2021年4月25日から3度目の緊急事態宣言を受けて、私たちの暮らしや経済への影響が気になりますよね。
中には、
リーマンショック以来の不景気がくるかもしれない。
もしリストラや給与カットが行われたら、どうしよう…。
と不安になっている方もいるかもしれません。
そこで今回は、金融のプロであるFP土屋が
の順に一般家庭向けの不景気と向き合う方法を紹介していきます。
不景気を克服する1番の方法は、”正しく恐れて計画的に対応すること”。
過剰に心配したりなんとなく不安なまま放置しないように、不景気について正しい知識を身に着けていきましょう!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
不景気とは?わかりやすく判断できる4つのポイント
不景気とは簡単に説明すると、
- 物やサービスが売れないから
- 企業が儲からなくて
- 給料が上がらない
といった負のスパイラルに入った状態のことです。
逆に好景気は、
- 物やサービスが売れるから
- 企業が儲かって
- 給料が上がる
といった景気の好循環のことを指します。
実感としては何十年も不景気な感じがするんだけど、今の景気はどんな状況なの?
コロナが流行し始めた2020年の2月辺りから比べると、景気は持ち直してきています。
ただ、今後どうなるかはまだ分からない状態ですね。
そうなんだ。景気がどうなっているか自分で調べたいときってどうすればいいの?
景気の状態を知りたいときは、この次に紹介する4つのデータを見るのがおすすめですね。
①月例経済報告:政府の公式見解
月例経済報告とは、
- 今の景気がどうなっているかについて
- 政府が公式的に考えや意見を
- 公表している資料
です。
直近の2021年4月には、以下のような見解が公表されました。
景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる。
※一部引用:月例経済報告 (4月)- 内閣府
2ページ目以降は、それぞれの業種やジャンルに分けて細かく見解が述べられているので、ぜひ一度は読んでみてほしいのですが、一点注意があります。
それは、これはあくまでも政府の考え・意見であるということ。
例えば政府が「景気は持ち直してきている」と言っていても、実際に一般の人が感じる経済実態とはかけ離れているケースもあります。
月例経済報告は、「今、政府は景気についてどう思っているんだろうな~」といったことが知りたいときに活用しましょう!
②景気動向指数:日本経済の数値
景気動向指数とは、
- 28種類の景気データを元にして
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の経済状況を予測したり
する際に使われる経済指標です。
景気がどうなっているかを判断する際には、この景気動向指数の一致指数(赤線)を見るとわかります。
最新のデータでは、一時期より景気が持ち直してきていたものの、また少し下がっていることがわかりますよね。
こちらは月例経済報告とは異なり機械的に出される数値なので、景気がどちらに向かっているかを判断する際に役立ちます。
ただし、上記を見てわかるとおり4月時点でも最新のデータが2月時点のものです。
今(現状)というよりも、ここ最近の景気動向を見たいときに活用するのがおすすめでしょう。
③景気ウォッチャー調査:人々の感じ方
景気ウォッチャー調査とは、
- 地域の景気の動きを観察できる2,000人を対象に
- 直接アンケートを取って
- 毎月景気の指数を出す
調査のことです。
2021年3月のグラフを見てみると、やはり一時期よりは持ち直してきていると感じている人が多そうですね。
ちなみに、「地域の景気の動きを観察できる2,000人」ってどんな人なの?
全国の不動産の営業マン、タクシーの運転手、アパレル店員など景気で売上が左右されやすい幅広い職種の人のことですね。
なるほど!生活に身近な人が多いから、一般家庭の感覚に近い数値が出そう!!
こちらも毎月内容が更新されます。
よく読んで見ると地域別の雇用状況の雰囲気なども分かるので、ぜひチェックしてみてくださいね
④GDP(国内総生産):日本や世界経済の成長具合
GDP(国内総生産)とは、
- 一定期間に国内で生み出された
- サービスやモノの付加価値(利益)の総額で
- 日本経済の成長具合(国力)
がわかる数値のことです。
三菱総合研究所のレポートによれば、主要国の実質GDPはコロナ流行直後からが大きく回復していることがわかります。
特に中国は、GDPの成長具合が加速していますね!
そうですね。このようにGDPは日本や世界経済の成長具合がわかります。
経済成長と景気は深く関係しているので、知っておいて損はないでしょう!
ちなみに日本のGDP(国力)は、世界で何番目くらいなの?
日本の2020年時点でのGDPでは、世界第3位です。
ですが、今後日本は人口が減少していく中で順位を落としていく可能性が高そうだと考えられています。
GDPの世界ランキング(2020年)
1位 | アメリカ | 約2100兆円 |
2位 | 中国 | 約1400兆円 |
3位 | 日本 | 約500兆円 |
4位 | ドイツ | 約410兆円 |
5位 | イギリス | 約300兆円 |
さて、長くなったのでここで景気を自分で調べる方法について一旦おさらいしていきますね。
景気を自分で調べる方法
- 政府の景気への考え方が知りたい方:月例経済報告 – 内閣府
- 最近の景気動向を知りたい方:景気動向指数 結果 – 内閣府
- 日本人が景気をどう捉えているか知りたい方:統計表一覧:景気ウォッチャー調査 – 内閣府
- 日本や世界の経済成長について知りたい方:内外経済見通し | 三菱総合研究所(MRI)
今の景気を調べたいときは、目的に合わせ上記のデータを見ればいいんだね!
ちなみに、不景気になりそうだと生活や暮らしにどんな変化が出るんだろう?
不景気になると、一般家庭では次のパートで紹介するような悪影響が出始める可能性が高くなりますよ!
不景気が私たちの暮らしにわかりやすく与える悪影響とは?
不景気が私たちの暮らしに与える悪影響は、
- 企業の倒産・休業・廃業件数が増加
- 給与・ボーナスカットやリストラ増加
- 株価暴落
の3つが考えられます。
それぞれ、どういうことか解説していきますね。
①企業の倒産・休業・廃業件数が増加
冒頭でも説明したとおり不景気とは、
- 物やサービスが売れないから
- 企業が儲からなくて
- 給料が上がらない
といった負のスパイラルに入った状態のことです。
つまり、資金力がない企業は不景気になると、物やサービスが売れなくなり倒産・休業・廃業せざる得なくなります。
特に今回のコロナの影響で大ダメージを受けている
- 飲食業
- 観光業
- サービス業
- エンタメ業
などはその影響が強く出る(すでに出ている)可能性が高いです。
また、おうち時間が増えた影響で好調だった住宅業界も、先週紹介したウッドショックの影響を受けて売上が縮小していく見方が強まっています。
②給与・ボーナスカットやリストラ増加
企業の業績が悪化すると、当然そこに勤めている人にも、
- 給与・ボーナスカット
- リストラ
などの影響が出始めます。
実際にコロナが流行してから、希望退職を募る会社も増えているようです。
そのため、記事後半の『本格的な不景気への5つの対策をFPがわかりやすく解説』を読んで、減給やリストラになる前から準備を進めておく必要があります。
③株価暴落
コロナの影響で不景気になった今、世界中で政府が金融緩和を行い株価を支えています。
そのため、株価だけを見ると好調で不景気の実感がわかないかもしれません。
ただし、金融緩和による株高はいつまでも続くわけではないので、今後暴落する可能性も大いにあります。
そういった意味で、記事後半の『④株価暴落時は焦って売らないが鉄則』を読んで、株価暴落に備えておく必要があるでしょう。
では次に、本格的な不景気になる前にしておきたい5つの対策について詳しく紹介していきます。
本格的な不景気への5つの対策をFPがわかりやすく解説
本格的な不景気が来る前にできる対策は、
- 現状把握をしてライフプランを立てる
- 生活防衛資金を確保する
- 副業や在宅ワークで稼ぐ力を増やす
- 株価暴落時は焦って売らないが鉄則
- 不安を煽るメディアや人には注意
の5つです。
一つひとつ詳しく解説していきますね!
①現状把握をしてライフプランを立てる
本格的な不景気が来る前にできる1つ目の対策が、「現状把握をしてライフプランを立てる」です。
なぜなら、不景気が来てしまった後に焦って行動しても、急には生活を変えられないことが多いからです。
まずは、現状把握で家計を見つめ直し、今後に必要になるお金を洗い出すのがおすすめでしょう。
また、不景気の影響で家計状況が悪化する前から、無駄をなくしておくのも有効な対策になります。
ただし、「無駄をなくす=ケチって節約」という意味ではありません。
不景気に向けて、
- 家計のお金の流れを把握して
- 惰性で支払っている固定費を見つめ直し
今後の不景気でも生き抜ける方向に投資をする意識を持つのが重要です。
例えば、
リストラも怖いし1馬力では不安だから、共働きしよう。
その代わり、家事負担を減らす時短家電を購入しようね!
というのも立派な未来への投資ですよね。
このように、不景気の前に現状把握をして家族でライフプランを見つめ直すことで、不景気に負けない強い家計に鍛えられるようになります。
②生活防衛資金を確保する
本格的な不景気が来る前にできる2つ目の対策が、「生活防衛資金を確保する」です。
例えば不景気の影響で給与・ボーナスカットやリストラがあっても、生活防衛資金があれば落ち着いて転職活動を行えます。
具体的には、
- 会社員:生活費6ヶ月分くらい
- フリーランス:生活費1年~2年分くらい
が確保できていると安心でしょう。
ただし、労働契約の大原則として、コロナの影響で業績が落ちたとしても会社は労働者の同意なく給与の減額を一方的にはできません。
リストラについても、解雇ではなく労働者側の自由意思に基づいて退職を勧められるのが一般的で、あなたが納得できなければ無理に退職に応じる必要はないのです。
会社の言うままに減給や希望退職に同意しなければ、すぐに収入がなくなる可能性は限りなく低いので落ち着いて対応しましょう。
仮に収入がなくなっても、一定期間は生活できる貯金のこと
③副業や在宅ワークで稼ぐ力を増やす
本格的な不景気が来る前にできる3つ目の対策が、「副業や在宅ワークで稼ぐ力を増やす」です。
例えば、不景気の影響で本業で稼ぐのが難しくなっても、副業をしておけば本業で頑張り続けるよりも、マイナスになった分を補填しやすくなります。
また、育児や家事で忙しくパートに出るのが難しい配偶者の方も、家計が厳しくなったときに在宅ワークであればスキマ時間で稼ぐという選択肢を選べるようになるのです。
稼ぐ力の強化は、節約や投資よりも家計に利益を生み出す可能性が高くなります。
詳しい方法は、以下記事でも紹介しています。
今後の不景気が不安な方は、ぜひあわせて参考にしてみてください!
④株価暴落時は焦って売らないが鉄則
本格的な不景気が来る前にできる4つ目の対策が、「株価暴落時は焦って売らないが鉄則」です。
株価が暴落すると、保有している株(投資信託)が高く売れなくなって資産が目減りするため、投資をしている人は金銭的に不安になるケースが多いです。
ただし、過去の歴史を振り返れば、株価は暴落しても必ず回復しています。
つまり、暴落時に焦って売る必要はないのです。
また、株価暴落に備えて
- 積立投資を継続する
- 生活防衛資金を確保しておく
- リスクの高い投資をしない
の3つの対策をしておけば、実際に株価が暴落しても家計への影響度は低くなり精神的にも余裕が出やすくなります。
詳しい方法は、以下記事でチェックしてみてくださいね!
⑤不安を煽るメディアや人には注意
本格的な不景気が来る前にできる5つ目の対策が、「不景気への不安だけを煽るメディアや人には注意」です。
今回のコロナでは、日本の不景気な雰囲気が加速しました。
しかし、不景気への不安だけを煽るメディアや人に惑わされないようにしなければなりません。
なぜなら、将来への不安につけ込んで、ボッタクリ商品や怪しい投資話を持ち寄る人も多いからです。
基本的には、不景気になっても家計を守る方法は通常と変わりません。
まずは当サイトや書籍などで、
- 正しいお金の知識を得て
- 本当の不景気の意味を知って
- しっかり不景気に備える準備をする
ことが不景気を乗り切るための1番の対策になります。
- 正しく知って
- 正しく恐れて
- しっかり準備する
を徹底していきましょう!
結論:不景気とは何かを正確に理解して落ち着いて対策しよう
では最後に、不景気とは何かをわかりやすくおさらいしていきます!
不景気とは、
- 物やサービスが売れないから
- 企業が儲からなくて
- 給料が上がらない
といった負のスパイラルに入った状態のことです。
景気の状態を自分で調べたいときには、目的に合わせて
- 政府の景気への考え方が知りたい方:月例経済報告 – 内閣府
- 最近の景気動向を知りたい方:景気動向指数 結果 – 内閣府
- 日本人が景気をどう捉えているか知りたい方:統計表一覧:景気ウォッチャー調査 – 内閣府
- 日本や世界の経済成長について知りたい方:内外経済見通し | 三菱総合研究所(MRI)
の4つのデータをチェックしてみるのがおすすめになります。
仮に今より不景気になると、わたしたちの生活に
- 企業の倒産・休業・廃業件数が増加
- 給与・ボーナスカットやリストラ増加
- 株価暴落
といった3つの悪影響が強く出始めます。
不安な場合には、
- 現状把握をしてライフプランを立てる
- 生活防衛資金を確保する
- 副業や在宅ワークで稼ぐ力を増やす
- 株価暴落時は焦って売らないが鉄則
- 不安を煽るメディアや人には注意
の5つの対策を意識して、不景気になった際の心構えや準備をしておくのが重要でしょう。
以上、今回は不景気についてお話しました。
景気は、好景気と不景気を行ったり来たりします。
不景気になったとしても、一生続くわけではありません。
どんな状況でも家計を守れるように、日頃から家計の力を鍛え不景気に備える準備をしておけば過剰な心配は不要。
ぜひ、今後も景気の動きに目を向け、ご自身や家族を守るお金の知識を増やしていきましょう!
「具体的な家計管理の方法が分からない」「ライフプランの立て方を知りたい」という場合には、直接アドバイスすることも可能です。
遠慮なくご相談くださいね!
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