2022年に入ってからニュースやネット記事で、「リセッション」という文字を目にすることが増えたと感じる人も多いのではないでしょうか?
とはいえ、正直リセッションという文字だけみても、内容がよくわからないので読み飛ばしてしまうことが多いですよね。
簡単に説明すると、リセッションとは「景気が後退すること(不景気)」のことです。
今、このリセッション(不景気)がアメリカを中心に起こり、日本を含む世界経済に大打撃を与えるのではという考えが高まってきています。
そこで本記事では、
- リセッションはそもそも来るのか?
- リセッションが来たら、日本はどうなってしまうのか?
- リセッションに備えて、日本人ができることはあるのか?
といった内容を中心に、FP歴16年の土屋がリセッションについて一般の方が知っておくと役立つ情報を紹介していきます。
自分には関係ないと思っていた経済関連の言葉に強くなるだけでも、変動が大きい今の時代を生きやすくなります。
知識を増やして先を見通す力をつけ、家計を守っていきましょう!
土屋 剛(つちや ごう)
- 株式会社FCTGファイナンシャルプランナーズ:代表
- 講演実績:SBI証券や楽天等のマネーセミナー講師、確定拠出年金投資教育講師
- 保有資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、日商簿記2級、一種証券外務員資格
リセッションはくる?アメリカ経済の状況
リセッション(不景気)がこれからくるかどうかは、現時点では誰にもわかりません。
なぜなら、経済の動向は世界情勢や社会的背景などが複雑に絡み合っており、専門家であっても正確に予測できる人はいないからです。
現在はあくまでも、リセッションがくる可能性が高まっている状態(2022年9月10日時点)です。
また、冒頭でリセッション=「景気が後退すること(不景気)」とお伝えしましたが、中には、
ずっと給料も上がらないし、日本はすでに景気が後退しているんじゃないの?
コロナもあったし、すでに景気は悪い気がするけど。
と感じる方もいますよね。
しかし、実は、
- リーマンショック以降
- 日本やアメリカでは
- 景気を上向きにする政策(金融緩和)
が行われていたため、基本的には株価が(円もドルも)右肩上がりの状態でした。
そのため、株価の視点でみると、今までは金融緩和によって企業の業績が上向きになる景気拡大期だったのです。
しかし、最近は世界経済に強い影響力を持つアメリカで
- 日本とは比べ物にならないくらいの急激なインフレ※1
- インフレスパイラルを防ぐための利上げ※2
が起こったため、今後は景気が後退していくのではないか?といった見方が強まっています。
- 1:急激なインフレとは:短期間に物やサービスの値段が継続して上がってしまう状態
- 2:インフレスパイラルとは:インフレから抜け出せなくなり、経済のバランスを崩すほどの物価上昇が続いてしまうこと
リセッションになったかどうかはどうやってわかるの?
リセッションの定義は各国により違いがありますが、
- アメリカ:全米経済研究所「NBER」の委員会
- 日本:内閣府経済社会総合研究所の「景気動向指数」
によって判断されるケースが多いです。
ただし、上記の判断結果はリアルタイムではわかりません。
数ヶ月以上遅れて経済状況が分析された結果が公表されるので、米国株の投資家などは
- 短期金利が
- 長期金利の水準を上回る
状態になると、リセッション入りが近づいているのではないかと判断するケースが多いようです。
ちなみにアメリカと日本で公表されている最新情報によると、2022年8月前の景気については以下のように判断されているようです。
- アメリカ:2四半期連続のマイナス成長で、景気後退への懸念が高まっている
- 日本:2022年7月時点では、景気動向指数が改善を示している(景気拡張の可能性が高い)
では次に、仮に今後アメリカにリセッションが来た場合に起こる日本経済への影響について紹介していきます。
リセッションが来たときの日本経済への影響3選
これまでの歴史を振り返ると、1980年代以降アメリカがリセッションになったときには、日本も必ずリセッション=景気が後退していました。
そのため、2022年7月時点では景気動向指数の改善が見られた日本でも、アメリカがリセッションになれば景気が後退する可能性が高いです。
具体的には、
- 個人消費が落ち込む
- 自動車など輸出産業の売上が減る
- 米国株や投資信託の価格が下がる
といった影響が出始める可能性が高いでしょう。
それぞれどういうことかお話していきますね。
①個人消費が落ち込む
アメリカがリセッションになった場合の日本への影響1つ目は、「個人消費が落ち込む」です。
すでに、
- コロナやウクライナ情勢
- 円安
の影響で物価が高騰して家計が圧迫され、買い控えが増えたご家庭も多いと思います。
しかし、今後アメリカがリセッション入りすると、日本も連動する形で不景気になり、
- 失業者が増えたり
- 会社が倒産したり
するケースが増え、雇用状況が悪化する可能性が高まります。
その結果、経済的に厳しくなるご家庭がさらに増え、個人消費が落ち込みやすくなるのです。
物価が高騰して、雇用状況が悪くなってしまうのは、家計にとって大ダメージになりそうですね…。
②自動車など輸出産業の売上が減る
アメリカがリセッションになった場合の日本への影響2つ目は、「自動車など輸出産業の売上が減る」です。
アメリカがリセッションになった場合には、現在アメリカで行われている金融引締(利上げ)が終わり、金融緩和(利下げ)が再び行われる確率が高くなります。
すると、相対的に円の価値が上がり(円高になり)、自動車などの輸出産業(日本のモノやサービス)の売上が減る可能性が出てくるでしょう。
③米国株や投資信託の価格が下がる
アメリカがリセッションになった場合の日本への影響3つ目は、「米国株や投資信託の価格が下がる」です。
先程もお伝えしたとおり、アメリカがリセッションになった場合には、金融緩和(利下げ)が再び行われる確率が高くなります。
その際は、ドルの価値が下がるため、現在所有している米国株や投資信託の株価が下がる可能性が高くなるでしょう。
では次に、リセッションに備えて日本人ができる3つの対策を紹介していきます。
リセッションに備えて日本人ができる3つの対策
リセッションに備えて日本人ができる対策は、
- 自分ごととして経済ニュースへの関心を高める
- 焦って売却せず、長期・分散投資を続ける
- 資産を分散させておく
の3つです。
それぞれどういうことかお話していきますね!
①自分ごととして経済ニュースへの関心を高める
リセッションに備えて日本人ができる1つ目の対策は、「自分ごととして経済ニュースへの関心を高める」です。
- 1ドル=144円台で24年ぶりの円安!年内に150円台になるかもしれない!!
- アメリカのリセッションがくるかもしれない
そんなニュースの見出しだけみていると、不安になるかもしれません。
しかし、基本的に経済は四季が「春→夏→秋→冬→春…」と巡るように、好景気と不景気を循環していきます。
そのため、リセッション(不景気)が終わらないことを過度に心配する必要はないのです。
長くても数年〜数十年、短ければ数ヶ月で景気は移り変わっていきます。
ですから、まずはニュースやネット記事の見出しをみて、
やばそうな文字が並んでいるから、なんとなく不安になる…。
急いでなにかしなきゃいけないのかもしれない!
となってしまう状況を抜け出すためにも、経済について自分ごととして関心を持ってみてください。
なるほどね。今はこういうフェーズに入っているだけなんだね。
といったことが大まかにわかるだけでも、精神的に落ち着いて暮らせるようになります。
②焦って売買せず、長期・分散投資を続ける
リセッションに備えて日本人ができる2つ目の対策は、「焦って売買せず、長期・分散投資を続ける」です。
プロの投資家であれば、株式は
- 安いときに買って
- 高いときに売る
を意識する必要があります。
しかし、つみたてNISAなど長期・分散視点の積立投資をしている方は、景気に関係なく今までと同じように積立投資を続けていれば問題ありません。
なぜなら、そもそもつみたてNISAなど長期・分散視点の積立投資は、タイミングを読んで売買するスタイルの投資法ではないからです。
ニュースやネット記事に惑わされて焦って売買してしまうと、結果的に損をしてしまうケースが多いです。
投資目的を思い出し、お金を使う理由がない限りはそのまま投資を継続しましょう。
③資産を分散させておく
リセッションに備えて日本人ができる3つ目の対策は、「資産を分散させておく」です。
具体的には、ご家庭の状況に合わせて現金(貯金)だけでなく、
- 外貨建ての資産(投資)
- 不動産
- 金
などでも資産を形成しておくことで、例えば日本円の価値が下がっても、他の資産の価値が上がることで家計のリスクを分散できます。
特に一般の方で現金(貯金)しか持っていないという方は、まず資産の一部を「外貨建て資産への投資」にまわしてみてください。
投資初心者の方は、税金がかからずはじめやすい
- つみたてNISA
- 一般NISA
- iDeCo
などを目的に合わせて使い分けるところからスタートするのがおすすめですよ!
結論:リセッションに備えて日本人も対策を知っておこう
それでは最後に、リセッションについて重要なポイントを簡単におさらいしていきます!
リセッション(不景気)がこれからくるかどうかは、現時点では誰にもわかりません。
ただし、現在はアメリカを中心にリセッションが来る可能性が高まっているという見方が強まっており、実際にアメリカにリセッションが来た場合には、日本にも
- 個人消費が落ち込む
- 自動車など輸出産業の売上が減る
- 米国株や投資信託の価格が下がる
といった影響が出る可能性が高いと言われています。
そのため、リセッションが来た際に家計を守っていくためにも、日本人の方は
- 自分ごととして経済ニュースへの関心を高める
- 焦って売却せず、長期・分散投資を続ける
- 資産を分散させておく
の3つの対策をするのがおすすめです。
以上、今回はリセッションについてお話しました。
「新型コロナの流行」や「ウクライナ情勢」以降、日本を含む世界各国の経済状況も日々目まぐるしく変化しています。
一般の方の実生活にも影響が出ているので、ぜひこの機会に経済ニュースを”なんとなく”でも良いので読み解ける知識をつけ、激動の時代を生き抜いていきましょう!
具体的に何をすればいいかわからないという場合には、長期視点でライフプランをつくり、家計を強化するためのサポートを行うことも可能です!
お悩みの際は、遠慮なくお声がけくださいませ^^
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