2021年・2022年に、住宅業界で話題になっていたウッドショック。(住宅に使用する木材価格の高騰)
当サイトでも、第一弾・第二弾のウッドショックの記事が、住宅購入を検討する多くの方に読まれています。
そして、今回は第3段となる「2023年のウッドショック&住宅価格」について、個別相談実績700世帯以上のFP土屋が今後の見通しも含め、まとめて解説しました!
- 2023年時点のウッドショックがどうなっているのか知りたい方
- これから住宅購入を検討している方
- 持ち家と賃貸で迷っている方
は、ぜひ本記事を参考にしていただき、後悔のない住まい選びを進めていただければ幸いです!
そもそもウッドショックが何かを詳しく知りたい方は、ぜひ以下記事もあわせてご一読ください^^
2023年のウッドショック&住宅価格!今後の見通しは?
2023年のウッドショックや住宅価格を知るうえで重要なのは、
- 木材価格はコロナ前の水準に戻りつつある
- 住宅価格は現在も上昇し続けている
の2つのポイントです!
それぞれどういうことか、今後の見通しもあわせて詳しく解説していきますね。
①木材価格はコロナ前の水準に戻りつつある
2023年のウッドショックについては、木材価格がコロナ前の水準に戻りつつあり、落ち着きをみせていることがわかります。
製材・構造用集成材の輸入平均単価
実際に2023年1〜5月の木材輸入額累計は、前年同期比▲17%減の5,786億円になりました!
とはいえ、これが一時的な落ち着きかどうか、今後の流れが気になるポイントですよね。
結論からお伝えすると、新型コロナウイルスの感染拡大によって発生していたウッドショックは、今後再発生する確率が低いです。
なぜなら、ウッドショックの原因となっていたコロナ禍における
- 輸出規制や物流コストの高騰
- アメリカの超低金利政策と巣ごもりによる住宅需要の増加
といった問題は2023年にはかなり解消されており、今後再び同じようなウッドショックが起こるとは考えにくいからです。
むしろ現在では、最大の木材製品市場である米国や中国の景気後退などにより、世界的に木材が余る時代が来るのでは?といった見方も強まっています。
ただし、木材価格は社会情勢に影響される側面が強いため、不確定要素が多いです。
今後、いつまた木材価格が上昇するかは、専門家でも正確に予測できません。
そのため、住宅購入を検討している方は、引き続きニュース等で最新情報をチェックしておくことをおすすめします。
もちろんマネきっずでも新たな情報が入り次第、お知らせしていきますね!
②住宅価格は現在も上昇し続けている
先程お伝えしたように、2023年のウッドショックは落ち着きをみせています。
しかし、住宅価格は現在も上昇している状況です。
不動産価格指数(令和5年4月分)
そして今後数年は、住宅価格は上昇し続ける、または高止まりする可能性が高いです。
えっ!
なんでウッドショックは落ち着いたのに、住宅価格は下がらないの?
残念ながら、住宅価格は木材の値段だけでは決まりません。
このあとに説明する3つの理由から、今後もしばらくは住宅価格が下がりにくい状態が続くと考えられます。
ウッドショック収束後も住宅価格が上がる3つの理由
ウッドショック収束後も住宅価格が上がる理由には、
- 人件費の高騰:人材不足や建築業2024年問題
- 建築資材の値上がり:世界的なインフレの影響
- 低金利の持続:住宅価格が値下がりしにくい状況
の3つが関係しています。
一つひとつどういうことかお話していきますね!
①人件費の高騰:人材不足や建築業2024年問題
ウッドショック収束後も住宅価格が上がる1つ目の理由は、「人件費の高騰」です。
かねてより、日本の建築業界は少子高齢化による人材不足などが問題視されており、これまでは一人ひとりが長時間労働をすることで住宅需要に応えてきました。
しかし、2024年4月には建築業界にも「働き方改革関連法」が適用され、
- 時間外労働の上限に規制が設けられる
- 法定時間外労働の割増賃金率が25%から50%へと引き上げられる
といった変化が起こります。
つまり、今後は
- 住宅を建てられる人材がさらに減るのに
- 1人あたりの働ける時間はもっと短くなり
- 時間外労働への賃金は割増される
建築業界の人件費の大高騰時代が来るのです。
家は大工さんがいなければ、建ちません。
そして、人口が減少していく日本において、この問題を解決できる糸口は見つかっていないのです。
結果的に、今後も人材不足が原因の建築コストの値上がりは続きます。
そのため、住宅価格も下がりにくい状況が続くことが予測されるのです。
②建築資材の値上がり:世界的なインフレの影響
ウッドショック収束後も住宅価格が上がる2つ目の理由は、「建築資材の値上がり」です。
マネきっずの読者のみなさんも実感されていると思いますが、今はさまざまな”モノ”の値段が上がっています。
その影響は、建築資材にも広がっているのです。
建材の値上げ関連ニュース
- 出典:建材値上げ関連ニュース | 新建ハウジング
- 2023年に入ってからも、住宅メーカー各社の値上げが相次いでいる
日本は建築資材の多くを輸入しているため、世界的なインフレ化(モノやサービスの値段が継続的に上がる状況)では、日本だけで物価高騰の問題をコントロールできません。
そのため、建築資材の値上がりによって住宅価格が上がる状況は、今後もしばらく続く可能性が高いのです。
③低金利の持続:住宅価格が値下がりしにくい状況
ウッドショック収束後も住宅価格が上がる3つ目の理由は、「低金利の持続」です。
2023年7月に行われた金利政策の動向を決める金融政策決定会合では、”低金利を続ける”といった趣旨の報告が行われました。
これは、物価上昇に対して賃金が追いついていない現状をふまえて決定されたものです。
そして、低金利の状況下では住宅価格は下がりません。
なぜなら、
- 低金利:消費者は借りれるお金が多い=住宅価格は高く設定される
- 高金利:消費者は借りれるお金が少ない=住宅価格は低く設定される
といった金利と住宅価格の関係上、低金利のときには住宅価格が値下がりしにくい状況が続くからです。
でも、最近は金利が上がったっていうニュースを見ることもあるけど…。
金利が上がっているのは、固定金利のみです!
変動金利は、まだ上がる状態にはなっていません。
ん?どういうこと??
同じ住宅ローンでも、変動金利と固定金利では金利を決める仕組みが異なります。
そのため、変動金利が上がらない状況では住宅価格も値下がりしにくいのです。
なるほど!
固定金利が上がったからといって、変動金利も同時に上がるわけじゃないのね。
おっしゃるとおりです!
住宅ローンの金利は制度が少々複雑なので、以下記事もあわせて読んでいただくとより一層理解しやすいですよ^^
住宅価格が上昇しているのに、今後家は買うべきか?
ここまで聞いた限り、住宅価格はしばらく下がらなさそうだね。
今後家を買いたいと思ってたけど、やめたほうがいいのかな?
住宅価格や金利は、変動しやすいです。
ですので、そこだけに注目して住宅購入を悩んでしまうと、いつまで経ってもどうするか決められないと思いますよ。
じゃあ、どうしたらいいの!?
変動しやすい住宅価格や金利は、一旦頭の隅においておきましょう。
そのうえで、まずはこの次に紹介する3つのポイントを重点的に考えてみると、今後の住まい選びがスムーズに進みますよ!
- 現実的な予算を立てる
- 自分軸でライフプランをつくる
- 持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較する
①現実的な予算を立てる
住宅価格が上昇しているときに家を買うか悩んだ際の1つ目のポイントは、「現実的な予算を立てる」です。
大前提として、”家を買う”かどうかを決める際に大切なのは、
- 家を買える資産状況なのか
- 家を買ったあとに、なんらかのトラブルが起こるリスクは高くないのか
を冷静に判断することです。
そのときの住宅価格や金利の動向も重要ですが、家を購入できる現実的な予算が具体的にわかっていない状況で、何千万円もする家の購入に踏み切るのはおすすめしません。
なぜなら、住宅購入において万人に共通した答えはなく、それぞれのご家庭の状況によって家を購入したほうが良いか否かの判断は異なるからです。
たしかに!
そもそも自分たちがいくらくらいの家なら購入しても大丈夫なのか、ちゃんとわかってなかったかも。
なので、家を探したり金利や住宅価格の動向をチェックしたりする前に、まずはご自身が購入できる住宅の現実的な予算を出すことが重要になります。
でも、予算を出すって、どうやるのが正解なの?
ご自身で予算を立てることもできますが、おすすめは専門家への相談です。
でも、専門家に相談するとお金もかかるし、正直あまり乗り気にはなれないな…。
おっしゃるとおり、依頼料はかかるケースが多いです。
ただし、何千万円もする買い物なので、多角的に分析・診断ができるプロの力を借りたほうが結果的に得するケースが多いですよ!
う〜ん。
でも、信頼できる専門家を探すのも難しそうだし、無駄にお金を取られたら嫌だしなぁ。
そういった場合には、ぜひ以下記事をあわせて読んでみてください。
信頼できる専門家を探す方法がわかります。
もちろん、ご自身で色々調べるのがめんどうな場合には、お声がけいただければ私が直接ご相談にのることも可能ですよ^^
\ FP土屋に相談したい方はこちら/
②自分軸でライフプランをつくる
住宅価格が上昇しているときに家を買うか悩んだ際の2つ目のポイントは、「自分軸でライフプランをつくる」です。
ここまで説明したように、
- 住宅価格の相場
- 金利の動向
は日本だけでなく、世界的な社会情勢の影響を大きく受けます。
そして、
- 新型コロナウイルスが突然流行したり
- ウクライナ侵攻などの戦争がはじまったり
など、将来的な社会情勢を完全に予測するのは専門家でも不可能です。
そのため、社会軸で住宅購入について考えるのはおすすめできません。
それよりも、住宅購入について考えるのであれば、今後のライフイベントを予測したうえで、自分軸で住宅購入のタイミングなどを検討するのがおすすめです。
住宅購入のタイミングが考えられれば、「いつまでに住宅購入に必要なお金を貯めればいいか」などの資金計画も立てやすくなりますよ!
でも、今後どんなライフイベントがいつ起こるかなんてわからないし…。
そんなときにおすすめなのが、「ライフプランをつくる」です。
資金面も含めていくつかのパターンにそってライフプラン(人生計画)をつくることで、今後の見通しを立てやすくなります。
たしかに、家を買うにしても、無計画に動くのは無理がありそう。
計画的に動きたいなら、ライフプランをつくるのはアリだね!
はい!ぜひ、以下記事も読んでライフプランへの理解を深めてみてください。
家を買っても買わなくても、家計の問題を解消するのにライフプランは大いに役立ちますよ^^
③持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較する
住宅価格が上昇しているときに家を買うか悩んだ際の3つ目のポイントは、「持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較する」です。
というのも、持ち家と賃貸では以下のようにメリット・デメリットが大きく異なります。
そのため、今後の住まいを考える際には、持ち家と賃貸のどちらの選択があなたのご家族に適しているのかを事前に知っておくのがおすすめなのです。
持ち家と賃貸の比較
メリット | デメリット | |
---|---|---|
持ち家 | 老後(ローン返済後)の住居費負担が少ない 大家さんに気を使うことなく、家を自由に改装できる 賃貸に比べて、広い家に住めるケースが多い 上下階の住民に気をつかわなくて済む | 初期費用が多くかかる 一部地域を除いて、資産価値が下がる可能性が高い 収入やライフスタイルの変化に合わせて、住居費を調整できない トラブルがあっても、簡単には引っ越しができなくなる 建物の老朽化に備えて、修繕費を貯めておく必要がある 駅チカ物件は値段が高く、手が出せないケースが多い |
賃貸 | ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変えられる 建物のメンテナンスや管理を気にしなくていい 駅チカ物件が多くあり、交通の便が良い トラブルに見舞われた際に、簡単に引っ越しができる | 老後に収入が減ってしまっても、家賃を払い続ける必要がある 大幅な改装やリフォームは自由にできない 上下階への住民に配慮して暮らす必要がある 住み替え費用や更新料がかかる ファミリー用の物件は少なく、あっても割高もしくは条件が悪いケースが多い |
ぜひ以下記事もあわせて、より詳しく持ち家と賃貸の違いを比較してみてくださいね!
結論:ウッドショックは落ち着いたが、今後も住宅価格は上昇傾向
それでは最後に、2023年のウッドショックや住宅価格について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
2023年のウッドショックや住宅価格を知るうえで重要なのは、
- 木材価格はコロナ前の水準に戻りつつある
- 住宅価格は現在も上昇し続けている
の2つのポイントです。
そして、ウッドショック収束後も
- 人件費の高騰:人材不足や建築業2024年問題
- 建築資材の値上がり:世界的なインフレの影響
- 低金利の持続:住宅価格が値下がりしにくい状況
といった3つの理由から、住宅価格は上昇または高止まりする可能性が高いと予測できます。
今後も住宅価格が上昇していくなかで、家を買うか迷った場合には、
- 現実的な予算を立てる
- 自分軸でライフプランをつくる
- 持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較する
の3つを実践してみてください。
住宅価格が上昇している状況下での住まい選びの悩みが、解消されますよ!
以上、今回は2023年のウッドショックと住宅価格を中心にお話しました。
2021年から話題になっていたウッドショックが落ち着きを見せても、住宅価格は下がる兆しが未だ見えていません。
そういった状況から、住まい選びの難易度は数年前よりも上がっています。
このように今後の見通しが立てづらいときは、お金の専門家であるFPへの相談をおすすめします!
プロの力を借りて、先行きが見えない住宅購入へのご不安や疑問を取り除いてくださいね^^
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