日本経済はもう成長しないから、子供は海外に留学させてあげたい!
最近は、子供の将来のためにこんな考えをもつ親御さんも増えてきました。
とはいえ、現実問題
そもそも一般家庭の収入で子供を留学させるのは可能なのか?
海外留学には、どのくらいの費用がかかるのか?
が気になる方も多いと思います。
そこで本記事では、世帯年収700万円以下の一般家庭が留学する際の費用問題について、FP歴15年の土屋が紹介していきます。
具体的には、以下の方に役立つ内容になっています。
- 子供の留学費用がいくらになるか
- 日本人の子供が留学する際の費用の注意点
- 一般家庭が子供の留学費用を節約する方法
- 子供の留学を考えている場合のおすすめ情報収集先
⇒上記①~④について知りたい方
子供の留学に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね!
土屋 剛(つちや ごう)
株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
子供の留学費用はいくら?期間別に解説
子供の留学費用の目安は、
- 1ヶ月未満の短期留学:約40~50万円
- 1年以上の長期留学:年間約200~500万円
になります。
内訳は、以下のとおりです。
- 授業料
- 生活費(衣食住に関連する滞在費、交際費、交通費など)
- 航空運賃(往復)
- 海外留学保険料
- 諸費用(パスポート・ビザ申請、エージェント費用)など
ただし、上記はあくまでも目安の金額。
実際には、期間以外にも「どんな目的で留学するか」「どこの学校や国に留学するか」などで大きく費用が変わります。
では次に、短期と長期では、どんな留学が可能になるか紹介していきます。
1ヶ月未満の短期留学:約40~50万円
夏休みや春休みを利用した1ヶ月未満の短期留学の目安費用は、約40〜50万円になります。
短期留学する目的や理由には、
いきなり長期留学は不安だし、とりあえず試しにチャレンジしてみたい!
今通っている学校への影響を最小限にして、海外の生活や文化を知りたい。
というものがあるようです。
そんな短期留学には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
費用面では特に、デメリットの「長期視点でみると、コスパが悪い」点をよく理解しておくと良いでしょう。
というのも、1ヶ月あたりのコスパで考えると、”短期留学=費用が抑えられる”わけではないからです。
留学費用の1ヶ月あたりのコスパ
留学期間 | 1ヶ月あたりのコスパ |
---|---|
1ヶ月未満の短期留学 | 約40~50万円 |
1年以上の長期留学 | 約17~42万円 |
短期留学を検討する場合は、「留学して得られるもの」「1ヶ月あたりのコスパ」をまずはよく調べましょう。
その上で、本当に短期留学にお金をかける意味があるのかをお子さまとよく話し合うのがおすすめですよ!
1年以上の長期留学:年間約200~500万円
1年以上の長期留学の目安費用は、約200~500万円になります。
長期留学する目的や理由には、
海外の学校を卒業して、将来海外で働きたいorグローバル関係の仕事に就きたい!
若いうちに海外の文化を体験して、視野を広げておきたい。
というものがあるようです。
そんな長期留学には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
費用面では特に、デメリットの「総費用が想定よりも増える可能性がある」点を理解しておく必要があります。
なぜなら、デフレ・円安傾向が強い日本の子供が海外留学をする場合、この次に紹介するような注意点があるからです。
【子供の留学費用】デフレ・円安傾向が強い日本の注意点
デフレ・円安傾向が強い日本の子供が海外留学をする際の注意点は、「留学費用の高騰」です。
先程、子供の留学費用の目安は、
- 1ヶ月未満の短期留学:約40~50万円
- 1年以上の長期留学:年間約200~500万円
とお伝えしました。
しかし、これはあくまでも現時点での目安金額です。
授業料や滞在費は、
- 渡航先の国の物価
- 為替レート(日本円を他の国の通貨と交換するときの取引価格)
で変動します。
そして、日本は長期に渡り、
- デフレ(物やサービスの値段が継続的に下がる)
- 円安(外国の通貨に比べて、日本円の価値が低い状態)
です。
さらに人口減少による経済成長率の鈍化で給料も伸び悩んでいるため、今後はますます留学費用の負担が増加する可能性が高くなっています。
ってことは、やっぱり世帯年収700万円以下の一般家庭で子供を留学させるのは無理ってこと?
いえいえ。そんなことはありません。
実は、留学費用を節約する方法はみなさんが思っているよりもたくさんあるのです!
そうなの?教えてほしいっ!
承知しました!
長くなりそうなので、この次に詳しく紹介していきますね^^
一般家庭が子供の留学費用を節約する方法4選
世帯年収700万円以下の一般家庭が留学費用を節約する方法は、
- 留学費用が安い国を選ぶ
- 返済不要の給付型奨学金を利用する
- 各自治体の海外留学支援制度を利用する
- 「学校の成績」「TOEFL iBT」で高スコアを取る
の4つです。
それぞれどういうことか説明していきますね!
本記事で紹介しているのは、代表的な留学費用の節約方法です。
他にも留学費用を安くする方法は、たくさんあります。
本気で留学を検討している場合には、ぜひご自身(お子さま)の状況に合わせて本記事以外の情報も積極的に調べてみてくださいね!
①留学費用が安い国を選ぶ
世帯年収700万円以下の一般家庭が留学費用を節約する1つ目の方法は、「留学費用が安い国を選ぶ」です。
『【子供の留学費用】デフレ・円安傾向が強い日本の注意点』でも説明したように、留学費用は渡航先の国の物価に左右されます。
つまり、日本より物価が安い国に留学すれば費用を抑えられるのです。
例えば、日本からの留学先として人気な
- アメリカ
- カナダ
- オーストラリア
の3ヶ国と留学費用が安いフィリピンを比較すると、以下のように年間で最大250万円も留学費用に差が出ます。
国別の語学留学の年間費用(目安)
国 | 1年間の費用 |
---|---|
アメリカ | 約450万円 |
カナダ | 約330万円 |
オーストラリア | 約330万円 |
フィリピン | 約200万円 |
- 学費や滞在費をすべて含むおおよその金額です。
- 上記はあくまでも現時点での目安費用のため、参考程度に考えてください。
ただし、留学費用は国だけではなく、
- 留学期間
- 留学目的
- 留学する年齢
- 政治等による現地情勢の変化
- 感染や災害などの社会情勢の変化
- 学校や居住形態の選択
など、時期や留学方法で大きく変動する点に注意が必要です。
また、留学費用の安さと引き換えに治安が悪くなったり、学べる内容が偏ったりすることもあるので、留学前に必ず渡航先の最新情報を確認したほうが良いでしょう。
物価を気にするだけでなく、
- ドイツ
- フランス
- スイス
など、学費がほぼ無料の国の大学に進学するのも一つの節約方法です。
また、次に紹介するような返済不要の給付型奨学金を留学生がもらえる国もあります。
②返済不要の給付型奨学金を利用する
世帯年収700万円以下の一般家庭が留学費用を節約する2つ目の方法は、「返済不要の給付型奨学金を利用する」です。
給付型奨学金とはいわゆる”もらえる奨学金”のことで、返済義務がありません。
具体的には、以下のようなものがあります。
給付型奨学金の例(日本)
ここで紹介しているのは一例で、他にもたくさんの給付型奨学金があるので、
- 留学目的
- 留学する国
- 奨学金をもらうための条件
にあわせて探してみるのがおすすめでしょう。
給付型奨学金は日本だけではなく、留学先の制度も活用できます。
例えば、ハーバード大学には、「世帯年収6.5万ドル(約750万円)以下の家庭には学費や寮費を免除する」という奨学金制度があります。
つまり、たとえ世帯年収400万円であっても、実力さえあればハーバード大学に実質無料で通うことができるのです。
もちろんトップ校のハーバード大学に限らず、留学生が使える奨学金を用意している海外の大学は多いです。
ぜひ、色々調べてみてくださいね!
③各自治体の海外留学支援制度を利用する
世帯年収700万円以下の一般家庭が留学費用を節約する3つ目の方法は、「各自治体の海外留学支援制度を利用する」です。
応募者や利用者が少ない自治体も多いので、狙い目でしょう。
「お住まいの都道府県名+留学」で、ぜひ検索してみてくださいね!
日本の各自治体の海外留学支援例
- 東京都:次世代リーダー育成道場
- 埼玉県:埼玉発世界行き
- 大阪府:おおさかグローバル塾
- 福岡県:福岡県アンビシャス外国留学支援事業
④「学校の成績」「TOEFL iBT」で高スコアを取る
世帯年収700万円以下の一般家庭が留学費用を節約する4つ目の方法は、「学校の成績やTOEFL iBTで高スコアを取る」です。
というのも、ここまで紹介した給付型の奨学金をもらうためには、ある一定条件をクリアしなければならないケースが多くあります。
その選考試験に、
- 学校の成績
- TOEFL iBT(英語を母国語としない人の英語力をはかるテスト)
で高スコアを取ることが組み込まれている場合が多いです。
つまり実力さえあれば、留学する際の給付型奨学金を得るための選択肢が広がります。
ただ、すべての人が高スコアを収めるのは現実的に難しいですよね。
そういった場合には、
- 留学費用が安い国を選ぶ
- 返済義務がある教育ローンや貸与型奨学金を利用する
方法で借金を背負いつつ、留学する方法もあります。
日本の大学(短大を含む)に通う学生も、約4割が貸与奨学金を利用しています。
将来への投資と考えて留学費用を借りる選択肢もあるので、家計の状況に合わせて判断すると良いでしょう。
ご心配な場合には、FP相談などを利用して長期的にライフプランを立ててみるのがおすすめです。
では次に、子供の留学を考えている場合のおすすめな情報収集先を紹介していきます。
子供の留学を考えている場合のおすすめ情報収集先
子供の留学を考えている場合のおすすめ情報収集先は、
- 手続き関連:留学エージェントや留学カウンセラー
- リアルな体験談:You Tubeやブログ
です。
それぞれの違いや注意点を紹介していきますね。
手続き関連:留学エージェントや留学カウンセラー
留学する際の手続き関連で相談したい場合には、
- 留学エージェント(留学手続きを代行する留学手配代理店)
- 留学カウンセラー(留学希望者の留学実現のサポートをしてくれる人)
を利用するのがおすすめです。
なぜなら、相談者の
- 予算
- 成績
- 英語力
- 留学後の進路や夢
に合わせて、その人に最適な留学プランを提案し、
- 留学先への入学手続き
- 滞在手配
- 渡航手配
などを代行して行ってくれるからです。
ただし、上記のサービスも商売であり、以下のようなデメリットが存在することも忘れてはいけません。
- 個人手配より留学手続きに費用がかかる
- 提携している学校が限定されているケースがある
- 指定された海外旅行保険への加入が必須になることがある
- カウンセラーやエージェントの話にばらつきがあり、何を信じたらいいかわからなくなる
そのため、どんな方法で留学する場合であっても、騙されたり損をしたりしないために
- 留学費用の相場
- 留学先の情報
- 留学手続きをする方法
などは、ご自身で可能な限り情報収集するのが重要なポイントになるでしょう。
リアルな体験談:You Tubeやブログ
留学した人のリアルな体験談を知りたい場合には、「You Tubeやブログ」を利用するのがおすすめです。
具体的には、以下のチャンネルやブログを参考にしてみると良いでしょう。
おすすめのYouTuberやブログ
- YouTube:YASSler Journal (ヤスラーじゃーなる)
- ブログ:留学パパの高校留学ホットライン
ただし、当然ながらYouTubeやブログは一個人の体験談です。
あくまでも参考程度であることを忘れずに、様々な角度からの情報収集を忘れないようにしましょう。
結論:子供の留学費用は工夫次第で意外とどうにかなる!
それでは最後に、子供の留学費用について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
子供の留学費用の目安は、
- 1ヶ月未満の短期留学:約40~50万円
- 1年以上の長期留学:年間約200~500万円
です。
ただし、円安・デフレ傾向の強い日本の子供が留学する場合には、
- 渡航先の国の物価
- 為替レート(日本円を他の国の通貨と交換するときの取引価格)
の変動で、今後さらに留学費用の負担が増加する可能性が高いです。
そのため、世帯年収700万円以下の一般家庭で子供を留学させたい場合には、
- 留学費用が安い国を選ぶ
- 返済不要の給付型奨学金を利用する
- 各自治体の海外留学支援制度を利用する
- 「学校の成績」「TOEFL iBT」で高スコアを取る
を意識した上で、節約すると良いでしょう。
また、子供の留学を考えている場合には、
- 手続き関連:留学エージェントやカウンセラー
- リアルな体験談:You Tubeやブログ
で情報収集をするのがおすすめです。
以上、今回は子供の留学費用にスポットをあてて紹介してみました。
教育費について考える際に留学も視野にいれる場合には、長期視点でライフプランを作り、資産形成を計画的に行う必要があります。
その際にFP視点でサポート・アドバイスすることも可能です。
お困りの際はお気軽にご相談ください^^
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