

まずは、現代の日本において妻側の負担が多くなりやすい現実を夫婦ともにしっかり認識しましょう!

目の前の生活に手一杯で話し合う時間がない

さて、先程は妻側の負担が多いというお話をしましたが、夫側も子育てにたずさわりたくてもだずさわれない現実があります。

男性・正社員が育児休業を取得しなかった理由

  • 「業務が繁忙で職場の人手が不足していた」27.8%
  • 「会社で育児休業制度が整備されていなかった」27.5%
  • 「育児休業を取得しづらい雰囲気だった」25.4%
  • 「自分にしかできない仕事や担当している仕事があった」19.8%

⇒2019年度に育児休暇を取得している男性の割合は、全体でたったの約7.5%。年々増加してはいるものの、女性の83%に比べると取得率が著しく低い。※2

つまり、夫側も妻側もそれぞれ

  • 目の前の生活に手一杯になり
  • 話し合う時間を持てず、価値観のすり合わせができないまま

育児が続いてしまうので、「産後クライシス※」などの問題が起きてしまうのです。

土屋剛(FP)

FP相談時にも、夫婦だけのときは仲良しだったのに、産後から夫婦仲が険悪になったという話を時々耳にします。

森崎ことり

我が家もまさにそれで、息子が4歳に至る現在まで何度も産後クライシスを体験しました。

産後クライシス(危機)とは?
  • 夫が子育てに積極的な関心を持たないこと
  • 産後の心身が深刻な状態な妻への夫の理解の低さ

⇒上記などが原因で、妻から夫への愛情が産後急激に冷める現象のこと。

頼れる人が少ない

3つ目の共働き世帯の子育て問題が、「頼れる人が少ない」点です。

  • 核家族化が進み
  • 高齢者の定年も延び

今までは、祖父母などの親戚と育児することで保っていた妻側の負担割合が大きく膨れ上がっています。

実際に、

  • 近くに祖父母がいない
  • 祖父母が仕事をしていて頼れない
  • 近くに祖父母はいるが、頼れる仲ではない

などの場合は、妻1人で育児や家事の負担を担うケースが多いです。

そして、そんな産後女性の死因のトップが「自殺※」になっているのです。

土屋剛(FP)

里帰りはできても、家に戻ったら家事や育児の負担が一気に妻側にかかるケースは珍しくないですからね。

森崎ことり

私も里帰り後は近くに頼れる人がいなかったので、心理面だけではなく身体的な負担(抱っこによる腰痛や腱鞘炎など)にも悩まされました。

経済的に厳しい

4つ目の共働き世帯の子育て問題が、「経済的に厳しい」点です。

冒頭でもお伝えしたように、子育て中の現役世代は、

  • 給料があまり上がらない
  • 正社員も安心ではない(終身雇用制度がなくなる)
  • 公的年金だけでは、老後資金が足りなくなる
  • 大学の学費が高騰し続けている(教育費が高い)

などかなり厳しい状態にあります。

夫の収入だけでは足りないから、妻が産後に働いて収入を増やしたくても、

  • 乳児期の保育料やベビーシッター代が高額
  • 子供がすぐ風邪を引くから、働く時間を確保できない
  • 預け先がないから、仕事を探せない
  • 育児・家事・仕事の両立が難しい

といった、いくつものハードルをクリアし続けなければならないのです。

土屋剛(FP)

そういった意味で、親世代のようにとにかく頑張って働けば報われる時代ではなくなってきていますね。

待機児童や小1・小4の壁

5つ目の共働き世帯の子育て問題が、「待機児童や小1・小4の壁」といった社会制度の問題です。

急激に増えた共働き世帯に対応できず、保育の受け皿が不足しているのはみなさんもニュースでよく耳にしていると思います。

実は、その時期が非常に長いのです。

社会制度が不足する子育ての時期

  • 保育園:地域によっては、待機児童が多く保育所に子供を預けられない世帯がいる
  • 小1の壁:保育園のように長時間預けられなくなり、仕事と子育ての両立が難しくなる
  • 小4の壁:学童が利用できなくなる家庭での仕事と子育ての両立が難しくなる
土屋剛(FP)

実際に厚生労働省が調査した「平成30年 国民生活基礎調査の概況」でも、小学生の間にフルタイム(正社員)で働く難しさが数字として現れています。

正規の職員・従業員の割合

  • 小学校に入学する「6歳」で減少
  • 小学校を卒業する「12~14歳」で5歳のときの割合に戻る

⇒個人・地域差はあるが、子供が小学生の間はフルタイム(正社員)で働く難易度が上がりやすい傾向がある。

マネ太

小学校に上がると預けられる時間も短いし、毎日宿題も見てあげたいから仕事と育児のバランス調整が難しくなるんだよね。

マネ美

そうなの!

子供を産んだこと自体は全く後悔してないし、ちゃんと向き合ってあげたいから、夫婦2人でこの問題を乗り越えられるのが理想なんだけど…。

マネ太

現実でも、この問題を乗り越えている家族が多くいるわけだしね!

マネ美

でも、具体的にどうやったらこういった子育て問題を解決できるんだろう?

土屋剛(FP)

では次に、これらの子育て問題への5つの対処法をFP視点で紹介していきますね。

新時代の共働きの子育て問題に対処する5つの方法

新時代の共働きの子育て問題に対処する5つの方法

わたしがFP相談を受ける中で、子育て問題にうまく対処しているなと感じたご夫婦が実践していた対処法が、

  1. ネット・本で夫婦の子育ての価値観をアップグレード
  2. 令和テクノロジー活用で時短・合理化
  3. 育休制度や自治体サポートで対策
  4. お金の問題はライフプランを立てて計画的に解消
  5. 働き方の見直し&家族会議をする

の5つです。

土屋剛(FP)

それぞれのポイントを詳しく紹介しますね!

ネット・本で夫婦の子育ての価値観をアップグレード

子育て問題の1つ目の対処法が、「ネット・本で夫婦の子育ての価値観をアップグレードすること」です。

子育て問題にうまく対処しているご夫婦は、情報収集に積極的に取り組んでいます。

古い価値観を持つ親や知人の言葉ではなく、

  • 自分たちで
  • 今の時代にあった新しい家族のあり方

を見つけているのです。

まずは、お金の問題や社会制度に向き合う前に、夫婦の足並みをそろえなければなりません。

森崎ことり

わたしもたくさんの本を読んで試行錯誤しながら、「ワンオペ」から現在の「夫婦でチーム育児」の形までたどり着きました。

仕事柄、子供と向き合う時間が少ない夫の理解を得るまで正直時間もかかりましたが、今は男性(パパ)向けの書籍もたくさん出ているので、ぜひ一度読んでみてくださいね!

土屋剛(FP)

マネきっずの記事でも、パパ向けの子育て本を特集予定です。

今しばらくお待ちくださいね
→更新しました!(NEW)

パパ向けのおすすめの子育て本

準備中(来週日曜日までに公開予定)
→(公開中)

子育ての情報収集におすすめなサイト

令和テクノロジー活用で時短・合理化

子育て問題の2つ目の対処法が、「令和テクノロジーの活用で時短・合理化して、子育てや家事の負担を減らすこと」です。

土屋剛(FP)

子育て問題にうまく対応しているご夫婦は、時短家電などに積極的に投資している印象が強いですね。

森崎ことり

いくら夫婦2人で足並みをそろえて頑張っても、限界がありますしね。

夫婦で話し合う時間や身体的余裕を作り出すために、家電や外注サービスを取り入れるのは良いお金の使い方だなと実感しています。

土屋剛(FP)

マネきっずでも、今後おすすめの時短・外注化できるサービスや商品を紹介予定です。しました。

ここでは、代表的なものを軽く紹介しておきますね。

代表的な時短・合理化できる家電・商品・サービス

育児・家事の外注化ができるサービス

育休制度や自治体サポートで対策

子育て問題の3つ目の対処法が、「育休制度や自治体サポートで対策する」です。

『目の前の生活に手一杯で話し合う時間がない』でも説明しましたが、日本人男性の育休取得率は全体で約7.5%。

しかし、実は日本の育休制度の内容自体は世界トップレベルなのです。

一時的に収入は落ちても、夫婦2人で産後の大変な時期を乗り越えるのはチーム育児をスタートさせる際の大きなメリットになります。

日本の育児休業制度の内容

対象者会社員(諸条件あり)
給付期間原則1年(保育園の待機などで最長2年)
育休中にもらえる金額(月額)180日間は休業前の給料の67%、それ以降は50%分もらえる
お得ポイント社会保険料、所得税、雇用保険料が免除
※育休中は税金等がかからないので、実質は手取りの最大80%もらえる!
マネ美

私みたいなフリーランスは、育休制度を利用できないのが悔しいポイントよね。

土屋剛(FP)

たしかに、フリーランスの方には育休中の給付がないので産後すぐ復帰される方が多い印象です。

2019年から産前産後の4ヶ月間は国民健康保険料が免除になるなど、少しずつフリーランス向けの制度も整備されてきているので今後も注目していきたいですね。

他にもある自治体のママ・パパを支えるサービス

お金の問題はライフプランを立てて計画的に解消

子育て問題の4つ目の対処法が、「お金の問題はライフプランを立てて計画的に解消する」です。

いざ育児がスタートすると、

  • 思ったよりも生活費や保育料がかかる
  • 教育費や習い事のお金はどうやって捻出すればいいか
  • ファミリー用の車や家を買いたいけど、ローン返済が不安
  • 子供に迷惑をかけないために、老後資金も用意したい

などお金の問題が続出します。

でも実は長期目線で考えると、子育てが大変な時期は無理をしてお金を貯めなくて良いケースも多いです。

子育てに余裕が出て仕事時間を確保できるようになってから、貯蓄ペースを上げても遅くはありません。

そして、毎年必ず貯蓄額を増やす必要がないことがわかるのも、ライフプランを立てるメリットだと言えます。

より子育てしやすい環境を作るためにも、将来への見通しを立てて家計管理をしていきましょう!

土屋剛(FP)

自分たちだけでライフプランを立てるのが難しい場合は、ぜひ家計のホームドクターであるFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。

例えば、当事務所のような独立系FPであれば、ノルマや企業へのしがらみがないので相談者さまの利益を優先したプランニングが可能です。

働き方の見直し&家族会議をする

子育て問題の最後の対処法が、「働き方の見直し&家族会議をすること」です。

正直なところ、ここまでご紹介した

  1. ネット・本で夫婦の子育ての価値観をアップグレード
  2. 令和テクノロジー活用で時短・合理化
  3. 育休制度や自治体サポートで対策
  4. お金の問題はライフプランを立てて計画的に解消

の4つをすべて実践しても、共働き世帯の子育て負担は一部しか減らせません。

社会的支援も外注化できるサービスの種類や質も、不十分だと言えます。

その中で、この子育て問題を乗り越えていくには、やはり家族で話し合い・時には働き方を見直す必要があります。

働き方の見直しポイント

⇒毎日ではなくても、まずは週1~2日の導入を目指して!

家族会議のポイント

  • 「妻(女)」「夫(男)」に縛られず、それぞれの時間的余裕や得意な家事・育児で役割分担を決める
  • 対等なパートナーとして、話し合いに望む(稼いでる額や働く時間で主従関係を決めない)
  • 問題が起こったら、その都度話し合いをして価値観のすり合わせをする
  • お互いの情報共有をするための努力を欠かさない(アプリの活用や親だけの時間を確保するなど)

家族会議におすすめなアプリ

マネ美

親になると、夫婦だけで暮らしているときよりも積極的にコミュニケーションを取らないといけないんだね。

マネ太

一緒に親になっていくためには、必要な過程なのかも。

家族の形や働き方はそれぞれ違うから、僕らなりのチーム育児を探していく必要があるんだね。

結論:共働きの子育て問題&対処法

それでは長くなってしまったので、最後に共働きの子育て問題と対処法について簡単におさらいしていきます。

本記事のまとめ

令和時代の共働き世帯の子育て問題は、大きく

  1. 昭和の価値観による女性の家事・育児負担の多さ
  2. 目の前の生活に手一杯で話し合う時間がない
  3. 頼れる人が少ない
  4. 経済的に厳しい
  5. 待機児童や小1・小4の壁

の5つでした。

上記の問題に対処するためには、夫婦2人で

  1. ネット・本で夫婦の子育ての価値観をアップグレード
  2. 令和テクノロジー活用で時短・合理化
  3. 育休制度や自治体サポートで対策
  4. お金の問題はライフプランを立てて計画的に解消
  5. 働き方の見直し&家族会議をする

の5つのポイントを実践し、自分たちだけのチーム育児の方法を模索する必要があります。

ぜひ本記事を参考に、今一度ご夫婦で話し合ってみてくださいね。

現役世帯の子育て問題が深刻かつ広い意味で大変になっているのは、FP相談を行う中で強く実感していました。

そして、私にできるのは”FP視点で役立つ情報を配信すること”だと思い、当サイト「マネきっず」を立ち上げたのです。

この記事が、多くの方の子育て問題を解決するヒントになれば嬉しいです。

土屋剛(FP)

そして、マネきっずを通してFP相談の存在を知ってもらい、経済的不安を減らすお手伝いができればと考えています。

お困りの際は、遠慮なくご相談ください!

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